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【エッセイ】BL漫画にはまった話

 BLがドラマや漫画のジャンルとして完全に市民権を得た昨今、かくいう私も、最近BL熱が再燃しております。再燃と言うからにはかつてもはまったことがあったのですが、今回は最大のはまり具合と言っても過言ではありません。

 特にはまっているのがミナモトカズキさんと言う作家さんの作品です。ミナモトさんはゲイであることをエッセイ漫画でカミングアウトされていて、通常の漫画だけではなく、パートナーとの日常を描いたエッセイなども書かれています。ゲイだから当事者目線の作品を作ることが出来る。と言ってしまうともしかしたら失礼なのかもしれないですが、やっぱり女性が書くBL作品とは少し違うような気がします。

 最初に読んだのは「メルヘン課長とノンケ後輩くん」と言う作品でした。正直言うと絵柄はそんなに得意ではないし、ひげおねぇ言葉のキャラは苦手だし、すぐ読むのをやめてしまうかも。と思っていました。が、あれよあれよと作品の世界観に吸い込まれてしまい、ノンストップで読み終えてしまいました。

 BLというとエロのイメージが強いかもしれませんが、この作品はそれメインではありません。(全くないわけでは無いですが、、)何が面白いってとにかく登場人物の心理描写なんですよね。心の奥底に持っている考え方とか悩みとか苦しみとか。人間を表面だけで描いていない。だからこそ共感してのめりこんでしまったのだと思います。

 次に読んだのが「壁サー同人作家の猫屋敷君は承認欲求をこじらせている。」(※略して壁こじ)という作品です。前述のメルヘン~とは登場人物の年齢層やテーマが全く違うのですが、これまた登場人物の心理描写が秀逸です。他人に認められたくてがむしゃらな主人公。好きな人との格差が苦しくて素直になれないでいる姿。個性豊かなサブキャラ達。どこを切り取っても最高です。

 BL漫画を購入したことはほぼなかったのですが、この作品に関しては、先が気になりすぎて一気に電子書籍で最新刊まで購入してしまいました。月一の最新話の更新が今から待ち遠しくてたまりません。現在の最新話である
41話は主人公の猫屋敷君がとにかくかわいくてキュンが止まりません。。

 この作品は昨年、実写ドラマ化されています。そのプロモーション等もあって作者のミナモト先生は結構色々なメディアに出演されています。youtubeでは顔出しでインタビューをうけているのですが、物腰が柔らかそうで時に毒があって好感しか持てないんですよね。そして現在オーディーと言うコンテンツでラジオの配信をしています。これがとにかく面白くて、すっかり作品だけではなくミナモト先生自身のファンになってしまいました。
 
 アシスタントさんやドラマのプロデューサーさん、編集担当さんや同業者さんなど多彩なゲストを呼んでトークを繰り広げるのですが、その中でも実の彼氏さんを呼んでいる回が秀逸です。普通だったら公共の電波で何を聞かせられとんねん!と怒りが湧いてきそうなものですが、ミナモト先生と彼氏さんのやり取りは全くそんな感情になりません。とにかく優しい彼氏さんと朗らかなミナモト先生のやり取りに何だか癒されてしまいます。

 ラジオのゲストでやってきたBL女性作家さんとのトークでなるほどと思ったことがありました。女性作家さん曰く、「BLはファンタジーとして楽しんでいる。」と言われると何だか釈然としないというのです。もちろんノンフィクションではないですが、登場人物への自己投影、共感をしてもらってこその作品ではないだろうか。と。
 
 私自身も好きな作品は何となく登場人物に自分を重ねたり、共感したりしてしまうものが多いような気もします。そして憧れみたいなものを抱いてしまうことも多々あります。こんなきれいな恋愛が出来たら。こんなに自分を好きでいてくれる人が居たら。そんな風に作品の世界観にのめりこんでしまうのです。

 BLってほとんどエロ本でしょ?くらいに思っていたこともありましたが、今となってはそれが大きな間違いだったことがよく分かります。BLとは心理。BLとは世界。BLとは宇宙なのです。(意味不明)

 壁こじは特に性的描写は今のところ全くないし、男同士の恋愛だけでなく、友情や家族愛、アイドル、同人誌など様々なジャンルが詰め込まれていて、ゲイでも婦女子でもストレートでも大人でも子供でも楽しめる作品なのではないかなと思います。壁こじに出会ってから一週間ほどですが、すでに10回近くは通しで読み直しています。久々のはまり具合。最高。

これを読んだ方はもれなくおすすめのBL漫画を教えてくださいね!!!

 


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