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【じーじは見た!】後編:令和5年度の「なでしこ銘柄」はどこに?

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

経済産業省は、東京証券取引所と共同で平成24年(2012年)から「女性活躍推進」に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定してきました。

このなでしこ銘柄が令和4年度に調査内容、評価ポイント等を一新したというので今回「なでしこ銘柄」をテーマにしました。

本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。

✅今回選ばれた企業のどこが凄いのか?

創業社長の企業が大きく発展していれば、少なからずその会社のトップにはカリスマ性があり、社員の多くは「この人のために頑張ろう」「この人の考え方は素晴らしい」とトップへの共感に溢れ、社員とのエンゲージメントが上手くいっている会社なのだと思います。

カリスマトップが独善的で駄目になる会社も数多くある一方で、カリスマトップが将来を見越して新規事業に先手先手で投資を決断したり、社員の育成に熱心であったりということで日本の戦後は復興してきました。

ところが、パブリックカンパニーとなってカリスマトップが一族経営を手放し、サラリーマン社長がトップになった会社の多くは、カリスマトップ時代とは違って目先収益という誰もが理解できる成績表に気持ちがいってしまい、近視眼的経営に陥りやすい傾向があります。

ところがなでしこ銘柄に選ばれた会社は、そんな目先収益などというものは、過去の遺産を食いつぶしているだけでそんなことに目を奪われるよりも我々「経営者は、未来の種まきをしなければならない」と考えているようなのです。

未来の種まきは、種が芽吹いて花に育つまでに時間が必要になります。場合によっては自分がトップでいる間に芽が出ないかもしれません。しかし、そういった種まきが、環境の変化に対応できる企業のレジリエンスを産み出すことに繋がるようなのです。

「多様性が大切だ」と口で言うのは始まりであり簡単なことです。しかし、女性社員比率10%を50%にするなんてことは、継続的に長く続けていかないことには今日宣言して明日実現できるものではありません。

つまり経営戦略に女性活躍推進を実装して、建て前でなく本気で位置づけて、継続的な女性採用を続けていかない限り、言うだけ番長の目先収益だけを目指す経営になってしまい、決してなでしこ銘柄に選ばれるようなパフォーマンスは上がらないのです。

そういった選ばれる会社は、一見すると正解が分からないことであっても決断して、早くから実行するファーストムーバー(ファーストペンギン)になれている会社なのだとじーじは思っています。

2社ほど事例を見てみましょう。

✅味の素株式会社

令和 4 年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集「味の素株式会社」より抜粋

2017年時点で「多様性って大切だよね」とトップが言うのは簡単です。
でもその時点では女性取締役比率は11%であり、ライン責任者(組織長)の女性比率は0%だった訳です。そんな会社が、2022年に女性取締役比率36%、組織長の女性比率が14%に躍進しています。これは心で念じただけでは実現できません。

ましてやエンゲージメントサーベイで男女の会社への共感度合いに20ポイントも差があったものが、僅か5年で10ポイント差まで縮まるようなことは、成り行き経営では起こりません。経営者が意図して実行を伴わないことには、こうはなりません。

具体的にどんなことをやってこられたのでしょうか?

1.キャリアワークショップ:年 1 回(2 時間)の講演会。
一般職の女性社員と上司が参加し「共通言語」を通じて 相互理解を深める狙いがある。終了後に各自アクションプランを宣言し、年度末にその振り返りを行う取り組みを通じ 女性社員と上司のマインドセット変化と日常業務での機会提供増加に繋げている。過去 3 回で 50 代まで幅広い年齢の約 400 名が参加。
2.カレッジ:毎年(約半年間、月1回終日)のミニMBA研修。
早期キャリア形成施策に向けた選抜型リーダー育成研修で主に入社10年目程度までの若手女性が対象。経営戦略等高い視座でのビジネススキル研修を行い、最終回には経営へのプロジェクト提案を実施。スキル強化の他、同世代の横の繋がりを形成しキャリアへの不安軽減、 自己効力感を高めることを狙いとしている。現在3期目で毎年定員の2.5倍という積極的な申込がある。2020年カレ ッジ受講者25名のうち2021年に5名が管理職となり昇格率が向上し、管理職予備試験の受験志願者も増え、顕著な意識変化が見られる。2年間で48名が修了。
3.メンタープログラム:先行して2018年より実施し2022年度までに約110名が参加。
2階層上の役職かつ自身 の業務領域と異なる役員2名と複数回面談を行い、女性社員側は日々の業務やキャリア設計に関して視座の高い学びを得る一方、メンター側の役員は埋没人財を認識でき、多角的視点による育成計画に繋げている。組織長の女性比率が2017年の0%→14%まで向上。
4.社長対話会:2年間で計13回、217名の若手社員が参加。
5.アンコンシャスバイアス研修:経営・人事部門、初期配属の多い営業部門・研究部門約2,070名が参加。生産部門展開中。

令和 4 年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集「味の素株式会社」より引用

ちゃんとやっておられますよね。

じーじは「教育」を変えるってことがすごく重要なんだと思います。
それぞれのプログラムの位置づけも体系的で素晴らしいですね。
ご立派!

令和 4 年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集「味の素株式会社」より抜粋

✅資生堂株式会社

令和 4 年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集「資生堂株式会社」より抜粋

化粧品会社だから元々女性が多かったんでしょ?と思われた方は、大きな間違いです。2005年の基準年における女性管理職比率は5.3%で、資生堂ですら、昭和男性が牛耳る組織だったんですね。

でも世界ブランドの資生堂は、2022年の女性管理職比率は37.3%、執行役員38%、部長職28%、課長職39%まで来ています。

これを2030年までに男女半々にする目標をもって取り組まれています。
本当にすごいと思います。

令和 4 年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集「資生堂株式会社」より抜粋
令和 4 年度「なでしこ銘柄」選定企業事例集「資生堂株式会社」より抜粋

女性の中にも勝手に育っていく人はいるでしょう。

でも昭和男性が牛耳ってきた日本社会の中では「女性がそんなしゃしゃり出て」と窘める男性がいたり「みんなから白い目で見られたらどうしよう」といった女性自身のアンコンシャスバイアスがあったりして、女性が活躍しづらい状況にあったのではないでしょうか?

そんな女性に勇気と計画的育成機会を与え、男性陣にも育休を100%とって残業しないで育児に協力しなさいと会社をあげて男性の家事・子育て参加を促してくれる姿勢を見せ続ける、そんな女性が本当に能力を発揮できるように背中を押してくれる「味の素」や「資生堂」のような会社で日本中の会社が溢れかえれば、日本復活間違いなしです。

でも既得権益の壁と大企業憎し中小企業美化の壁は高いんだよね。
そして、口だけ番長で近視眼的な経営者の壁があるんだよね。

でも、頑張れZ世代!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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