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恐竜図鑑展、よすぎる。

上野の森美術館で開催されている「特別展 恐竜図鑑」をご存知だろうか。

国立科学博物館で開催されていた「恐竜博2023」とは別で「恐竜を描いたさまざまな絵画や復元画、立体物」について取り上げた“美術展”だ。

これがほんとに、腰抜けるほどよかった、という話。

ちなみにこの文章はお金をもらって書いているわけではない。
ただ恐竜になりたいだけの会社員の感想文。

骨格標本と最新の研究が中心に展示される、毎年行われる「恐竜博」のたぐいは、科学者・生物学者・古代生物学者みたいなジャンルの人たちの監修、活躍により構成される。
恐竜がどのように生まれ、繁栄、進化して、どのようにしていなくなっていったのか。それを解き明かしていくことは、人類が生きていく上でとても大切なことだ。研究者の母数を増やすために、多くの人に興味を持ってもらうこともとても大切。
そのうえ、子供たちに科学館にきてもらって、科学に触れてもらうということも本当に大切。
ああいうことを、どこかで毎年のように開催することにはとても意味があることだと思っている。

ただ、それは「理科」という観点から見た時の話だ。ちなみにやまこしはでっかい骨格標本を見て「やっぱり恐竜になりたい…」と思うために行っている。

それとは全く別の切り口で「恐竜」という存在と戦って、そこに人生をかけてきた人たちがいた。というのが「恐竜図鑑展」だ。

被写体が真ん中にこない 写真が下手すぎる

世界で最初に骨が見つかった恐竜「イグアノドン」の姿が、図鑑や絵画のなかでどのように変化していったか、ということが軸になって展示が進んでゆく。

骨の一部だけが見つかった大昔の生き物が、本来どんな姿であったかを想像して絵に起こす人がいるのだ。イグアノドンが初めて見つかった時から。

科学者たちが見つけたこと、考えたことを体系立てて絵に起こし、それを科学者の発表に利用する。図鑑や教科書に採用して教育に役立てる。絵画として人に楽しんでもらう。それが映画や小説のアイディアの元になり、文化が発展してゆく。「恐竜の絵」から広がる世界は無限大だ。

「恐竜」という存在が発見される前から描かれていた「ドラゴン」との不思議な関係や、研究が進んでいくごとに姿を変えていく恐竜のすがた、絵を描く人の想像によって切り拓かれた可能性、そういうものがたくさんおちていたのが面白かった。

一つの生物学分野が文化や美術とともに発展していくのが目に見えてとても興味深い。

古生物研究は人間の根源を知るのにとても大切な学問ジャンルで、研究者の確保は必至なのだと思う。というかどんなジャンルでも、多様な人が研究に参加することは大切で、そのために裾野を広げる活動は欠かせない。それに大きく貢献しているのが「絵を描く人々」なのだとわかった。

特に、毎回恐竜博に足を運ぶような人にはぜひ、ぜひ見てほしい展示。
そして単純に美術展としても噛みごたえのある展覧会だった。

恐竜の絵を描いている人たちはその情景を本当に見たことがあるのではないか?と思うほどリアルな絵ばかりだった。妄想力すごい。M(妄想)-1グランプリだ。

しかも図録が鬼かっこいい装丁でたっぷりのなかみで3000円、お安い。(買ってもらった)
ショップも魅力的で、本当に大満足でした!

生物学や科学、技術に興味がある方も、美術や文化人類学的観点に興味がある方もみんなみんなぜひ、この初夏は上野の森へ、、、!

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。