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ワンマン電車に揺れる自意識 ~18きっぷひとり旅vol.5~

さて、続きです。5回目にしてようやく二日目です、どんだけスローテンポねん。

今ちょうどオードリー若林さんの著書『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んでいまして、キューバの旅行記なのですが、これがめちゃくちゃ面白い。完全に刺激されて書いてます。それでは本編いきましょう。

つるモチうどんと盗み聞き

翌日、セットしていたiPhoneのアラームが挿していたイヤホンではなく本体から爆音で流れ、ぼんやりした意識の中で、同じ部屋に例の男子三人組もいることを思い出してめちゃくちゃ冷や汗かいて起きる。
起こしたかもしれんけどカーテン越しに聞こえる寝息にちょっと安堵。

なんやかんやで準備して(二段ベッドの中でメイクしたんですが暗くてやりにくかった笑)、朝ごはんはあらかじめ行こうと決めていた「うどんバカ一代」へ。

やっぱり香川来たならうどん食べなきゃなあ〜ということで、ゲストハウスから歩いて行ける距離にある有名店を選びました。電車の旅は足が電車しかないので行ける範囲が限られてくることに少し不便さを感じる。車の免許とろうかなあ。

香川の駅前の賑わいから少し離れた、朝の住宅街。朝の8時だったので、投稿する児童や、サラリーマンの姿が。

私が住んでる街ではないけど、ここにも暮らしがあってみんな同じように生活してるんだなあと感じ、当たり前のことに感慨深くなる。と同時に、私は旅に出るまで部屋で引きこもったままで、時間の使い方を前向きにしていきたいと思うのは早起きしたせいでしょうか。

さて着きました。なんだか店の周りにはキャリーバッグを転がした同年代と思しき男女がうろうろしていて、女ひとりでなんだか心細くなる私。
1人で来てる可哀想な女、みたいに思われたら嫌だったので男女グループをスルーしてズカズカ店内へ。私ってこんなに自意識強かったのか、と自分に少しがっかりする。

お店自体は6時(早!)からやっているのですが、8時の時間だとサラリーマンは仕事に行くし、まだ客は少ないだろうと踏んでこの時間にしたのですが、(いや、早朝に起きれる自信がなかったたから)
やはりお客さんは少なく、座敷の席に1組、あとはおじさんが2,3人程度でした。

強がって入ったけど、はじめて入る店で、しかも店員さんの案内もないので
まず席を確保していいのか?それとも先に注文システムなのか?と一瞬迷いました。
とりあえず席を確保するか、と、うどんをすすり新聞を読むどのおじさんからも適当な距離のとれる席に上着を置いたところ、私のあとに入ったスーツの男性が注文に向かったので、あれ、先に注文システムやったんか、、、と若干恥ずかしい感情を隠しながらその人の後ろへ。

うどんの乗ったトレーを持って席に着くころには、すっかり店は人で溢れかえっていて、人をかき分けて席にたどり着きました。旅行客と思しき若い人から、軽装の地元の人まで、ひしめき合って座り皆一様にうどんをすする。なかなか愉快です。大衆食堂のような内装がそう感じさせるのでしょうか。

選べるほどたくさん空いていた席はほとんど埋まり、私の向かいの席に座ろうとした若いスーツの男性が、「前いいですか?大丈夫すか?」ときいてきた。そうか、連れがいると思われたのか。女子ひとりで来るのは珍しいのか〜とぼんやり考える。

その男性と私の右に座った男性が斜めに会話するのを聞いていると、どうも「バカ一」はこの人たちが高校生のときは全然流行ってなくて、雑誌で紹介され始めたのがきっかけで、ここまで人気になった、ということがわかった。たしかに店内にはお土産用のうどんセットが山積みになっていて、ド平日の朝の8時で長い列ができるほど人でいっぱいだ。

こんなに人気になったら飲食店として「成功」と言えるんだろうか。そもそも、この店の店主は何を目指して店を始めたんだろう。名物「釜バターうどん」をすすりながら考える。

