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【じーじは見た!】前編:再植林への動機付け、頑張ったな林野庁⁉

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉

じーじはIPCC(気候変動の国連政府間パネル)のルールが森林減少を助長していると、こんな投稿で問題を指摘してきました。👇

再エネというのは「太陽光」や「風」をエネルギー源にして電気を創り出し、CO2も排出しない(製造段階・メンテナンス段階の排出は別ですよ、突っ込まないでくださいね)上に、太陽光と風という持続可能な無償の燃料を使った発電でもあるので環境にいいです。

ところがバイオマスエネルギーは、木質燃料を調達しつづけなければなりませんし、木を燃やしたらCO2が排出されます。

それなのにCO2排出をゼロでカウントしましょうという国際ルールの運用に間違いがあるとじーじは指摘してきました。

植林ファーストで森林が増えていることが担保されるなら木を燃やすことをノーカウントにすることもありかもしれませんが、現実は燃やすファーストで森林が減少を続けています。これはいかがなものか?と思っていました。

下記データが示すとおり森林減少の速度は2000年から変わっていません。増加と減少を足し算してみてください。伐採に植林(森林増加)が追い付いていません。寄付だけの環境植林では資源循環には不十分なのです。

世界森林資源評価2020主な調査結果(FRA統計)より抜粋

林野庁が今回「日本発」かつ「世界初」のルールづくりを頑張ってくれました。世界が続いてくれて「再植林」が動機付けされるように日本政府は世界の仲間づくりを頑張ってくださいね。

詳しく見ていきましょう!

✅日本の森林は、伐採後7割が再植林されていない⁉

2022年4月から6月に掛けて環境省のJクレジット運営委員会の下に森林小委員会が設けられて、伐採後の山が放置されずに再植林されるしくみづくりが検討されてきました。

その理由は、この記事👇を読んでいただけると分かります。

2022年8月10日付けで「J-クレジット制度における森林管理プロジェクトに係る制度の見直しについて」と題して制度文書の改定・施行が発表されました。

第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋①
昭和61年の日本の人工林構成が30年後にどうなったか?
10齢級(46~50年生)、11齢級(51~55年生)、12齢級(56~60年生)という経済的価値の高い人工林面積が非常に大きい森林大国に育っていたのです。
第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋②
伐採後の再植林が進まず、成熟林の吸収量が頭打ちになってきている。
CO2の吸収量では既に日本の森林が成熟から衰退期に入っていることが明確です。
第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋③
国産材の需要が少しずつ増してH30年の姿として8万7千haの森林が伐採されています。
一方、伐採後に3万haしか再植林されていません。
つまり3÷8.7=34.4%が再植林率で65.6%が伐採後放置されている訳です。

✅なぜ再植林されないのでしょうか?

第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋④
山主さんに後継者がいないことや再植林費が賄えない
(儲からないので費用を捻出できない)
ために再植林が進まないのです。
第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋⑤
主伐が実施されないために日本の森林資源を活用した産業が回っていきません。
第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋⑥
日本は戦後の植林なのに対して中国は近年の植林なので
30年後の蓄財量は世界を圧倒するようになっていると思いますよ。
つまり中国は未来への投資を行っているのです。
日本の戦後も同じように未来への投資を行ってきました。
でも今は目先の自分の利益優先ばかりで国中が利己的になりました。

上記のとおり日本の森林における人工林(植林)資源は世界的にみてもすごくポテンシャルがあるのです。

しかし、残念ながら、林業が国の主力産業ではなく、例によって日本の農林水産業はどれも規模が小さく、農業なら個人農家に農協、林業なら個人の山主さんに林業組合という美しき中小企業構造は共通なのです。

「大企業」を敵視してきた風土と頭の堅い年配の昭和人支配のマネジメント構造の中で「IPCCルール」を持ち出したところで林業組合の多くが誰も真剣にルール変更のロビー活動などやってこなかったハズです。

儲からない構造でも、知り合い間の利権の付け合いでわずかの儲けを分け合う既得権益重視・前例踏襲を続けてきたのです。

既得権を打破して、儲かるようなビジネスモデルを作れないのか?
そのためには欧米に負けないように頭を使わなくては駄目です。

林野庁さん、今回は、本当によく頑張りました。

✅CO2吸収効果を経済価値に⁉

これまでEV化、太陽光発電などCO2の排出削減ばかりが注目されてきましたが、樹木のCO2吸収効果や森林の減少には注目が集まりませんでした。

林野庁は伐採した木材が使われる製品はCO2を長期間固定化(廃棄されて燃やされるまではCO2は排出されない)する効果を可視化しています。

第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋⑦
生産された木材製品が廃棄されずに残存している比率は非常に高い。
第1回森林小委員会「森林経営論等の見直しに向けた論点」より抜粋⑧
スギの成熟林を主伐(皆伐)した時を例に
CO2固定量(114トン/ha)をクレジットして経済価値を
与えてほしいと林野庁が訴えに使った資料です。

スギの成熟林からはha(ヘクタール:100m×100m)315㎥の原木が取れます。

その内242㎥(76.8%)が製材用原木(A材と呼ばれ高い価格で販売できます)になります。

56㎥(17.8%)が合板用原木(B材と呼ばれます)に使われます。

A材にもB材にもならないものはC材として製紙用原料17㎥(5.4%)になります。

更にA材にもB材にもC材にもならない部分(枝葉や細くてC材にもならない部分)を従来はバイオマスボイラーで燃やして熱利用されてきました。

樹木は太い幹の部分から枝葉に至るまで全てを資源として利用してきたのです。これを木材のカスケード利用といいます。

問題なのは、IPCCが木は燃やしてもCO2排出ゼロというルールを作ってしまい、欧州や日本政府が木を燃やすボイラーに補助金を与えて、燃料の購買力を付けさせたことにあるのです。

樹木をA材・B材・C材・バイオマス燃料としてカスケード利用するなら問題ないのですが、バイオマス燃料を買う人にだけ補助金を与えたのでB材やC材、場合によってはA材までも燃やしてしまえる購買力をバイオマスボイラー側にだけ持たせてしまったことが問題なのです。

また、伐採しなくてもいい海外の自然林を木質ペレットを製造するために伐採して、それを日本に輸入してきて燃やすことに、皆さんお一人おひとりが負担しているFIT賦課金が使われていることに納得できますか?

知らされていないだけで、知れば嫌な気持ちになりますよね。

世界に誇れる森林資源を持ちながら自国では再植林もせずに人工林面積を減らして他国の自然林を伐採した木質ペレットを輸入してくる国、そんな日本は嫌ですよね。

後編では、林野庁がどう頑張ってどんな制度を世界に先駆けて創ったのかを紹介しますね。

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