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TOEFL iBT 100点超えまでの9ヶ月間

多くの人が2022年の目標なるものを設定したかと思います。僕の場合、その目標の一つが「TOEFL iBTで100点以上を取る」でした。先月、TOEFL iBTで102点を取り、無事に目標を達成したので、こんな記事を書いてみることにしました。

はじめに

達成してみて分かったんだけれども、TOEFL iBT 102点って、たぶんそんなに高い点数ではありません。いや、一般的には高いとされる点数だろうけれども、以下の動画でも述べたとおり、英語学習チャンネルで英語を教える身としてはイマイチな結果になったと捉えています。そもそも、テストの点数は一つの指標にすぎず、TOEFLで高得点を取ったからエラいなんてこともありません。

でも、大したことないレベルだからといって自分のことを語ってはいけないなんていう決まりもありません。僕はキックボクシングの試合に出ていた頃、試合や練習で気づいたことを積極的にブログに書いていました。大したレベルではなかったけれども、そうすることでモチベーションを高めることができていましたし、それが実力の向上にも少なからず寄与していたように思います。本記事もそういう位置づけのものだと思ってください。

100点を取るための方法については、僕がここで説明しなくとも、YouTubeとかで調べればいくらでも出てきます。純粋にその方法を知りたいというだけの方は読まなくていいと思います。というわけで、僕が想定している本記事の読者は以下の2パターンのいずれかに該当する方です。

  • 人が英語学習について話したり書いたりしているのを聴いたり読んだりするのが好きな方(そうすることで自身の英語学習へのモチベーションを高めたい方)

  • とりあえず奧田翔の文章が読みたい方

前提

僕は今年の3月2日に約11年ぶりに英単語帳なるものを再開しました。ということは、2022年3月2日の前に英単語帳を開いたのは2011年ということです(大学院入試の時期でした)。それからの11年間は何をやっていたのかというと、英単語帳こそやらなかったものの、比較的日常的に英語に触れてはいたと思います。洋楽の歌詞をGeniusで調べて歌える(ラップできる)ように練習したり、Twitterに流れてくるヒップホップ・メディアの記事を読み漁ったり、好きなアーティストのインタビューを聴いたり、洋書を読んだり、Netflixでシャドーイングしてみたり、1年くらい個人レッスン(ただ2時間くらいおしゃべりするだけ)を受けてみたり、海外旅行に行ったり、CLUB HARLEMで泥酔して英語しか話さなくなったり。そのうちどれが効果的だった、みたいな話はあとで書きます。

TOEFL対策開始前はどれくらいの英語力だったかにも触れないとフェアじゃないですね。あまり具体的な点数は書きたくないのですが、TOEICは2012年の初受験時から900点台でした。だから、ここまで書いて思ったのですが(&嫌味に聞こえたら申し訳ないのですが)、この記事は多くの人にとってあまり参考にならないかもしれません。あと、ここまで以下の記事の流れを踏襲していることに気づいた方は凄いと思います。

開始時

さて、11年ぶりに単語帳を開いた2022年3月2日。実は11年前に使っていたのと同じ『TOEFL TEST 必須英単語5600』を使ったのですが、11年前に覚えた単語などもう忘却の彼方にあることは理解していたので、最初のページから始めました。

学習方法は以下の動画で解説したとおりです。

  1. 2回程度音声を聴き、内容の理解に努める

  2. 音声を流しながら文章を読み、聴き取った内容と照合する

  3. 文章だけを黙読し、不明点を無くす

  4. 音声に合わせて3回音読する

  5. 2回シャドーイングする

これを、最初の1ヶ月間はほぼサボることなくやっていたのですが、4月に入ると仕某の忙しさにかまけてやらなくなり、仕某がひと段落した5月中旬以降も筋トレの楽しさにかまけてやらなくなり、次に単語帳を開いたのは7月にちょっとだけ、そしてその次は受験日程(11/27)を決めた10月下旬でした。結局単語帳は1.1周くらいで本番を迎えてしまいましたが、やる価値はあったはずです。

