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ハイモジモジ10周年ふり返り(3期目の後半)

ハイモジモジ代表の松岡です。

2010年4月28日に創業し、間もなく10周年を迎えます。そこで、この10年の歩みをふり返っていきます。今回は3期目(2012年)の後半をお伝えしていきます。


グッドデザイン賞受賞


10月1日。ハイモジモジ史上初めて「グッドデザイン賞」を受賞することができました。

ひそかに春に応募し、書類審査と東京ビッグサイトで行われた2次審査を経て、9月の時点で受賞することが内々に知らされていたのですが、晴れて10月1日に公表することができました。

受賞作品はキーボードに立てる伝言メモ「Deng On」です。


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▲受賞展のブース


審査員からは、こんなコメントをいただきました。

「キーボードのスキ間に挟んで使う伝言メモ」という使用シーンが明確化されているコンセプトが評価できる。動物たちや柵、樹木など多彩な色やかたちがあるため、殺風景になりがちなキーボードの周辺環境を牧場のような楽しいジオラマに彩ることができる。


ちなみに内々の発表はグッドデザイン賞の管理画面にログインし、指定時間になったら受賞か落選が分かる仕組みなのですが、なんだか入試のときの合格発表を思い出しました。受賞が決まったときは、思わずガッツポーズしましたね。

とくに嬉しかったのが、たくさんの方にお祝いの言葉をもらったこと。友人はもちろん、ハイモジモジを日頃から応援してくださっている方々から嬉しいメッセージをたくさんいただきました。その節は本当にありがとうございました。


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▲内々でささやかなお祝いもしました


日経MJで特集記事が掲載


10月10日発行の日経MJでは、ハイモジモジの特集を組んでいただきました。ビジネスマンはみな読んでいる(?)といっても過言ではない著名な専門紙で取り上げられたことは、大いに励みになりました。


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ピンクリボンプロジェクトに参加


10月はトピックがてんこもり。乳がん検診の早期受診を推進する青森ピンクリボンプロジェクトさんからお声がかかり、腕に巻くメモ「LIST-IT」のピンクリボン・バージョンを作ることになりました。


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実は「LIST-IT」には苦い思い出がひとつあります。

東日本大震災が起こった直後、ある社会福祉法人の方から「東北に寄贈して、参加者に願いを書いてもらって、お焚き上げをしたい」という声がかかったんです。事が事でしたから、自分たちなりに貢献したいと思い、自分たちの利益をゼロにして原価のみで提供したんですね。

ところが、それが実際に東北で使われたかどうかの報告がなく、不思議に思ってコンタクトを取ってみたのですが、連絡が取れなくなってまして。とうとう原価分の支払いされず、逃げられてしまいました。

何か事情があったのかもしれませんが、なんだか善意につけこまれた気がして、とてもつらい思いをしました。せめて被災地で何かしらの役に立ってくれていたらと思わずにいられません。

そんな過去があったので、この青森リボンプロジェクトの件は自分たちなりのリベンジでした。社会的な活動の一助となれたこと、とても嬉しく感じましたね。


「Deng On」ウルトラマン版発売


さらに嬉しいことが続きます。

「Deng On」ウルトラマン・バージョンが円谷ステーション限定でリリースされたのです。


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もともとパソコンのキーボードを都会のビルに見立てて「ヒーローと怪獣が戦っているように見える伝言メモ」として開発していたものの、ウルトラマンの商品化ライセンスを得る方法が分からず、動物のメモとして発売した経緯がありました。(詳しくは1期目後半のふり返り記事をご覧ください)

そうして迎えた、本物のウルトラマン・バージョン。初代ウルトラマンのオープニングのタイトルバックに流れていたシルエットを活かしたデザインになっています。

私たちと円谷プロダクションとの間にもうひとつ企画会社が入っていたため、高価なメモになってしまったのですが、それでも根強いファンに買っていただき、見事に完売しました。


「Pict In」発売


さらに10月後半には久しぶりの新企画。

お気に入りの写真を入れてメッセージカードになる「Pict In(ピクトイン)」をリリースしました。

メッセージを書きこんで、パッケージに同梱された封筒で郵送でき、受け取った人はカードを立てて飾れるという代物です。


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写真データを送ってもらって、私たちがメッセージを代筆し、届けたい人に郵送する「Pict In Mail」というサービスも展開したのですが、こちらはいまいち軌道に乗せることができませんでした。

