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サンタの大人の事情
クリスマスの思い出。
すっごく感動したとかそういうことを全く思い出せない。まあ最近ではただただ普通の日として過ぎ去ることが多かったと思う。大人のクリスマスってすっごい大イベントと思えるのはたぶん若い頃の数回なのではと思う。
大きい大人の皆さんはすでに知っている事実だと思うけれど「サンタクロース」には大人の事情がある。息子(現二十歳)はこの「大人の事情」に気がつくのが案外と早かった。「口コミ」というのは幼稚園のお子様の間でも素晴らしい伝達力を発揮し「どうもサンタには大人の事情がある」ということはみんな知っていたようだった。
確か息子が中学一年生のころだったと思う。恒例のクリスマスシーズンが近づきクリスマスプレゼントのお願いをしてきたがそれが「うーん」と考え込むようなものだった。
卓球台が欲しい
当時、卓球部だった息子はたぶん上手になりたいと思ったのだろう。その気持ちはわからないではない。しかしうちは体育館ではない。そのくらいのことは毎日暮らしていて知っているだろうと思うが、そこはまだ子供なんだなとちょっと微笑ましくもおもった。
叶えてあげたい思いもあって、私の大好きなAmazonで大きさと値段を調べた。
このくらいなら置けるかもと提案したら、本格的なものがいいと生意気ななことを言ってきた。
しかし、値段はともかく、大きさを考えるとどうやっても邪魔と「大人の事情」で判断した。そもそも卓球台をどうやって使いこなすのか。一人で使っても楽しくないだろうと誰が考えても思うのだ。そんなわけでサンタクロースへのお願いは「卓球のラケット」にした。
余談だけれど、正直卓球はお金がかからないスポーツと勝手に思っていたけれどそんなことは無く、ラケット一つにしても高い、しかも表裏に貼る「ラバー」が高いし、頻繁に貼り替えないといけない。またユニフォームや靴なども必要だ。お金がかからないスポーツはないのだろうと思う。
まあ、そんな息子にも成人式のお知らせがきていた。卓球台が欲しいといったことなんて、もしかすると覚えていないかもしれない。
そして、息子が「サンタクロース」になる日もそう遠くないだろうと思うと、嬉しくもありちょっと寂しい思いもある。
嶋田 智駄伽さんの下書き大掃除企画に参加してます。