動画付【わらべうた遊び】おてぶしてぶし
「おてぶしてぶし」は0歳児から遊べるわらべ歌です。
もともとはどんぐりや飴など特別に用意したものを使って行う遊びではありませんが、今回は施設で遊ぶ際に使いやすい「お手玉」を使って遊びます。
本来は小豆と鈴の入った手に馴染みやすいお手玉を使用しますが、もっと安価で手の入りやすいものでお手玉を作ってみました。
針と糸は使いませんので、裁縫が苦手な方も子どもと一緒でもすぐに作ることができます。
■使うもの
・ペットボトルのキャップ(同じ形のもの) 2つ
・小さい鈴
・ビニールテープ
この3つです。
動画にはお手玉の作り方と遊び方を紹介しています。
おてぶしてぶしの動画はこちらです
< 歌 詞 >
おてぶしてぶし てぶしのなかに
へびのなまやけ かえるのさしみ
いっちょばこ やるから まるめておくれ
いーや!
<歌詞の意味、願い>
日本中で歌われている おてぶしてぶし ですが、静岡地方の童謡ではないかと「続日本童謡民謡曲集」という本に記載されているようです。
いっちょばこ とは一丁箱という大切にしている箱の事を意味していて、『へびのなまやけ かえるのさしみ など人が嫌がるものは一丁箱をあげるから 閉まってくれ!』という 子どもの「やめてやめて」という感情を遊びにしている歌だそうです。
不適切な関わりでは?と思う方もいるかもしれませんがこちょこちょも口では嫌だと言っても、なぜか「もう1回」と頼まれる あのエネルギーを大放出する遊びの1つだったようです。
(※もちろん本当に嫌がっているときはやめましょう)
<遊びの効果と発達の見立て>
伝承遊びは人が人へ伝えて現代へ受け継がれています。地方によって色んな抑揚や音程で歌う為、YOUTUBEで おてぶしてぶし を検索したときに色んな遊び方が出てくると思います。
今回私が紹介した遊び方は0歳児でも遊べるようにあえてお手玉を手の中に隠さずに、転がすようにしています。これは、通常の大人であれば
1.一度 お手玉を見せる。
2.手の中に隠す。
といったで順で「どこにある?」と尋ねると「手の中」と即答するでしょう。しかし、生後6か月未満の赤ちゃんは(発達には個人差がありますが)「そのものがこの場から無くなった!」という感覚になってしまうのです。
いないいないばあを思い出して下さい。この遊びで笑うのは、相手の顔が両手で覆われた後に「両手の向こうからまたすぐに出てくる!」と予測し、「ばあ!」と相手の顔が現れることで予測通りだったと喜んでいるためです。
そのため、手の向こうに顔が隠れているという考えや、予想できる考え(物の永続性)を獲得する前の赤ちゃんにいないいないばあをしても、喜ばず驚くだけです。そこがおおよそ生後6ヶ月という訳です。
歌の途中から手でお手玉を隠しても、どっちにあるか?とこの遊びを楽しめるようになったら 物の永続性を獲得したと言えるでしょう。
この遊びは異年齢交流に子どもが、年下の子どもへ遊ぶのにも取り組みやすい遊びです。外でどんぐりを拾った時や小さな積み木など色んなものに汎用して楽しめるので覚えておくとよいです。
また、お手玉を転がしている時に子どもの眼球を見てみて下さい。きちんと目が動いているでしょうか?
年齢によっては首を動かしてみる子もいると思いますが、眼球だけを動かして見れるようになると大きな成長です。
見る という動作は学習面に大きなキーポイントなります。人は他人の行動を見て、模倣をし自分の経験として体得し学習していきます。
見ることで距離を測ったり、重さを予測したり、硬さを判断したり…数えきれないほどの情報を取り込みます。現代ではスマートフォンやテレビなどの枠組みの中で眼球を動かすことが多く、360度眼球を動かすことが苦手な人もいます。逆に同じ場所をずっと見るというのも苦手な人もいます。
ヴィジョントレーニングというものが徐々に世間に浸透してきますが、このような考えの前からわらべうた遊びでは 見る という動作を大切にしています。
ぜひ、見る という動作を意識しながら子どもたちと遊んでみてください。