効果のあった英語学習法

TOEFL iBTで100点以上を取るうえで、それ以外に効果的だったと思う勉強法についても書きます。身も蓋もない話をすると、まずは圧倒的に受験勉強です。◎、○、△の3段階評価なら◎です。もちろん人によって合う/合わないがあるので一概に言えませんが、Twitterのタイムラインに流れてくるフォニックスの授業風景の動画を見て、あるいは人気YouTuberの「生きた英語」講座を見て、「学校の授業がこんなだったらもっと英語力が身についただろうに」と思う方の多くは、仮に「学校の授業がこんなだった」としても同じ英語力だったと思います。珍しく煽り口調になりました。英語を使えるようになるのに文法の勉強が必須でないのは事実だと思いますが、文法の習得は必須です。単語も然りです。それらを効率的に学べるようにしているのが中高の教育課程ということだと思います。でも、上記のように思う方の気持ちもわからなくはないです。というのは、多くの中学校・高校の授業は和訳至上主義なので。英文を見て「訳さないと」と思うようでは、いつまで経っても英語を英語のまま理解できるようにならず、するとリスニングが無理になってしまいます。和訳至上主義の英語教師による授業を受け、予習に教科書の全訳が課されているような全国の中高生の皆さんは、本当に気の毒でなりません。和訳グセを付けないようにするには、しっかり意味を考えながらの音読がオススメです。あるスピードで英文を音読できるようになれば、そのスピードで英文を黙読できるようにもなりますし、同じスピードで話された英文を聴き取って理解することも可能になります。

他の勉強法にもそれぞれ触れておきます。英語学習そのものについては上述の内容以上のことを語れるレベルにないので、TOEFL対策、それも100点程度を取るうえで私が有効だと思うもの、ということでご理解ください。

  • シンガロング/ラップアロング:△
    2012年にエミネム(Eminem)、2013年にケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)、ナズ(Nas)の来日に備えて、当時シンガロング過激派だった私は合唱対策をしました。個人的にはそれをやったことで一気にリスニング力が伸びた実感があります。英語のリズムに慣れることに加え、発音記号上の発音と実際の発音とのギャップが自分の中で埋まっていったからかもしれません。ただ、歌詞で使われる英語をそのままスピーキングやライティングで使えることはあまり多くないので、英語学習教材としての音楽の優先度は低めです。

  • 海外音楽メディアの記事を読む:△
    興味のある音楽についてのニュースやレビューを英語で読むという行為自体は大賛成ですが、それがTOEFL対策になるかというと微妙です。同じ記事を20回音読するとかであれば話は別ですが、1度出会っただけの単語や表現はだいたいすぐ忘れるものです。ただ、英文に触れる機会を増やすという意味では、もちろん無駄ではないです。

  • 洋書を読む:◎
    (承前)その点、一冊の本を読めば、その中で同じ単語に出会う頻度はぐんと高まります。そうすればその単語は覚えられますし、触れる英文の量としても申し分ないですし、本を読み切ったという経験は自信になります。

  • アーティストのインタビューを聴く:○
    速い英語を聴き取れるようになるには、速い英語を聴くしかありません! これをやっておくとTOEFLのリスニングはだいぶ簡単になると思います(本番で満点を取れなかった身で言うのもアレですが…)。ただ、自動書き起こしの字幕が出るとはいえ、それが正解とは限らないのが痛いところです。

  • Netflixでシャドーイング:◎
    (承前)その点、Netflixなら英語字幕で正解が確認できるので大丈夫! 僕は『マイ・ブロック』のシャドーイングを今もたまにやってます。

  • 各種英会話:△
    意外に思われるかもしれませんが、オンライン英会話などがどこまで効果的かについて僕は懐疑的です。もちろん話す場数を踏むという意味ではいいと思いますが、実際の試験ではコンピューターに向かって話すので、独り言で十分かと。また、英会話はテーマを持って臨まないと、英語学習としての効果は薄くなってしまうと思います。英語力が向上するのは、あくまで「これまで聴き取れなかった/読めなかった/話せなかった/書けなかった英語が聴き取れる/読める/話せる/書けるようになったとき」なので、場数ばかり踏んでいても英語力そのものは伸びません。あと、「外国人の友達を作ると英語の上達が早い」というのは事実かもしれませんが、彼らを無料の英語講師扱いするのは普通に失礼なのでやめましょう。ただ、外国語で人とコミュニケーションを取る(特に、好きなことについて語り合う)という経験は何にも代えがたいものなので、そういう機会は一人でも多くの方にぜひ求めてみていただきたいと思います! 今回の参加テーマ #英語がすき に絡めて話すならば、英語をやっててよかったなと思う瞬間の一つが、まさにそうした瞬間です。

生方美久さんの発言に思うこと

大幅に脱線させてください。僕、普段はほとんどテレビを見ないんですが、諸事情でドラマ『silent』を観始めたらものの見事にハマったんですね。良いとか悪いとかではなくUSを中心とした海外のコンテンツ、それも音楽でお腹いっぱいの状態が長らく続いていたため、日本のドラマを観るのは10年以上ぶりでした。

