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店を始めたい人へのメッセージその25:店の売りにしないほうが良い「売り」

これから述べることはあくまで私の私見であり持論です。
ひとつの考え方として受け止めて頂ければ幸いです。

結論から申しますと

「経験的にも科学的にも根拠が全く無いもの、乏しいもの、曖昧なものなどの、要はお客様にちゃんと説明できないもの」は売りにしないほうが良いと思います。

そんなものを売りにしている店は信用されないと思います。また簡単に揚げ足を取られてしまうとも思います。

「私ならこういうことを店の売りにしない」ことを列記しておきます。

1.スピリチュアルな売り

そもそも科学的根拠もへったくれもないものです。
例えば
「○○神社でお清めしてもらったから美味しい」
とか、
「おいしくなーれと祈りながら焙煎したから美味しい」
とか、
うーん、気持ちは解らなくもないのですが・・・。

2.根拠が曖昧で説明しにくい売り

例えば
「プロバット焙煎機だから美味しい」
「直火式(半熱風式、熱風式なんでもよろしい)だから美味しい」

メーカーや焙煎方式などは焙煎という加工工程のパラメータのひとつであって、決定打とはなりません。
焙煎機のメーカー、焙煎方式以前に、使用する原料生豆のクオリティ、そして焙煎人の技量次第で、その出来は如何様にも変ってしまいます。

追記:なにをどうやっても良好な焙煎が出来ない焙煎機ならいくつかあります。具体的な製品名は伏せますが、いずれも電気を熱源とした焙煎機です。こればかりは、「○○焙煎機だから美味しくない」と言い切れます。

3.関係性が経験的にも科学的にも説明できない(成り立たない)売り

例えば
「フェアトレードだから美味しい」
とか
「オーガニックだから美味しい」
など、
どちらの要因も「美味しさ」との関係性を経験的にも科学的に説明することができません。

さらには
「水研ぎしたから安全」(=していないものは危険)
とか
「オーガニックだから安全」(=ではないものは危険)
などと提唱する店も見かけますが、それらと安全性とを関連付ける決定的な証拠まで提示できる店を見たことがありません。
「在るよりは無い方が良いよね」と言ったレベルで話をしているに過ぎないように思えます。

追記:このようなキャッチを見ると19世紀アメリカでC・W・ポスト(ゼネラルフーズ創始者)が巻き起こした「ネガティブコーヒーキャンペーン」を想起してしまうのは私だけでしょうか?
科学的に立証されたデータの提示がないままに、イメージだけで必要以上に不安を煽り、自社自店の商品に誘導する我田引水的なやりかたは私は嫌いです。


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