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苦情が来てからでは遅い!:店を始めたい人へのメッセージその9

「苦情? 来てから考えればいいや」

甘いです、甘すぎます。


一度近隣から苦情を受けると、以後色眼鏡で見られてしまう危険性大です。
きちんと対策をしたにも関わらず苦情が止まらなかったり、別の些細なことで新たな苦情を受けたりするようになります。「またあいつか」・・・と。
いわゆる目の敵ですね。

最悪の場合、移転を余儀なくされる事態に陥ります。

自家焙煎店に寄せられる苦情として最も可能性が高いものが

「焙煎時に発生するにおい、煙」


だと思います。
なぜ「におい」とひらがなで書いたのか?それは焙煎時の珈琲のにおいは「匂い」にもなれば「臭い」にもなるからです。
人により感じ方は千差万別。
また、どんなに良い匂いでも常に嗅がされれば臭いになります。

煙に至っては、ほぼ容認されないと思った方が良いと思います。

近隣に住宅がある場所で自家焙煎店を開く場合、公害防止装置の設置は必須です。

公害防止装置は総じて高価です。最低100万円以上、200万円超えも珍しくありません。

ですので、

「買わなくて済むならそうしたい」

と考えたくなるのも無理からぬことです。
ただでさえ皆キツキツですから。

しかし前述の通り、苦情が来てからでは遅いのです。先回りして手を打っておくことが肝要です。

開業資金に公害防止装置を購入するだけの余裕がないのなら、開業時期を遅らせてでも購入する必要があると思います。

公害防止装置には主に以下の2種類があります。

物理フィルタ、静電フィルタ併用式:煙はほぼ消えますが、においは消えません。
アフタ・バーナ:煙もにおいもほぼ消えます。

当店では、物理フィルタ、静電フィルタ併用式を使用しています。
地方都市の郊外で密集しておらず、また周囲が商店、県道なのでこの選択が出来ましたが、住宅密集地ならばアフタ・バーナの方が無難です。

ところで、焙煎機の排気ガスは重たく、風の弱い日ですと地面近くまで降りてきて長時間周囲を漂います。
当店のように排気筒のトップが地上14mもあっても、地面まで降りてきます。

追記:物件探しの際に、近隣にクレーマーのような存在の住人がいないか、事前にリサーチしておく必要があります。もし居る場合、その場所での出店そのものを再考した方が良いかもしれません。

追記2:開業前の近隣への挨拶の際、匂いや煙についての説明をきちんとして理解を求めておくことと、開業後も近隣とのコミュニケーション、ケアをしっかりとっておくことで、苦情を予防することができると思います。

開業に向けて抜かりなくどうぞ。


サポートは謹んで辞退させて頂きます。お気持ちだけで十分幸せです。