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クロチビミズムシの走光性

「筑波大学の池」のつづきです。下は、前回の記事です。

僕は、目的のチビミズムシを30匹くらい持ち帰りました。
※筑波大学の池全体で、チビミズムシは数万匹以上いたと思います。

ひとすくいで入るチビミズムシ

種の同定

持ち帰ったら、まずしゅ同定どうていをします。
今回のチビミズムシは約3mmの大きさでした。

関東にすむチビミズムシの仲間で、3mmの大きさは「チビミズムシ」「ハイイロチビミズムシ」「クロチビミズムシ」がいます。

顕微鏡で同定中

最初に、前脚まえあしの跗節(ふせつ)の先端を確認します。

跗節(ふせつ)の先端がスプーン状

跗節(ふせつ)と脛節(けいせつ)が分かれているので、オスだと分かりました。
さらに、跗節(ふせつ)の先端がスプーン状だったので、「ハイイロチビミズムシ」「クロチビミズムシ」のどちらかになります。

最後に、交尾器こうびき把握器はあくきを見て同定します。

クロチビミズムシの把握器
チビミズムシの仲間の把握器

同定方法は、オイカワ丸さんのツイートを参考にしました。

今回、捕まえたチビミズムシは、クロチビミズムシのようです。
※間違っていたらすみません。

クロチビミズムシ $${Micronecta  orientalis}$$
カメムシ目 ミズムシ科


走光性を調べる

次に、10匹を小さな昆虫ケースに入れて、走光性そうこうせいを持っているか調べました。

青い光に集まるクロチビミズムシ
緑の光に集まるクロチビミズムシ
赤い光に集まるクロチビミズムシ

全ての光に集まりました。もちろん白い光にも集まります。
クロチビミズムシは、せい走光性そうこうせいを持っていました。


ただ、赤い光に走光性そうこうせいを持っていることに、びっくりしました。

なぜかというと、僕の飼っている水生昆虫の多くは、赤い光にほとんど反応しないからです
※最近、飼い始めたゴミムシの仲間も赤い光には反応しません。白い光からは全力で逃げます。

水中で暮らす生き物は、赤い光が届きにくいので、認識にんしきできなくなったのだと思います。
ただ、今回のクロチビミズムシは、止水しすい浅瀬あさせにすむ生き物だったので、赤い光を見る力が残ったのかもしれません。

観察と調査はつづきます。

つづく



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