今年の6本目
今年の6本目、Jagten、観ました。
私たちの社会は、個個人の心に宿る正義感によって、どうにか維持されています。でも、その種の正義感とは、もろく、不安定なものでもあります。
これは、少女の他愛のない嘘を疑わず、善良な幼稚園教師に「変質者」というレッテルを貼って、制裁という名の暴力を振るう集団ヒステリーを描く映画です。
群衆に芽生えた小さな恐れや疑いによって、善意が暴力に変貌します。「怖いなぁ」と、おびえて映画を眺めていた観客は、終盤、本当の怖さを思い知ります。
それは、和解した振りをしながら、その懐の中には憎悪の刃を隠し持っている、その種の正義感にまつわる、他人事とは思えない怖さなのでした。
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