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それにしてもバカ一の店内には凄い数のサイン額が飾られていた。三段になって店中の壁を覆い尽くすサイン達に、無理しなくてもここのうどんは充分うまいぜ、と言ってあげたくなった。

(詳しいお店やうどんの感想は番外編のごはん屋さん特集で語りますので、しばしお待ちを〜!汗)

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坂出で過ごす

さて、腹ごしらえも済まし、うどんも食し香川に思い残すことはなくなったので、今回の旅の目的・下灘駅へ向かうことに。

9時、高松駅のセブイレで電車のお供にバナナ味のブランチュールと水を購入し、意気揚々とJR予讃線マリンライナーに乗り込み高松に別れを告げる。さよなら高松!さよなら香川!


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十数分後、乗り換えのため坂出駅で下車。グーグルマップを見るとまだ全然香川県にいた。いやいや、さっきの感動の別れを返してくれ。

しかも次の電車まで1時間弱時間があった。駅員さんにきくと、6000円上乗せすれば10分後の特急であっという間に松山に行けるらしい。少し悩んだが、18きっぷらしく各駅停車でまったり行くことにした。夕焼けの下灘駅が撮るのが目標なので、金をとって時間とお尻を犠牲にすることに

予定外に時間ができたので、次の電車まで、駅の周辺を散策するした。
田舎らしくすぐ近くにイオンがあることに親近感を覚えながら、足は何もなさそうな住宅街へ。

最近気づいたのだが、どうも私は住宅街を散歩するのが好きらしい。
めぼしいものは何もないが、ひとつひとつの家の門、庭、雑に並べられた植木鉢、洗濯物がかかっているようすなど、どの家にもそこに生活が息づいていて、たしかな人の「暮らし」が見えるのが楽しい。見ていて飽きないのだ。

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↑路地で見つけた猫ちゃん。鋭い目つき。ごめんて。

ワンマン電車でロングロングゴーゴー


さて電車に乗って次は観音寺という駅まで向かう。
(坂出(さかいで)といい、観音寺(かんのんじ)といい、読み方に迷う駅名ばかりで、アプリで調べるときにやや苦労した。)

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↑坂出駅のパン屋さんで売っていた坂出印のアンパン。珍しいと思って買ったら松山駅でも松山ver.が売ってて、the観光客みたいなことしたなと少し恥ずかしくなった

観音寺では向かいのホームに一両編成の小さな電車がとまっていた。あれに乗るのか、、、!と青春18きっぷの旅らしい電車に興奮しつつ、窓側の席を確保すべく急いで乗り込む。ここから3時間半電車の旅だ。

前日しっかり睡眠をとったので寝ようにも寝られず、Galileo Galileiの「四ツ葉さがしの旅人」をきいて時間をやり過ごす。
私と同じようにカメラを下げてリュックを抱えた男性を見つけて、もしかして私と同じように青春18きっぷで下灘まで行くんじゃなかろうか?いやまさかな、、などと考えつつ、電車に揺られ、そしていつの間にか寝てしまっていた。

ワンマン電車には車掌さんがいないので、予め録音された音声が、「入り口は後ろ、出口は前にございます」「乗車の際に乗車駅証明書をお取りください」と各駅に停車するたびに言ってくれるのだが、それも聞き飽きるを超えて何も感じなくなったころ、ようやく終点・松山駅についた。

15時、日が少し傾き始めてきた。さあ今から下灘に行こう。

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↑ワンマン電車というものにはじめて乗った。かつてこんな短い電車があっただろうか、と撮った写真


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今回も読んでいただきありがとうございます。

今回は書きたいことが多くて結構ボリューミーになってしまいました。
写真のないところはイラストで補うという技を覚えたのですが、今回は載せたい写真もたくさんでモリモリしましたね。

さあ次はようやく下灘へ行きますよ〜!

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