人生の転機について~高校生の娘の1年間のニュートラル・ゾーンを振り返って
こんにちは。お日さまの光が大好きなひなたです。今日は強風ではあったものの、東京は快晴で、真っ青な空に梅の花がとても綺麗な一日でした。
キャリアコンサルタントの学科試験が近いので、3連休は家で勉強をしながら近所をお散歩する程度でしたが、そんなゆったりな時間が心地よい、今日このごろです。
さて、今日は「人生の転機」について、キャリア理論の勉強真っ只中の私ですが、娘の経験から学んだことについて書いてみようと思います。
子供にとって大切なもの
これまでの私は、「何か人より秀でるものがあれば、子供は幸せになれる」と信じていました。
だから、少しでも才能を見出して、親として出来ることは全て注ぐつもりで接してきました。
とにかく結果を出してあげたい。
それが親の愛情だと信じて疑わなかったんです。
本人の気持ちよりも先に。
その結果、娘は、私のために生きることになったし、
結果を出せなくなった自分は、生きる価値がないと思い込んでしまいました。
アスリートからの挫折。
娘は、高校を逃げるように選択し、その後、何か違うと通信高校に転学するも、気持ちばかり焦る日々。
「どうしてあの時、簡単にあきらめたのかな」
身体が悲鳴をあげていたんだから間違っていなかったんだと
どんなに言いなだめても、
インスタから流れてくるみんなの姿をみては
「私は逃げたんだ、普通の高校生にはなれなかったんだ」
と落ち込むことの繰り返しでした。
それでも私は、今回ばかりは、娘の力を信じるほかありませんでした。
きっと、大切な時間のはず。
人生のニュートラル・ゾーン
今思えば、この時期にキャリアコンサルタントの勉強を始めたのも、
何かのご縁かもしれません。
一喜一憂する不安定な娘の姿に、「私が動揺してはいけない」と毎日のように言い聞かせていたある日、キャリア理論の中で、人生の転機:トランジッションについて学びました。
アメリカの心理学者、ウィリアム・ブリッジスさんは「人生の転機:トランジッション」を「終焉(何かが終わるとき)」「中立圏(ニュートラル・ゾーン)」「開始(何かが始まるとき)」の3つの段階に分けて説明しています。
そして、この中でも「終わり」は混乱や空虚を伴うこともあり、真摯にうけとめ、向き合う必要があるのだそうです。
娘にとって、「幼少期からのアスリート人生の終わり」が
まさにこれにあたるのだ、と思いました。
「そうか。まだ、きちんと終わり切れていないんだ」
そして最も大切なのは、ニュートラル・ゾーンだそうです。
このプロセスは長く、ただ立ち止まっているようで、今後進むべき道を選ぶうえで、とても大切な時間だというのです。
娘の今、まさに直面している現実の意味が分かった気がして、すーっと霧が晴れていくようでした。
その1か月後、娘はとある大会に自らエントリーして自分の気持ちを確認し、アスリートの生活にきちんとピリオドを打つことができました。
その娘の姿をみた私は、その後のニュートラル・ゾーンの時間をとても大切にしてあげることができました。
娘が人生を選択する上で、もう何も焦ることなどないと確信したからです。
もう一つの理論「プランド・ハップンスタンス」
「偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、それは望ましいものである」
これもまた、アメリカの心理学者、ジョン・クランボルツさんが提唱したものです。そして、計画された偶然の出来事をチャンスとしてとらえるためには、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「リスクテーキング」の5つのスキルが必要なのだそうです。
なるほど。
そんなわけでゲンキンな私は、
娘がやってみたいということは全部やってみよう!ということにしました。
娘は、私と同じで海が大好き。
二人でサーフィンやサップにチャレンジしたり。
沖縄で一次産業の体験をしたり(これについてはいつか別の記事で紹介します)。
体を壊したから栄養に興味があるというので、専門学校をいくつも見に行ってみたり。
美容に興味を持ち始めたので、お知り合いにお願いして、二人でハーブの化粧水作りにチャレンジしたり。
畑を借りて、無農薬野菜を育ててみたり。
お菓子作りにチャレンジしたり。
名実ともに、いわゆる「普通の高校生」ではない、普通の高校生では決して体験できない、長い長い、そしてとても濃い一年間を過ごしました。
たくさんの大人とのナナメの関係
娘にとって、この一年で最も重要であったこと。
それは、親ではなく、全く違う世界に住む多くの大人の方と出会い、たくさんのアドバイスやエールを頂いたことでした。
数多くの通信制高校や専門学校を回った先で知り合った先生方。
沖縄の海のレジャー、漁師、農業を営むたくさんの大人の方。
アルバイト先の店長やパートの方。
娘はこれまでの人生であり得ないほど、多くの大人の方に自分のことを語り、たくさん聞いていただき、そして、たくさんのエールを頂きました。
思う存分、気持ちが向くものにチャレンジして、沢山の働く方々の姿をみて、あまりある時間を自分と向き合って。
一時は生きる意味も見失いかけた娘は、
ついにこの春、
自分が本当に進みたい道を自分の力でみつけることができました。
16歳の、あまりに早い人生のニュートラル・ゾーンでしたが、
親の私にとっても、これほどの充実した1年間を経験したことがありません。
もう大丈夫。
きっとこれから先、どんなことがあっても自分を信じて生きていける。
ママは、これからもずっとあなたの一番のファンで応援者だよ。
経験に勝るものはない
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