田舎にクリスマスは無い

2月も半ばになりました。
が、まだまだ寒い日が続きます。
とは言え、節分も過ぎ、春の足音がすこしづつ聞こえて来そうな日中の暖かな日差し。
この年齢になると時間の過ぎゆくのがやたら速く、正月はまだ昨日だったような気がするのは私だけか?。

ところで、以前私が住んでいた田舎では、早いところでは11月の中頃ごろから玄関前に門松が立つ。
それも、どうも自分たちで作ってしまうみたい。
藁(わら)から縄も神社のしめ縄も作ってしまう(スゴイ)。
山里なので材料はいくらでもある・・・門松を作るのは我々が想像するほど難しい訳では無いらしい。

あのぶっとい神社のしめ縄も自分たちで作る。
鳥居にかけられているしめ縄も、本殿前にかかっているしめ縄も全て自作なのだから恐れ入る。
高いところにかかっているので下からではわからないけれど、実際は相当太い・・・そう、直径は10~15センチほどもある。

以前の私は地域の団体に入っていて、この注連縄作りはその団体の役目。
毎年12月はじめの日曜日の午後に団体のメンバーが集まってしめ縄つくりが行われる。
そして、それが終わればその後には待望?の「忘年会」。

昔は藁から縄を編んでそれをまたまとめて注連縄を作っていたそうだが、最近は幾分手を抜いて、ホームセンターで縄を買ってきて作るようになったそうだ。
寒いし、その後に待っている忘年会を早く始めたいからなのだろう。
何か行事や催しがあれば、ちゃ~んと後には飲み会が控えている。
実は田舎のこの時期は「XXXの忘年回」と称する飲み会が山ほど開催されるのだ。

しめ縄造りも終わり、何件かの忘年会をこなすとようやく大晦日。
が、やれやれと思うまもなく元旦の早朝にはいきなりの新年会。
飲み会に年の区切りは無いようだ。

元旦なんて家でのんびりしていたいのに「全戸強制参加」なのだとか・・・。
ここらの家には正月にお客さんが来ないのかな~。

この正月早朝の新年会、昔は各戸でごちそうを作って重箱に詰め、それぞれが持ち寄って宴会を開いていたそうだ。
これではどの家も奥さんは大変、大みそかの夜から支度にかからなければ間に合わない。
正直「紅白歌合戦」処ではなかったであろう。

とにかく「男は飲む」だけで、女はその給仕ばかり。
こんな事は我が家の奥方にはできない。

最近になって、奥さん連中の負担を減らすべく、さすがに「重箱の持ち込み」は亡くなったようだが、それでも元旦早朝の新年会は続いている。

そう言えば、ここにはクリスマスが無い。
12月に入いればどこも門松だらけでクリスマスツリーを飾っているところはゼロ。
月齢の会合、
「今日はクリスマスだから家族で食事に行くから休ませて」
などと断ろうものなら、
「クリスマス?、冗談じゃあない、地域の会議の方が大事だろう」
と一蹴されてしまう。

サンタクロースが来ない子供たちはかわいそうな気がするのだが・・・。

とにかく、正月と言うのは特別の中でも特別扱いで、飲むことはいつだってできるにもかかわらず、やはり正月は・・・朝から飲むのだ。

生活サイクルが「飲み会」のためだけに回っているような気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?