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夫婦2人の木工所が、「家以外、全部作る」をコンセプトにする理由・その1

家以外、全部作るつもりでやってます。

これは、初めてお会いするお客様に、よくお伝えしてることです。

実際には、何でも引き受けて製作している訳ではありませんが、今までいろいろなものを作ってきた経験から、「大抵のものはできる。」と、思っています。

そもそも市川木工は、夫婦2人だけの家内制手工業。そんなに小さな会社が、どうしていろいろ作れるの?と、不思議に思われるかもしれません。

そこで今日は、その秘密を少しだけ、皆様にご紹介したいと思います。

1. とにかく、工場がデカいんです。

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敷地面積、250坪。150坪の建物1棟と、50坪の建物1棟。2棟合わせて200坪の工場を、2人だけで使っています。

今の工場は、約40年ほど前、先代にあたる社長の父親が建てたもの。当時は従業員を抱えて量産家具を作っていたため、量産に対応できる大掛かりな設備になりました。

現在、私たち以外の従業員はいませんが、今もそのままの設備で製造しています。機械は古くなりましたが、新たに機械を購入することなく、現在に至っています。

2. とにかく、機械が多いんです。

木工機械は、ざっと数えても30台くらいはあります。

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例えば、傾斜盤だけでもいろんな種類のものが、全部で5台もあります。これらは全部、社長が1人で使っています。(ちなみに私は、指を切断する恐れのある刃物の付いた機械は、怖すぎて一切触りません。)

傾斜盤はふつう、加工のたびにセットを変えて調整しながら使うものなのですが、なにしろ5台もありますから、それぞれよく使う加工に合わせて、機械ごとにセットを固定しています。こうすることで、セット替えの手間が省けるし、自分が移動するだけで次の加工ができるため、時短にもなって助かります。

3. 大型プレス機は、4台。

木工では、材料同士の接着にボンドを使います。しっかりとした接着に重要なのが、プレスです。ボンドを付けた材料を道具で締めたり、プレス機に入れて圧力をかけると、ボンドは導管など素材の奥まで浸透します。それが繊維を抱え込んで硬化することで、より強力な接着になるのです。

工場には、大型のプレス機が4台あります。フラッシュ板(角材や厚い板で枠組みを作って、その裏と表にベニヤ板などの合板を貼った板)などを作る時に使うプレス機は、長さ2,400㎜まで入ります。大きな箱物を組む時に使うボディープレス機は、2,700㎜/Wまでの箱を組んでプレスすることができます。この、大型のプレス機があることで、壁面収納やキッチンなど、大型家具を作ることができます。

4. 頼もしい相棒、NC。

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NCは、離れていても黙々と仕事をこなしてくれる、頼もしい機械です。プログラムを組んで材料をセットすれば勝手に加工してくれるため、NCをまわしながら他の作業ができます。すでに40年選手ですが、まだまだ現役です。

5. いちばん大事なこと。

大きな工場、たくさんの機械など、製作環境のお話をしましたが、いちばん大事なことは、これらを駆使して試行錯誤し、さまざまなものを作ってきた実績です。たくさんのチャレンジと、たくさんの失敗があって、今があります。

家以外、全部作る

これは、常に現場で作ってきた数々のものに支えられている、経験でもあります。

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