で、わたしに何ができる?ー令和6年能登半島地震への支援を考える
はじめに
今年は能登で地震と被災生活を経験して、1月3日に金沢に戻ってきてから、どうも力が入らないというか集中できないというか、気分あらたに新年を迎えることができないでいました。あんなに大変な地震だったからとんでもない被害だったのだから、自分も何かしなければいけないような、でもそれは何なのか。そもそも何かできるのか。そんな思いが頭をぐるぐるしながらも、もしまたあの揺れが来たら?と考えずにはいられない毎日です。
この記事では気持ちの整理も兼ねて、いったいわたしに何ができるのかさまざまな支援の方法を考えたり調べたりしながら書いてみたいと思います。
あたたかいお見舞いのメッセージ
そもそも元旦は能登にいて一応被災したせいもあり、いろいろな方からあたたかいお見舞いのメッセージをいただきました。Xでつながっている同業者の方々からは安否を気遣うメッセージをいただき、なかには避難先というか保養先の提供を申し出てくださる方まであって驚き感謝しました。インスタグラムでも友人からあたたかいメッセージを受け取り、海外での被災体験からのアドバイスまでもらってなるほどと思い感謝しました。地震の体験はショックでしたし、能登にいる間は不自由な生活でしたが、こうしたメッセージに励まされたところは大きいです。
家族をサポート
実家は能登の真ん中あたりに位置していて、被害の程度は奥能登に比べればずっと軽いのですが、それでもまだ今日現在、水道から飲料水が飲める状況ではありません。そんな一応「被災」している両親にできることはまず実際に会いに行って片付けの手伝いなどすることでしょうが、現在金沢から能登に行く手段は車しかなく、わたしは車が運転できないので会いにいくこともできません。
会いに行けないならと、LINE通話をしてみたところ、なんとなくですが喜んでいる様子でした。不自由ながら少しずつ生活が改善していっている日々を話すだけで余震が不安な日々のささやかな癒しにはなるのかもしれません。まずはいつもより多めに実家に連絡を入れる。これがわたしの能登半島地震支援その1です。
お金で支援
政府の支援
今回の能登半島地震に対する政府からの支援はまず9日の閣議で47億3790万円の支出が決定されました。当初は災害の規模に比べてたったそれだけと思いましたが、これは「物資の支援」のためのお金のようです。
続いて、昨日のニュースでは
と報じられました。政府は能登の復旧・復興にそれなりに税金を投入する意向のようです。税金をしっかり払う。これがわたしの能登半島地震支援その2です。
国外からの支援
ちなみに、海外でも支援の動きは始まっていて、例えば台湾では能登半島地震の支援と復興にあてるため市民から集まった寄付金が11億8200万円以上になったそうです。また韓国政府も、能登半島地震の被害に対する人道支援を決め、支援額は300万ドル、日本円にして、およそ4億3000万円規模だそうです。
他にも、1月5日の時点で、G7・中国など100以上の国・地域からお見舞いや支援の申し出があったそうです。
英語で能登半島地震支援のことを調べてみると、各国の日本大使館が寄付を募っていることがわかります。英語で地震のことを書いてみて寄付を募る。これがわたしの能登半島地震支援その3です。
寄付先とお金の使われる時期、用途
さて、例えば寄付するとしてどこに送るといつどういう使われ方をするのでしょうか?
