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バルテスの生涯発達理論から見るリスキリング

こんにちは。Hinaです。
保育士に向けた勉強の中で、生涯学習理論に関する問題が出てきました。

◇保育士を目指す経緯についてはこちら

今は大人の学び直し、リスキリングといった言葉が流行り、生涯学習という言葉も珍しくない世の中です。
私も、それらの言葉だったり、学び続ける人たちの影響を受けたりして発信活動や資格の勉強をしています。
そんな中ふと、生涯学習の中身は”勉強”だけなのか?と疑問に思いました。

そんな時、この生涯学習理論の考え方がピッタリ問いに答えてくれたのです。

◇バルテスの生涯発達理論


バルテスはドイツの学者です。
アメリカで研究を深めた後、またドイツに戻って生涯発達理論を広めています。

この理論を一言で表すと、「人は死ぬまで発達する!」です。

”発達”という言葉を聞くと、小さな子どもの身体的または精神的な成長を思い浮かべる人も多いかもしれません。
バルテスはそれに対し、人間の発達は子どもだけに起きているものではなく、大人も常に発達し続けていると提唱しました。

1・個体の発達は生涯にわたる過程であること
2・発達は全生涯を通じて常に獲得(成長)と喪失(衰退)とが相互に関連しあって共在する過程であること
3・個体の発達は歴史的文化的条件の影響を受けること

https://www.osp.tokyo/entry/2021/03/23/165306

この考え方の特徴は、人間は常に獲得と喪失を繰り返す生き物であるということにあります。
私たちの多くは、失敗したことや何かを失うことをネガティブに捉えます。
例えば、年齢に応じて増えるシワや衰える記憶力。
老いていくことは”衰退”と捉え、若さを”失っていく”と考えがちです。

大好きな人に振られてしまった経験のある方はいますか?
その時は恋人を”失った”と捉えます。

しかしバルテスの理論では、失恋で何かを失うことでまた新しい人と出会うところまでを一つの出来事として捉えます。
この出来事のことを”発達”と呼んでいます。

つまり、何かを得ることだけでなく、何かを失うこともまた発達なのです。

では、私たちの人生においてどのような出来事が発達に影響するのでしょうか?

◇発達に影響する出来事

大雑把に分けると3つあります。

①生物学的要因

(思春期、幼少期、老年期など、年齢に応じたステージ)

例えば、定年が決まっている会社に勤めている人は、決まった年齢で退職します。再雇用などは除きますが、基本的にはそこに個人的な要因は含まれず、年齢によって出来事が左右されます。
また、幼少期にしか経験できないこと、獲得できないものもあります。
それらを大人になってから経験しようとしても、25歳の私が思春期を経験できないように、これもまた年齢によって左右される出来事です。

②同じ地域に生きている人だったらみんなが経験すること

(地震や戦争、経済等)
まだ記憶に新しいコロナ禍のパンデミック、大震災、戦争などは、同じ地域に同じ時代に生きている人であれば、避けられることなく経験することになります。
それらもまた、発達に影響し得る出来事です。

③個人のイベント

(個人のライフイベント)
これは、年齢や地域など何の背景も影響なく、個人ごとに経験するものです。
結婚や妊娠、出産などのライフイベントはもちろん、転職や引越し、起業など仕事関連の出来事もあります。
また”イベント”と呼ぶには少し小さいかもしれませんが、日々の中の小さな挑戦もここに含まれると思います。

私たちはこのような出来事の影響を受けて、生まれてから死ぬまでの間、言葉の通り”生涯”発達し続けているのです。

そして①と②は生きているだけで経験する出来事ですが、③は自ら獲得していかなければなりません。
大人が”生涯学習”することは、いかにこの③の部分を増やしていくかにかかっているのです。

◇林先生の「今でしょ!」は的を得ていた


最後に、もう一つバルテスの理論で大切なポイントとして、人間には可塑性があるという考え方を紹介させてください。

可塑性があるということは、人間は可変的であり、いつどのタイミングでも変わり得るということを示しています。
先ほど挙げた③個人のイベントを意欲的に増やしていくことで、大人になっても、おばあちゃんになっても、人はいつでも発達して変われるのです。

かの東進でお馴染み林先生の「いつやるの?今でしょ!」も然り、何かを始めるのに遅すぎることはありません。
生涯学習の考え方でリスキリングに励むだけでなく、生涯発達の考えのもと、関心を持ったことには挑戦し、失敗や喪失さえも発達の糧にしていきましょう。

では、また🌻

(私は人物の名前を覚えるのがとても苦手なのですが、これだけバルテス、バルテスと連呼していたら覚えてしまいました。)



他にも、学ぶことに関する記事を書いています!ぜひ読んでみてください。




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