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♯52 人生は頑張っても頑張らなくても大差ない

何か目標を持って頑張っているけれど、少し滞り気味になったときに読みたくなる本をご紹介します。

それは、
phaさんの『持たない幸福論』

phaさんは、京都大学卒業という高学歴ながらも、28歳に会社を辞めて以来、定職に就かずインターネットで最低限のお金を稼ぎながら生活するという、マイノリティーな生き方をされています。

社会の「こうあるべき」の外側で生きているphaさんは、一歩も二歩も引いた視点で世界を眺めているというか、少し斜に構えた考え方をされるのですが、それがすごく新鮮でおもしろいです。

「頑張る」ということについて、phaさんがどのように考えているのか、『持たない幸福論』の一節をみてみます。

本当は、絶対にやらなければいけないことというのはそんなにないのだ。仕事をたくさん抱えてものすごく忙しい人でも、その人が死んだり倒れたりしたら、周りの人間が何事もなかったかのようにしれっと穴を埋めるだけだったりする。人が何かを頑張るときは大体が周囲の他人のためだけど、意外とその人が何もやらなかったら他の人が代わりに動いたりしてなんとかなってしまうことが多い。(中略)  人間が人生で成し遂げられることなんて、頑張っても頑張らなくてもあまり大差はない。何かをちょっと成し遂げたとしても、どうせ五十年先にはほとんど忘れられている。(中略)  要は、世の中に本当に絶対にやらなきゃいけないことって別にないから、基本的には好きなこととかやりたいことだけやればいいと思う。

pha著『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』幻冬舎(2015)


いかがでしょう?この主張。
ちょっと皮肉っぽいけど、動かしがたい真実を含んでいると思います。

人によっては、

「人生で成し遂げられることなんて、頑張っても頑張らなくても大差ない」

なんて言われると、努力が無意味に感じられて、むなしくなってしまうかもしれませんが、むしろ私はちょっと楽になります。

何か目標に向かって頑張っているときって、どうしても近視眼的になって、自分を追い込んでしまいがちだと思うんですが、

「これって、そもそも絶対にやらなければいけないことじゃないし」
「達成できなかったとしても、実は誰も困らないのでは?」

と視点を変えてみると、逃げ道ができた気がして肩の力が抜けます。
そして逆説的ですが、精神的に余裕ができたことで、
「もうちょっと頑張ってみてもいいかなぁ」
という気分になってくるんですね。

ということで、若干夏バテぎみで気力が低下している私は、本書の世界に逃げ込んでいる次第です。


ちなみに、phaさんが生きるうえで大事にしていることは次の2つ。

1.一人で孤立せずに社会や他人との繋がりを持ち続けること
2.自分が何を好きか、何をしているに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること

pha著『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』幻冬舎(2015)


共感できた方は、phaさんの作品を読んでみると、多くの気づきがあると思います。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。



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