NHKのこの記事は支援の種類と選択肢をわかりやすく説明しています。支援を考える際のリンク集として使えそうです。
この記事によると、支援の寄付はおおまかに言って支援金と義援金の2種類があるそうです。
災害が起こってまもない時期の救助活動には支援金が役立つけれども何に使われるかは支援団体任せであり、一方義援金は被災した人たちに直接届くけれど時間がかかるということでしょうか。
今はまだ地震が起こってからあまり時間が経っていないこと、まだ安否がわからない人がいること(今日13日現在26人)や孤立集落があることから、まずは支援金を寄付することにして日本財団の災害復興支援特別基金にささやかながら寄付をしました。このお金は被災地への緊急対応の即時実施に使われるそうです。これがわたしの能登半島地震その4です。
また、上のNHKの記事でも紹介されていますが、dポイント、ソフトバンクポイント、楽天ポイントなどでも寄付ができます。わたしは楽天ポイントを利用しているので、とりあえず今持っている全ポイントを寄付してみました(楽天からの具体的な支援先はまだ未定です)。これがわたしの能登半島地震支援その5です。
さらには被災地へのふるさと納税という方法もあります。これは特定の自治体に寄付を行う方法です。そこで実家のある中能登町にささやかな寄付(ふるさと納税)をしました。これがわたしの能登半島地震支援その6です。
買い物で支援
おそらく能登の復興には長い時間がかかるでしょう。また能登だけでなく、加賀、富山、新潟なども今回の地震で直接の被害を受けたり、建物や人は無事でも観光の自粛ムードなどで経済的打撃を受けることが予想されます。
同時にこの地域のお店が売上の一部を支援にあてるといった販売方法をとったり、お店に募金箱を置いたりしているケースがあります。チリも積もれば山となる式に買い物のついでに支援を意識してみるのも一つの方法かなと思います。
そこで、コーヒーが大好きなわたしは「1月は売上の5%を能登半島地震に寄付します。」とインスタグラムに書いていた、金沢のtownsfolks coffeeさんからコーヒー豆を購入してみました。しばらくはコーヒーを買うときに支援を意識してみようと思います。これがわたしの能登半島支援その7です。
翻訳で支援
わたしのような弱小フリーランスがお金で支援しようとしてもほんとうにささやかな額にしかなりません。だったら仕事にしてる翻訳で何かできないか考えてみました。
自治体の外国語対応
自分も被災してみて痛感したのですが、被災時は自治体からの情報をしっかり把握できることが大切です。例えば避難場所、給水や入浴サービス、ゴミ収集などライフラインの情報も自治体のサイトを読んだり、町内放送を理解することが大切になってきます。
では、自治体のサイトは外国語対応しているのでしょうか。例えば、実家のある中能登町のサイトは言語が選べるようになっていて、英語、韓国語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、ベトナム語でも表示できるようになっているのですが、試しに英語表示で最新の避難情報を表示してみたところおかしな英語になっていました。固有名詞(地名)もおかしな風に訳されていたので何らかの機械翻訳を使っていると思われます。これでは日本語が理解できず、英語しかわからない被災者には正しい情報が伝わりません。
能登の国別外国人数と各国の英語力
ところでそもそも英語は役に立つのでしょうか。能登に住む外国人はどこの人が多いのでしょう。令和4年の石川県のデータによると石川県に住む外国人の数は16,598人でうち14,145人がアジアからです。市町村別のデータを使って能登地方に住む外国人の数を割り出してみると計2547人で国別に見てみると以下のようになります。
ベトナムが最多で923人、次いで中国489人、フィリピン283人、ミャンマー239人、インドネシア221人となります。この方たちが被災しているとして日本語がわかれば良いのですが、そうでなかった場合被災生活に不便を感じているかもしれません。
1月6日のNHKニュースでは珠洲に住むインドネシアの方たちが避難所に馴染めず寮に戻る一方、インドネシア大使館に助けを求め、インドネシア大使館の依頼を受けて地元の人が支援した話が報じられています。一方で、1月8日のNHKニュースでは周囲の支えに感謝しつつ今後に不安を抱え、さらなる支援を求めるベトナム人の方の声が紹介されています。
2023年版EF EPI 英語能力指数のデータ(PDF)を使って上位の国の英語力を確認してみると、ベトナムが標準的、中国語が低い、フィリピンが高い、ミャンマーが低い、インドネシアが低い、韓国が標準的となります。英語での情報はフィリピン、ベトナム、韓国の方(合計で全体の53%)への情報提供には役に立つかもしれません。
石川県災害多言語支援センター
石川県と石川県国際交流協会は石川県災害多言語支援センタ―を設置して外国人のための多言語相談窓口を用意したり、無料通訳を提供したり、わかりやすい日本語や多言語での情報発信を行なっています。
ただこのサービス、一体誰が対応するんでしょう。もしボランティアの方だとすると数が足りないかもしれません。現在、石川県国際交流協会に登録しているボランティアの方の数は以下のように英語に偏っています。
とはいえ、英語でも役に立つかもしれないので、通訳・翻訳ボランティアにに登録してみようと思います。これがわたしの能登半島地震支援その8です。
まとめ
以上、能登半島地震への支援として何ができるのかを考えてみました。ひとつひとつは小さいのですが、この記事で数えただけでも8つといろいろな方法があるなと思いました。
できれば被災した実家や親戚にはお見舞い金を、地域には義援金をたくさん寄付できれば良いのですが、そのためにはしっかり仕事を頑張らないといけません。というわけで結局今年もしっかり仕事しようと思いました。
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