よく泣くなあ

私はとても感情移入しやすい。映画、ドラマ、人の話、まるで自分が体験したかのように感じてしまう。楽しいものは良いのだが、悲しいもの、つらいものはとにかく自分事のように辛くなる。ものすごく落ち込んでしまうし、ひきづってしまう。そして何より、涙がよく出る。

私はこの涙がよく出る自分の気質がとにかくめんどくさい。一度スイッチが入るとより面倒である。とにかく涙が止まらないのである。泣きたくて泣いているのではない。とにかく涙がよく出る。頭では冷静で自分の様子を客観視出来ているのだが、体はいうことを聞かず、悲しみ、ストレスが押し寄せてきて、私の目から涙がこぼれ落ちる。

こういった時には何もない部屋で一人でゆっくり気持ちを落ち着けるしかない。他人に励まされると、申し訳なさと自分の不甲斐なさ、自分がなんか可哀想な奴に思えてきて余計涙が止まらなくなる。周りの方には申し訳なくて仕方なくなる。涙じゃなければいいのに、周りに見えるものだから、他人に気を使わせてしまう。涙というものじゃなければいいのに。そう思いながらいつも泣いてしまう。

周りの方には本当に申し訳ない。よく泣く人間からすると、自分の涙は、咳やくしゃみレベルのものという認識をしてもらってよい。また、泣いてるなといつも通りに接してもらうとありがたい。泣けばいいと思っているのかという言葉が何よりも辛い。泣きたくて泣いているのではない。自然と涙が出るのだ。泣いて許させるのかななど一ミリも思っていない。勉強が出来る子、運動が得意な子という風に、良くなく子という人がいる。その人の気質の問題だと思うのだ。計算して泣いている人もいるかもしれないが、本気で自分のよく泣いてしまう気質と闘っている人間からするとそういった行為は許せない。

私は人前で泣きたくない。泣かないように泣かないようにと考えているとまた泣きたくなる。そして、急いでトイレに駆け込む。めんどくさい。泣かない人間になりたい。コントロールは難しい。たまにやらかして、大泣きしてしまう。失敗してしまう。難しいなあ、と思いながら生きてる。感情は難しい。ちょっとずつでいい、良くなりますように。そう思いながら、ハンカチを忘れず今日も家を出る。