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スランプから抜け出す方法

イラストレーター&文筆家・陽菜ひなひよ子です。

どんなにもがいても、どうもうまく行かないときって誰でもありますよね。
いわゆる「スランプ」という奴です。

距離を置いてみる


スランプから抜け出す方法は人それぞれ。

とりあえず、ちょっと離れてみるというのもよく聞く話です。

わたしはどちらかというと、このタイプ。とりあえず離れるというより、スランプになるとやりたくなくなるので、単純に「逃げる」んです。

もちろん、仕事では描きますが、仕事以外では絵のことを忘れてみることにしています。

この場合、選択肢はふたつあります。
・自分の本業(わたしの場合は「絵」)とはできるだけ遠いことをする
・単純に絵を描かないだけで、インプットに徹して展覧会などに足を運ぶ

絵のことはまるきり忘れるか、描かないだけで絵は身近に置くか。その時のスランプの度合いによって、変えてみてもいいかもしれません。


会心の作を撮ったのは?


ところで、わたしのオットはカメラマンをしています。

彼のnoteのTOP画像は、本人の会心の作というべき写真。

駅のベンチに座る女性を、今にもかぶりつきそうな位置に描かれた黒豹のシルエット。それだけでもなかなかのタイミングですが、ベンチには「美食の友」の文字があるというオチつき。

なかなか狙って撮れるもんではないよね、と個展でも絶賛を浴びました。

この会心の写真はいつ、どこで撮ったのか?

彼は30代半ばで会社を辞めて写真学校に通いました。
この写真を撮ったのは、まだ彼が写真学校に行っていた頃。
入学した年の秋、大阪で撮った写真です。

あの頃、彼は「自分はスランプだ」と言っていました。

入学前、会社員だった頃には、時間がない中で、驚くほどたくさんの写真を撮ったオット。たくさん撮る中で、自分のスタイルを確立していきました。

けれど学校に入学してからの彼は、撮る写真がしっくり来ないと感じていたようです。

もう10年近く前のことなので、正確な文言は覚えていませんが、学校の先生から、こんなことを言われてた記憶があります。

「宮田くんの写真は強いから、自分で自分の写真の強さに疲れてしまうことがあるかもしれない」


決して逃げないという選択


「スランプ」だと感じて、彼はどうしたか。

わたしとは逆に、彼は逃げませんでした。どんなにスランプでも、淡々と撮り続けました。地元でも大阪でも千本ノックみたいに撮りました。

辛かったでしょう。それでも負けずに撮り続けた結果、会心の作が生まれたのです。

いつのまにか、スランプからは抜け出ていました。


スランプから抜け出すには、いろいろな方法があります。
一旦逃げて一皮むけてから、新たな気持ちで向き合う、というのも良い方法です。

距離を置くことで、自分に足りなかったことが見えてきたり、心にたまっていたおりのようなものが消えて新鮮な気持ちになれたりと、よいことはたくさんあります。

けれど、逃げれば逃げるほど、再度向き合うことが難しくなることもあります。

しんどいときに、そのしんどい対象から逃げずに向き合うことは辛いことですが、その辛さを耐えた先には、ギフトのようにいいことが起きるのかもしれません。

宮田にとっては、この写真がギフトだったのでしょう。


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