ADHD気質の集中方法:集中しなくて良い

自分はADHDと診断された者ではないですが、その傾向があるので同じような悩みを抱えた方に向けて共有したいと思います。普段は絵を描いています。その中で集中する方法を模索した結果をまとめてみました。


なぜ集中できないのか?


私は集中ができません。座って絵を描いていたらすぐに他のことが頭に思い浮かんでネットで検索したり、席を離れたりしてしまうのです。その次にはまた別のことが気になって、遂に作業に戻って来れなくなります。しかも一度何かに気をとられると全く我慢ができないのです。また元よりADHDは集中しようと思うと集中できなくなるらしく、これらの状況には3つの注意機能の障害が関係しているそうです。

・特定の事柄に注意を向け続ける「持続性」の障害
・周囲の様々な事柄に注意を配分する「分配性」の障害
・必要に応じて注意の対象を切り替える「転換性」の障害



内面の緊張の発散


じっと座ってないといけない状況下で内面の緊張や落ち着きのなさが高まることも珍しくなく、貧乏ゆすり等により体を動かすことでそれを解消している人もいます。個人的には作業前には思う存分暴れて心と体の緊張を余すことなく発散させるのが良いと感じました。



過集中に入れば良いのか


作業中はどうすれば良いだろうか。上記3つの障害を乗り越えて集中して絵を描き”続ける”にはどうすれば良いでしょう。そこで思いつくのが「過集中」。時折現れる過剰な集中を意識的に引き出せれば良いのではないかと考えました。例えば締め切りを設けて期限のギリギリには必ず終わらせるあの状態を作るとか、外界からの刺激を物理的に遮断して己を制約するとか。

しかしこの方法には大きな強迫性が伴います。オールオアナッシング、完璧主義はいつも私たちを追い込んでくれましたが同時に心を削りQOLを下げていきます。これは偶の急なタスクには対応できますが根本的に何の意味もありません。また元も子もない話ですが過集中に意識的に入るにはある程度の訓練が必要らしく即効性がないのです。



集中しないという集中方法


私が行き着いた結論はこの通りです。注意散漫になるならいっそのことその衝動に身を任せようではないか。散漫する注意に抗わない。他に注意が向いたならその衝動に従い、それと同時に絵を描く「ながら作業」をするのです。

上記3つの障害は乗り越えない。「特定の事柄に注意を向け続けなくても良い。周囲に注意を配分しなくても良い。必要に応じて注意の対象を切り替えなくても良い。」というなんとも気の抜けた集中方法が良いのではないでしょうか。(もはや集中というより如何にして作業を続けるかの問題になっていますがそこが肝なのだからしょうがありません…)

自分をオートで操作する感覚という表現が適しているでしょうか。操縦するのは作業に対する少しの意識だけです。「ながら作業」いかがでしょうか。


ゲーム感覚で生きる


生き方にも応用できるのではないでしょうか。気負いすぎるよりゲーム感覚で適当に生きようではありませんか。大きな強迫観念は体だけを動かして課題をクリアさせますが心はついて来ずにボロボロになっていきます。それは無意識下で行われるので、ある日急にダウンしてしまうのです。こんな気負う生活は不健康だ。もっと適当で良いのです!
でもゲームと言っても負けず嫌いになったり真剣になることはあります。そんな衝動も否定しないであげてください。あくまで”深刻になってはいけないよ”てことが一番言いたいのです。



番外:集中しすぎてしまったら


私たちは気まぐれなもので集中しないと思っていても過集中に入ってしまいます。これは作業が捗ってありがたいのですが、同時にすごく疲れます。切り替えて別の作業に移ろうという時に邪魔になってしまうのです。そんな時には瞑想をしましょう。もしくは五感を全部断ち切って10分目を瞑ってみるのが良いですね。はやった心の回し車を落ち着かせるのです。




参考
ADHDに「適した職業」「適さない職業」の決定的差マルチタスクな机仕事はオススメできない  https://toyokeizai.net/articles/-/296220?page=3