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企画の教科書 #9 「説明を聞きたい」と言わせる企画の文章・表現技術

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企画の文章・表現技術

 企画や提案書は、作成して提出することが目的ではありません。その内容を相手に納得してもらい、期待成果の増進を実現することが目的です。「説明を聞きたい」という回答を得ることこそが課題です。文章表現の基本的ポイントを以下に挙げます。

①三段型構成  序論→本論→結論

  1. 序論は、問題提起から問題解決の必要性までの段階、を簡潔にまとめる

  2. 本論は、問題解決の具体的な手段・方策を、的確に記述する

  3. 結論は、実施後と後の効果予測や改善メリットを、自信を持って示す

序論→本論→結論の具体例

②漢詩型構成  起→承→転→結

  1. 起・・・問題の指摘

  2. 承・・・その間題に起因する現状

  3. 転・・・その現状をどう考えるべきか

  4. 結・・・こうすれば結果はこうなる

③センテンスは極力短く、箇条書きを多用する

 「センテンスはなるべく短く」が原則です。形容詞や副詞などの修飾語、比喩の多用、複文をなるべく避け、箇条書きで羅列する気持ちで、簡素な文章を心がけましょう。

④言い切りの文章で書く

 断定的な表現で書きます。"であろう"、"と思う"、"してもよいと考える"などは、なるべく避けます。ズバリと言い切る表現が大切です。

⑤外国語を濫用しない

 共通語として通用する相手に対しては問題はありませんが、相手の理解度を無視した使い方は控えます。

⑥専門用語の使用に配慮する

 相手が知らない言葉は使わないようにします。また、業界によって同じ言葉でも意味が違ってくる場合があるので注意して使用します。

⑦相手によって文体を選ぶ

 一つの言葉の表現でも、立場や階層の違いによって受け止め方が非常に違うということもあります。社内用の企画書では、「~だ」「~である」で構いませんが、クライアント向けの場合は「である、ます」調にします。

⑧作成における注意事項・盛り込むべき情報

 企画・提案書に盛り込むぺき具体的な情報例は、以下のようなものです。

  1. 業界・業種・業鰻の現状と今後の動向
     業界全体のこれからの大きな流れの中で、どのような方向にあるのかという点について、見方を示すものです。

  2. 相手の同業他社の動向
     競争相手が何を考え、何をしようとしているのかは、相手にとって最大の関心事です。知っている情報の中で、支障のない範囲の情報は記載します。

  3. 法律や行政の方向
     法律や行政の方向は、企業経営や個人生活などの意思決定に際して、最も関連深いものです。市場環境の変化に大きく影響する問題を含む場合も多いため、企画・提案の重要な前提となります。

  4. 海外の情報
     国際化時代を迎え、国内の情報だけでは今後の判断や予測が難しくなってきています。先進諸国の技術やマーケット動向だけでなく、発展途上国の追随状況の問題等が重要な要素となります。

企画の教科書シリーズはこれで最終回となります。
最後までお読みき、ありがとうございます。

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