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頭の中のストーリー

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物語、小説、散文、自由詩
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#人間

夢の中の海の中の森の中

海。いやもっと人工的な、それでいて「水」を連想させる独特の香り。 水槽、塩素、生臭さ、水…

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しんどい理由

ああ、しんどいなぁ。 ほんとはずっとそうだったんだ。 わかった。わたし、気づいちゃった。 …

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忘れるのか、還るのか、思い出すのか、

「もうやめておいたら?トーマ」 「ほっといてくれよレム。俺たちから唯一の楽しみを奪う気か…

拝啓、絶望。

あぁ、また来たか。 僕はため息をつく。 最近来ないと思ったら、久しぶりの大波で来やがった。…

詠斗はまだ、目覚めない。

「えいちゃーん?」 一階から祖母が僕を呼ぶ。 「もう時間よー?」 「わかってる!今行くっ…

僕はアントン

やぁ、僕はアントン。僕は魂。 それから君も「アントン」だね。 なんの魂かって?おもちゃの魂…

暖炉の前の老人と私 〜嘘について〜

「じゃあ、今日は私から質問してもいいですか?」 「ふむ。なんだろう。」 「おじいさんは、人はどうして嘘をつくと思いますか?」 今日も温かい暖炉の前、老人は眠っているように目を瞑りながら木肘をひと撫でした。 「ほう。これはまた、難しい質問だ。」 「私、最近友達に嘘をついてしまったんです。ある発表があって、その子がちょっとしたミスをしてしまったんですが。終わった後に彼女すごく落ち込んでいて。それでつい私、"大丈夫。全然わからなかったよ"って言ったんです。でも、そのミスは

あなたの中に映るかっこ悪いわたしが嫌い

今目の前にいるこの人は、わたしのことが好きなんだそうだ。 「筋肉質な人が好きだと言ってい…

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ドラマティック・アイロニー

これを恋と呼ぶのなら あれは紛れもなく愛だった。 これを出会いと呼ぶのなら あれは紛れもな…