当時、もっとスマートフォンが普及し、アプリで簡単に注文できる仕組みがあったら、もう少し利用してもらえたかもしれません。残念。


吉祥寺PARCOで期間限定ショップ


11月には、吉祥寺PARCOで期間限定ショップをやらせてもらいました。

いつもひとりの客として利用させてもらっていたPARCOで、自分たちのショップをやらせてもらうという喜び。アルバイトにも数名応募があり、基本的にはお任せすればよかったのですが、なんだかうれしくてシフトが入っていない日も現場を見にいっていましたね。


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思えばこのときアルバイトに来てくれたうちのひとりが、今や立派なひとりメーカーとして活躍しています。誇らしい限りです。

「Kino Q」というブランドを展開されている方で、よく「紙博」でもご一緒していますよ。


「Jalousy」発売


12月には、いつでもどこでも猫をじゃらせるモバイル猫じゃらし「Jalousy(ジャラシー)」をリリース。

自分たちで猫を飼い始めて、いろんな猫じゃらしを試したのですが、「もっとこういうものが欲しい」とつき詰めてデザインした商品です。


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自分たちが生活していて、欲しいものがあり、お店やネットで探してみても、それらしいものが見当たらない。「だったら自分たちで作っちゃおう」という姿勢で私たちはモノづくりをしているのですが、この「Jalousy」は最たるものだと思います。

動画もかわいいので、ぜひご覧ください。



「excuse case」発売


年が明けて2013年の2月。初めてiPhoneケースを発売しました。

iPhoneケースを作れる業者さんを紹介してもらい、何か面白い企画ができないかと考えていたのですが、ふとお風呂上がりにこんなことをアイデアをひらめきました。


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iPhoneに限らずスマートフォンのケース(カバー)というのは、自分には見えないわけです。背面にかぶせるものだから、見えるのは自分の向こうにいる相手。

だから向かい合っている人へのメッセージが書かれていたら面白いのではないかと思い、10種類ほどデザインしました。


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個人的には「最高に面白い!」とテンションが上がっていたのですが、iPhoneケース(当時は「5」でした)のライバルがあまりに多くて、あまり売れませんでした。

やはり製品自体の企画からオリジナルで発想するのが自分たちの強みだなと再認識しました。それもしても、もうちょっと売れてほしかったなあ。


「お願い!ランキング」に出演?


テレビ番組「お願い!ランキング」の文房具特番にも出演しました。


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うそです。出演とは名ばかりで、何度か映りこんだだけです。

文房具のランキングを決める大会で、大手を中心とした文房具メーカー各社が六本木のニコファーレ(当時)で行われたスタジオ撮影に臨んだのですが、ランキングに選ばれるかどうかは誰にも分からず、当日の結果を待つばかり。

そして各部門のドラムロールが鳴るたびに、両手を合わせて「選ばれてくれ~」とお願いのポーズを取るのですが(そうするようディレクターから指示がありました)、そのお願いポーズが数回映っただけで、結局選ばれることはありませんでした。

5時間も拘束されたのに! と憤る気持ちもあったのですが、帰りの際にいただいた「まい泉」のとんかつが美味しかったで良しとしました。なんだかんだで面白いので、またテレビ収録に呼んでほしいです。


沖縄美ら海水族館とコラボ


「Deng On」はとうとう、美ら海水族館ともコラボ。

ジンベエザメ、マンタ、バンドウイルカ、ウミガメの4種類をデザインし、館内ミュージアムショップ限定で販売されました。(現在は完売)

沖縄旅行に行った友達が「置いてあったよー」と写真付きで送ってくれたりするのが嬉しかったです。実際、現地を見にいったときも感動しましたね。


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いやはや、トピックの多い3期目後半でした。


ハイモジモジ10周年まで、あと18日。

(つづく)


【ハイモジモジ PROFILE】
2010年創業。「Kneepon from Nippon!」を合言葉に、思わず膝を打つアイデア・プロダクトを日本から発信している。キーボードに立てる伝言メモ「Deng On」、耐洗紙のメモ「TAGGED MEMO PAD」でグッドデザイン賞を受賞。人気シリーズ「WORKERS'BOX」好評発売中。

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