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Men are Lost - もっと男子を語れ

今年の3月8日は「国際女性デー」ということで、いかに日本がこの点で遅れているかとか、こんなに女性が活躍できている会社があるとか(例えばIKEA)報道が多く見られた。それはいいし、Diversityはもっと進むべきだとは思うのだが・・・その陰で、今の男性の問題ということにももっと焦点を当てた方が良いと思うんだが、どうだろう。
元気で、生き生きと人生を切り開く女性が増えていく陰で、組織のプレッシャーに絡めとられ、負けていく男性、アイデンティティロスに悩む男性は多いみたい。教えている大学でも要領が良くて・コミ力があり、元気がいいのは確かに女子が優勢。他の大学の先生からは、「卒業時に精神的にマチュアなのは女子。昔はそれでも会社に入って頑張りが効くのは男子で、そこでキャッチアップできたのですが今はそれもないし・・・」と。なるほど。
これは日本の話と思いきや、Washington Postの昨年の論説(Christine Emba)に”Men are Lost”というのがあった。米国では、伝統的に強いマッチョな男性像(Trumpみたいな?)以外のモデルがなく、そういうモデルに同調できない多くの若い男性は自分がどうあるべきか悩むのだとか。これはアメリカの大きな社会問題の一つらしい。
さらに最近のEconomistの論説も面白い、”Why young men and women are drifting apart”。より多くの機会に恵まれ、学力的にも(平均すれば)男性より優秀な女性はますます元気になっている。それになかなか追いつけない男性達、女性に批判的になる。結果として女性と男性の間には見えない壁ができ始めていることが、データで語られている。
古い世界につながれている男性達、新しい世界を切り開いていく女性達というステレオタイプ?



確かに・・・・世界中でこういうことは起きているんだろう。そして、大きな歴史の流れの中で、男女のパワーシフトは起きているんだろう。既成概念にとらわれずにキャリアや生き方を決めていく女性も周囲に多い、マクロでみれば「管理職」の割合がまだ低いにしても。そういう女性達は、無論パートナーとしての男性への期待値も高いであろう。多くの企業、特にグローバル企業では、シニアなポジションの登用に関して、同じような能力の男女の候補がいた場合、女性を選ぶというのは暗黙のルール。Diversityに「逆風」を感じる男性は、なかなか自分たちのストーリーを語る力もない。メディアやネットの世界でこういう有能で元気な女性の姿が拡散しやすいというのもある、そうでない女性が、男性同様に多いとしてもだ。
これから10年、20年と、この潮流はどうなっていくんだろう?そもそも、ユニセックスの時代で性差など意味がないんだと割り切る?それも人間を単純化しすぎのような気もする。先ずは、女性と同じく、これからのありたい男性の多様なモデルをもっと皆が語ればいいのではないだろうかと思う。

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