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【じーじは見た!】前編:取締役のスキルマトリックスを見てみた⁉

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉

みなさんは、統合報告書(統合レポート)をご覧になったことがありますでしょうか?

何を統合したレポートかというと財務情報(儲けの成績情報を主体に記述)と非財務情報(環境への対応、人権尊重・多様性への対応、腐敗防止などの取り組みを定量・定性的に記述)を統合した報告書です。

最近の大学生は昔と違ってよく勉強しています。こういったレポートまで読み込んで企業研究を行っているんですよ。

タイトルの「スキルマトリックス」は取締役のスキル(訓練や経験・学習によって培われた高度な能力)をマトリックスで表したもので、そんな情報を企業のホームページや統合レポートで開示するように投資家を中心に求める時代になりました。

サンプルはこんな感じです。

日本電産の「統合報告書2021」P49より抜粋

さて、取締役のスキルマトリックスから何が見えてくるのか?一緒に眺めていくことにしましょう。

1️⃣伊藤忠商事のスキルマトリックス

商社と言えば日本の7大商社(三井・三菱・住商・伊藤忠・丸紅・豊田通商・双日)、やっぱり今でも岩崎弥太郎の三菱商事が強いですね。

ただ、最近は伊藤忠商事に勢いがあります。

その伊藤忠商事の取締役スキルマトリックスを見てみましょう。

伊藤忠商事統合レポートP104より抜粋

貼り付けたイメージでは小さくて分かりにくいので上記の「伊藤忠商事統合レポートP104」をクリックしてもらえると実際の伊藤忠のレポートに飛びます。

サンプルに使った日本電産は、取締役の専門性と経験を最大3つまで〇を付けるというスタイルのマトリックスでしたが、伊藤忠商事は、社内役員は〇(白丸)が付けられていて知見や経験を有する分野に複数印を付けていますが、社外役員は貢献できる分野を3つだけ各役員と協議の上で●(黒丸)を付けているそうです。

伊藤忠が横軸に掲げている項目は次のとおりです。
①経営全般
②グローバル
③マーケティング・営業
④SDGs・ESG
⑤健康・医療
⑥財務・経理・リスクマネジメント
⑦人事・労務
⑧内部統制・法務・コンプライアンス

全8項目でバランスがいいですよね。
⑤と⑥の間に空欄があるのですが、じーじとしては、ここには「DX」だとか「データサイエンス」だとかが入ってほしいですね。

商社はDXから逃げられませんからね。

また、〇といってもそのレベル感が分からないので他社と横並び比較するための基準が明確になって横軸の項目にも標準形が用意されると、各企業の役員力が可視化されるようになると思いますが、まだまだその段階ではなく、なんちゃってスキルマトリックスの段階ですかね。

2️⃣三菱商事も見てみましょうか⁉

機を見て敏な商社だけあって2021年の統合報告書にはなかったスキルマトリックスが2022年のレポートにはしっかりと登場してきました。

三菱商事統合報告書2022のP103より抜粋

三菱商事が横軸に掲げている項目は全部で7項目(6項目の一つイノベーションが2つに細分化されている)です。

①事業経営/組織運営
②リスクマネジメント
③イノベーション(エネルギー)
④イノベーション(デジタル)
⑤グローバルインテリジェンス
⑥人材戦略
⑦環境・社会

やっぱり三菱商事は「デジタル」に精通していることが経営者のスキルとして必要だと判断しているのですね。

グローバル経験だけでなく、グローバルに商売をしていくための異文化への理解や国民性の違いへの理解をグローバルインテリジェンスと表現しているところに三菱商事のセンスの良さを感じます。

3️⃣じーじの好きなSONYは?

ソニーグループの統合レポート、CorporateReort2022には、下記のような取締役のスキルマトリックスが示されていました。

ソニーグループのCorporateReport2022のP59より抜粋

横軸の経験・専門性の項目もSONYらしくユニークです。
①企業のCEO/経営トップ
②グローバルビジネス
③多様性(性別・国籍)
④エンジニアリング/IT/テクノロジー
⑤当社事業関連事業の経験
⑥財務・会計
⑦リスク管理・渉外

この7項目の中では「多様性」はスキルではないと思いますが、重要な要素です。

一番最初に企業でのCEO経験、つまり会社の規模はともかく経営トップとしての修羅場経験があるか?を可視化しています。

これは、経営トップは経験値が重要だと東芝の新社長(島田太郎さん)も言っています。

3番目の多様性はスキルではないと思いますが、これを見ると取締役会メンバーに日本人男性以外の多様な人材が60%を占めていることが分かります。

つまりSONYは日本人男性(昭和人男性)だけでは過半数にならない経営をしているのです。

グローバル企業を標榜しながらベリージャパニーズな陣容の会社もあるハズです。

戦後復興期でもあるまいし、英語もしゃべれない、海外経験もないトップが率いるグローバル企業は心配ですよね。その上、海外経験のない取締役の布陣で、ITにも疎い陣容だと今の業績が仮令好調であったとしても、きっと変化に脆く、ある時点から悪い意味で業績に変化が現れることでしょう。

皆さんは企業の将来をどんな風に予測するのでしょうか?

今の大学生は、統合レポートで非財務の情報まで見た上で企業を選ぶ時代になりました。

言い換えると若い人に選ばれる会社であることが重要な時代です。

人口減少でますます減っていく若い世代、イノベーションを起こしてくれる若い世代に選ばれる企業でありつづけるために、忖度・斟酌、空気を読む力の突出した社内調整型の役員で構成される取締役会ではなく、多様なスキルを持った多様な人材をバランスよく揃えていくことが企業に求められていると言えるかもしれません。

後半も企業のスキルマトリックスを見てみることにしましょう。

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(感謝)

▼そらさんの「白熊杯|川柳の途中経過をご紹介!」の中でじーじの企画参加の記事を紹介いただきました。どうもありがとうございます。白熊杯(川柳)に参加して良かったです。

【じーじの企画参加】白熊杯(川柳)

▼きしゃこく先生のしゃかせん「Real World Teacher」「毎昼」「您是老師」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生、ありがとうございます。この記事は、異次元の少子化対策が無策のバラマキにならないように教育改革に願いを込めての投稿でした。

【じーじのもろもろ】時代がドラッカーに追いついてきた⁉

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