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「育てる」ということ

 ところで以前、「離職について」記事を掲載しました。

 今回は「離職させないために」ということよりも「育てる」ということに意識を向けます。

 では、「育てる」とは具体的にどういうことなのか考えてみます。

 その時、「これをさせたらいいんじゃないか」や「こういうことを考えさせたらいいのでは?」という新規プランを練りがちですが、180°発想を変えます。

 まずは、「こういうことをしてほしい(してみたい)」「こんな将来像を達成してほしい(したい)」ということが育てる側と当事者間で一致している必要があります。
 すなわち、目標やゴールについて初期の段階でしっかりコミュニケーションを取って確認し合うことが最も重要です。

 もちろん、具体的な材料がなければそれを決定づけることはできませんから、その組織が目指す将来像やどんな人間を育てたいかなどの基本方針はあらかじめ説明しておく必要があります。過激なことを言いますが、そこに共感できない人材は1日も早く離職して頂いた方がお互いのためです。

 私は学校勤めですので、具体的な例を運動部活動でお話ししてみます。
 運動部にも様々なスタイルがあります。将来のオリンピック選手を育成する、インターハイで1位を目指す、県大会で上位を目指す、3年間続けることが大切、参加することに意義あり、とにかく楽しむ、名ばかり帰宅部、などなどです。
 その中からどんな部活動運営方針を選択するかは、生徒ではなく顧問に決定権があります。ですから、顧問がインターハイで1位を目指すという選択をしたならば、それ相応の練習や遠征、フィジカル・メンタル強化や食育などが行われます。ここに、とにかく楽しむ的な生徒がいたら苦痛であること極まりません。即刻自主退部となるでしょう。
 理解したいことは、生徒が自由に部活動運営方針を決められないことです。「え?それって生徒の自主性を無視しているんじゃない?」と思いがちですが、今回一番お伝えしたい核心はそこです。

 「自主性」を育てるのです!

 そのためには、目標やゴールを具体的に示すとともにその価値や意義を丁寧に説明すること。ここにしっかり時間をかけて絶対にぶれないようにすることです。

 それが定着すれば、行動は全てそこに向かっていきます。その中でPDCAサイクルを回していくことで人材は育っていきます。当然、離職の確率は低下します。

 目標やゴールがわからないのに頑張ろうなんて人間は昔も今もいません。昔の人間は理不尽にも耐え抜いたなんて全くのでたらめです。昔は選択肢が少なすぎたのです。現代は様々な情報や選択肢があふれていますし、良い条件が整えば離職して良い場合もあります。だからこそ、ぶれない魅力ある目標やゴールを目指しているかがより重要なのです。

 学校や会社、その中の細かい組織においても「トップが目標を持って行動する姿を見せること」で後進を育てたいものです。

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