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妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

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初めての小説作品になります。寝る前やコーヒーを飲むときなどに手にとっていただけたらうれしいなあと思います(´・ω・`)もちろん無料です
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2024年5月の記事一覧

#11 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#11 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第九話:道祖神
「今日はどんな感じにされますか~?」

「ショートヘアで、がっつりと短くしてください」

私は美容室に来ていた。
伸びきってしまったこの髪をそのままにはしておけないからだ。

「えーこんな長いのにイイんですかぁ~わかりましたぁ!!」

元気なお姉さんがテキパキとカットしていってくれる。
見る見るうちにすっきりとしていくのがわかり、頭が軽くなっていく気がする。
ふと横を見ると美容師さ

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#10 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#10 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第八話:玄鏡司

三日間寝込みようやく覚醒した退魔師・月御門水月(つきみかど・すいげつ)
ところが樹海で遭遇した異質な妖魔によって呪縛を受けてしまっていた。
邪悪な存在になりかけていた水月の呪縛を剣の一振りで解き放った黒コートの男とは一体――――

「―――っく...なんだ...ここは」

目を覚ますと、石造りの牢のなかに鎖に繋がれ閉じ込められていた。
牢の前の燭台が不気味に揺れ、暗闇の中の唯一の

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#9 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#9 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第七話:誰が為に舞う

「知っているなら聞かせてほしい。あの時あったこと、全部」

真剣な眼差しで紅桜を見つめ、彼女が何かを言おうとしたとき
ぎゅるるとお腹が鳴ってしまった。

「あらあら...長らく食事をおとりになられていませんでしたものね」
「そちらに弟君が用意してくださった粥がございます故、食べながらどうぞお聞きくださいませ」

紅桜は立ち上がり机に置いてあるお盆から粥の椀を持ちあげ、ベッド

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#8 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

#8 妖の巫女と呼ばれた僕はたった一人の為に世界を破壊する

第六話:紅桜

見慣れた天井。使い慣れた寝具。
長い...長い夢を見ていた気がする。
起き上がろうとするが、体が鉛のように重く上半身を起こすので精いっぱいだった。
今何時だろうかとスマホを探すが、近くには見当たらない。
陽の当たり具合だと、朝だろうか...チュンチュンと呑気なスズメたちの鳴き声が聞こえる。

「お兄ちゃん!?」

扉の前に、お盆をもった優紀が立っていた。
とても驚いた様子で私の学習

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