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【エッセイ】女に生まれてみたかった

女になりたいわけでは無いけれど
「女に生まれてみたかった」と思うことがある。

私はいわゆる
「トランスジェンダー」
ではないので、自分の性別に
違和感を覚えたことはない。

男性としての自分が好きだし
美人になりたいとも
かわいくなりたいとも思わない。

それでも
「女に生まれてみたかった」
と思うことがあるのだ。

それはなぜか。

私は
かわいいものが好きだし

甘いお菓子や

アロマや

スキンケアなど

女性が好みそうなものばかりが好き。

そしてもちろんゲイなので男性が好きだ。

だけど大きな声でその話をすることはできない。

女っぽい
ゲイっぽいと思われることが嫌なのだ。

でもたまにはそういう話をしたい。

ぎりぎりアロマやお菓子の話は出来るが、
それらに対する情熱を
全力で表現することは出来ていない気がする。

心の中では

「これめっっっちゃかわいいよね!!!」

くらいの感情でいても

「かわいいよねそれー。」

程度のテンションでしか話ができない。

やっぱりありのままの自分を
見せるのが怖いのだ。

かわいいものが好きで熱くなっている自分が
気持ち悪いもののように感じてしまう。

私は女性の容姿に対して全く興味がない。

ゲイでもそういったことに興味がある人も
居るらしいが私は本当に全くない。

造形的にかわいい
美しいみたいに感じることすらないのだ。

ただ男性に対しては違う。

明らかに好きな顔、嫌いな顔があるし、
興味があるので話を広げることもできる。

でも話す相手がいない。

「あの人かわいいよねー!」

「〇〇くん(芸能人)の顔苦手なんだよな。」

「男性のファッションならこれが好き。」

など

たまには誰かと共有したい。

そして共感しあいたい。

でも出来ない。

私はなぜか女子会に呼ばれることが多い。

女子2+私

みたいな。

そんな時の話題は

恋愛だったり

好きなアイドルだったり

家族だったりするのだが

私はほとんど聞き役に回るだけだ。

本当は

いつかの失恋の話や

好きな芸能人の話

将来どうやって生きようとしているか

など話をしたい。

でもやっぱり出来ない。

私はたぶん「私」の半分くらいしか見せないで
みんなと会話をしている。

そんなの面白くない。

だけど私が「私」で居ることを
私自身が許せないのだ。

否定されることに
おびえているのかもしれない。

そんな時に私は

「女に生まれてみたかった」

と思う。

もし私が女だったら

この前の大恋愛の話も

好きな男性芸能人の話も

将来の話も

全部話すことが出来るのに。

先日とある女子社員から

某家具メーカーがやっている
ショップに行こうと誘われた。

家具だけでなくアロマの調合をする場所や
カフェが併設されているおしゃかわな店だ。

嬉しい反面
どのテンションで行けばよいだろうかと
一瞬不安になった。

でも行くなら全力で楽しみたい。

というかこういうところに
誘ってくれている時点で
彼女は私のことをある程度は
理解してくれいるはずだ。

たぶん。

4月某日に行くことになったので
全力で楽しもう。

かわいいとおしゃれを全身に浴びよう。

下手したらカミングアウトしちゃうかも。

いやしないか。わからん。

最近もうどうとでもなれと思うことが多い。

ただありのままで生きたい。

一度きりの人生、全力で楽しみたい。




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