自分史上知り合って最短でお仕事が来た話
イラストレーター&文筆家&漫画家の陽菜ひよ子です。
このnoteでは、今までしてきたお仕事をご紹介しています。
主な内容は、お仕事の詳細や感想、依頼されたきっかけなど。
イラストをご依頼される方にとってのサンプルとなるだけでなく、イラストレーターを目指す人が参考にできるような内容を目指しています。
今までの記事は、コチラからご覧になれます。
魚・さかな・サカナ・肴
今回ご紹介するお仕事は、雑誌『大人の名古屋 vol.39』(CCCメディアハウス)に掲載された食べ物イラストと似顔絵です。
『大人の名古屋』はあの「Pen」「FIGARO japon」などの人気雑誌でおなじみのCCCメディアハウスが、ナゴヤで発行している雑誌。
「ワンランク上の上質なナゴヤ」を堪能できる、まさに「大人のための」雑誌なのです。登場するのは、こだわりの高級店ばかり。
この号は「お魚特集」とのことで、特集ページ「魚を食べたくなる小説と映画」のイラストを担当。
丸善名古屋本店の書店員・熊谷由佳さんと、シネマスコーレの名物副支配人・坪井篤史さんから、それぞれのオススメをご紹介いただいています。
書籍は書影を載せるのでイラストは必要なく、映画の名シーンのみ描きました。それから熊谷さんと坪井さんの似顔絵も。
めっちゃ特徴のある坪井さん(上)の方が、なぜか苦労しました。描けば描くほど似なくなり、結局最初に描いたのを提出。
熊谷さん(下)とは面識があり、その後お目にかかったら、喜んでくださっていてホッとしました。
マニアックすぎる映画セレクトに振り回されるGW
このお仕事、実はイラストそのものよりも、それ以前の問題で苦労しました。
2017年4月終わりに依頼があり、すぐにGWに突入。編集さんから「レンタル代出しますので、映画見ておいてください」と言われて近所のTSUTAYAに行ったものの、掲載予定の映画がない。。。
それもそのはず、セレクトされた映画がマニアックすぎるんです。
シネマスコーレの副支配人・坪井さんと言えば「映画狂人」とも呼ばれるお方。
当時在名テレビ局・メ~テレ(テレビ朝日系)が密着したドキュメンタリー『劇場版 シネマ狂想曲~名古屋映画館革命~』が劇場で公開され「時の人」でもありました。
ドキュメンタリー映画は全国に巡回し、坪井さんの映画狂人っぷりは、全国に知られることとなったのです。
さて、そんな坪井さんが選んだ映画とは?
イラストから当ててみてください!
1本目:魚介のスープ
1本目は「魚介のスープ」。この映画をテーマに描きました。
このポスターで食べているスイカを「魚介のスープ」に変えてリクエストされましたが、このイラストはボツに。
やはりドーンとスープがいいだろう、とのことで、このポスターを参考にしながら映画を見て描く予定。。。でした。
しかしこの映画、DVD化もされておらず、VHSしかないんです。そりゃレンタルにあるわけない。VHS入手出来てもウチでは見られませんし。
編集さんと私が戦々恐々している中、編集長がどこからか、この映画の「スープが登場するシーン」の動画を入手して送って下さったんです。
へんしゅうちょー、素晴らしい!トレビアン!!
そうして出来上がったイラストがこれ。
さて、この映画、何かわかるかな?(最後に答え合わせします)
2本目:寿司
2本目は寿司。というか、寿司に襲われる人々。
これがなんといってもすごい。B級感が半端ない。
だって、仕上がった絵がこれだもん。
この映画もレンタルにはなかったのですが、ありがたいことにB級映画として有名なようで、ネット上で画像や映画の予告編ムービーなどが見られたお陰で、何とか無事完成。
寿司から刃物が生えて襲ってくるって!
