数年先も、呼吸している言葉を
言葉は、心からすっとこぼれた瞬間に空気に触れて、呼吸しはじめる。
何かのきっかけで人と出会って、その心の中にとどまるか、また空中に出て行くかするのです。
ふわふわと漂って、静かに呼吸しつづけている、言葉。
無理やり空気のないところに閉じ込められたり、ないがしろにされると、言葉は息を殺してそっといなくなります。
言葉は、生きているから。
できるだけ長く、小さくてもいいから、光だけは失わずに呼吸をしつづけてほしい。
そのために、言葉を産み落とす人としてできることは、
言葉が出会った人の心の中で、目立たなくても、なぜかとどまって、ふとしたときに支えになって、いつのまにか数年も覚えていたなんて、
そんな言葉を紡ぎたいと強く願いながら、言葉をはなつこと。
そのことを背中で教えてくれた母に、感謝します。
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言葉で、日々に小さな実りを。そんな気持ちで文章を綴っています。