USの音楽を中心とした英語のコンテンツに触れていると、ある程度とはいえ英語ができてよかったと思うことが多々あります。英語をツールとしてのみ捉えるのであれば、翻訳でも全然事足りるけれども、翻訳を介さずに触れることでしか味わえない面白さや美しさがあるのを、日常的に実感している。それだけに、『silent』という素晴らしいドラマに出会って思っ(てしまっ)たことの一つが、実は「このコンテンツを母語で享受できて幸せだな」だったんです。

先日、『silent』脚本家の生方美久さんの「日本語が分かる人に観てほしい」という発言が炎上して、両サイドの意見を見聞きしました。上述の事情もあって生方さんの仰ることはわかるなと思っていた私も、「『silent』は聴者と中途失聴者とろう者のコミュニケーション、いわば言葉の壁を乗り越えたコミュニケーションを題材としたドラマであるなか、彼女の発言は不適切だ」という批判派の意見を目にして、なるほどなと気づかされました。でも、それと同時に思ったんです。手話も音声で話される言語とは異なる言語なれば、紬ちゃんが手話を学んで想くんの言葉を“見れ”るようになった過程は、まさに紬ちゃんが想くんの言葉のうち、翻訳ではすくいきれない部分に気づけるようになった過程ではないか、と。そこには大きな意味があるはずなのに、「翻訳があれば作品は言葉の壁を越えるのに、なに排外的なこと言ってんだ」の一点張りでは、ある言葉をその言葉のまま享受できることの素晴らしさをunderestimateしてしまうなと。

話を戻すと、翻訳を介さずに表現の面白さや美しさに触れた瞬間が、 #英語がすき というか、ある程度できてよかったなと思う瞬間。これは自動翻訳がどれだけ発達したとしても奪えない領域だと思うし、他の言語にも「翻訳では伝わらない部分がある」という前提を認識して接したいと思うのです。

過去問しか勝たん

閑話休題。やはりTOEFLで点数を取るにはTOEFLの過去問をやるのが一番です。これは◎どころか三重丸です。僕は結局本番までに1セットしか解けませんでしたが、その1セットだけでも、事前にやるのとやらないのとでは大違いだったと思います。

1セットを解いてみた結果は、リーディングが28点、リスニングが30点、スピーキングとライティングは採点してくれないので分からずといった感じでした。スピーキングに関しては過去問1セットだけだと不安だったので、人に出題してもらったり、自分でテーマを設定して自由に喋る練習をしたりしました。「Br**king D*wnは是か非か」というテーマを思いついた際には話が止まらなくなってしまい大変でした。

そして本番、以下の結果となりました。冒頭の動画で話したとおり、"I live in Tokyo"の呪いで最初は戸惑い、それを若干引きずってしまった感もありますが、まあ最初にしてはよくやったかなと思います。

対策としてやっておけばよかったと思うのは、ライティングの型を学び、その型で書く練習をすることです。なんとなくですが、ここは対策一つで変わってくるように思います。あと、スピーキングにおいてもライティングにおいても、Integrated Taskの問題ではリスニングやリーディングの能力が求められ、特にリスニングは1度しかチャンスがないので、ここは多少不調でも安定的に満点を取れるくらいまで実力を高めておくべきだと思います! 僕みたいに"I live in Tokyo"の呪いに苦しめられたのを引きずって27点になっちゃうようではまだまだ、ということですな。

英語学習は #HIPHOPで学ぶ英語 で!

この記事を読んで、いろんな英語学習法の良し悪しを知れたけれども、どこから手を付けたらいいか分からない…というそこのあなたにオススメなのが #HIPHOPで学ぶ英語 です! ごめんなさい、最初にこの記事を書き始めた時には、こんな宣伝的な記事にするつもりはなかったんですが、参考動画を入れていくうちにこうなっちゃいました(笑)。でも、それなりに有益な情報も書いたつもりなので許して🙏

ちょっと真面目な話をすると、 #HIPHOPで学ぶ英語 の視聴自体が英語の勉強になるというよりは、 #HIPHOPで学ぶ英語 を観ることで「英語がある程度できればこれくらいヒップホップが楽しくなるんだ」と感じていただくことを目的にやっているつもりです。その楽しさを感じたら、あとは勝手に身体が勉強しているでしょう。この記事を読んでTOEFLに挑戦する方々の前途が明るいものであることを願ってやみません。

それでは皆さん、今日もよい一日を。

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