これ見て魚を食べる気になれるか??どうかは別として、この映画、ちょっと見たくなりました。
3本目・・・魚
3本目は魚?と書くと謎ですが、あの人気俳優主演のハリウッド大作です。
これだけは普通にレンタルできました。が、しかし描いた絵はこんなん。。。
凍った湖で魚を獲って、生のまま食らいつくシーン。だから「魚」。
これ、アカデミー賞など各賞にノミネート・受賞されまくった名作なんです。いい映画です。
しかし、魚を食べたくなるか?は謎。。。
4本目・・・サーモンステーキ
4本目は「サーモンステーキ」。意外にもアニメからのセレクト。
誰もが知る名作です。当然レンタルにもあったのですが、最寄りのお店では、何度行っても「貸し出し中」でした。さすが人気作!
食べるシーンはコチラ。
ちょいリアルな感じで再現すると、こうなりました。
さて、4本の映画、わかりましたでしょうか?
実は坪井さん、もう1本映画をおススメしていますが、誌面の関係でイラストは描いていません。なのでここにも書きません。ご興味ある方は、是非バックナンバーをご覧下さいませ。
答え合わせ
坪井さんご紹介の「魚が食べたくなる映画」は以下の通りです。
◎魚のスープ ZAPPA DI PESCE(1992年)
イタリア・フランス合作
上映時間:104分
監督:フィオレッラ・インファシェッリ
脚本:フィオレッラ・インファシェッリ、パトリツィア・ビスタニェージ
出演者:フィリップ・ノワレ、マーシャ・メリル その他
◎デッド寿司 Dead Sushi(2013年)
日本制作 上映時間:92分
監督・脚本:井口昇
出演者:武田梨奈、松崎しげる その他
◎レヴェナント: 蘇えりし者 The Revenant(2015年)
アメリカ合衆国制作
上映時間:156分
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本: マーク・L・スミス、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演者:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ その他
◎紅の豚 Porco Rosso(1992)
日本制作 上映時間:93分
監督・脚本: 宮崎駿(スタジオジブリ)
出演者: 森山周一郎、加藤登紀子 その他
後半2本はわかった方も多そうですが、前半わかったらスゴイ!
それにしても、坪井さんらしいセレクトで、ニマニマしちゃいますね。
シネマスコーレの現状
4年前には、坪井さんのドキュメンタリー映画公開で盛り上がっていたシネマスコーレ。このコロナ禍ではどうなっているのでしょうか?
こちらの記事で坪井さんご自身が、シネマスコーレの現状を語っておられます。(是非お読みください!)
お仕事をいただいた経緯
このお仕事をいただいた経緯はミラクル。
今までにも割と「引き」が強く、たくさんのミラクルを引き寄せて来たワタクシめ。
講座を受けた結果、イラストの仕事を引き寄せること多し。「講座シリーズ」と名付けるとしましょう(ネーミングセンスナシ)。
①文章講座を受けて本1冊のイラスト
②自治体主催の地域の文化講座を受けてイラスト講師の仕事
に続く第3弾は、書店のイベントに参加して、でした。
丸善名古屋本店さんでは、2017年当時「丸善ゼミナール(丸ゼミ)」を定期的に開催していました。
本の著者さんを招いてのトークショーが中心で、本の購入かワンコインで参加できるため、私は楽しみに参加していたのです。
2017年4月初めに開催されたのが、雑誌『大人の名古屋』編集長を招いてのトークイベント「雑誌『大人の名古屋』ができるまで」でした。
大好きな雑誌の裏側が聞ける!大コーフンでかぶりつきに座っていました。
トークショー終了後、司会の丸善S店長にご挨拶すると、S店長、編集長に私を紹介してくださったのです。サクッと名刺交換。
このお仕事は、それから約2週間後に依頼されました。仕事に結びつくまでの最短記録です。営業なんて考えてもいなかっただけに、感激は大きかったです。
ありがたや。。。
S店長には拙著を大きく展開していただき、足を向けて寝られない!方なのです。
(2015年10月、拙著「アトピーの夫と暮らしています」丸善名古屋本店での展開の様子)
まさか半沢直樹と村上春樹と井之頭五郎に囲まれるとは。
どうやって恩を返せばいいのやら!と考えると答えは一つ。
大ヒット作を書くしかないのだな、と思うのでした。