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自分で自分にインタビューしてみた その5(女性ライターの生きづらさ編)

自分で自分にインタビューする自作自演企画第5弾。

バックナンバーは以下。

第1回 発達障害編

第2回 フリーライター編

第3回 恋愛編

第4回 在宅仕事編

『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)がベストセラーとなっており、4月17日に新刊『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ解消」ライフハック』(ディスカヴァー21)を上梓するライターの姫野桂さん。

カバー+オビ

昨今、フラワーデモなどのフェミニズム界隈が盛り上がっています。フェミニズム関連の記事も書くことがある姫野さんに、今回は女性の書き手だからこそ受けてきた被害や生きづらさについて聞きます。

―――なぜ今、ここまでフェミニズム運動が盛んになっているのでしょう?

姫野:私もそれが不思議でたまらないんです。東大の入学式での上野千鶴子氏の祝辞も、人間として当たり前のことを理解できない人がこんなにいるのかと驚きました。そして、今さら田嶋陽子氏? と個人的には疑問に思う点が多いのですが、今までフェミニストたちが声を上げ続けてきて時にはからかいのネタになっていた事柄が、ようやく社会で当たり前のこととして声を上げられるように進歩したのだと思います。

―――姫野さんは仕事上、女性であるがために被った被害や違和感はありますか?

姫野:事務職会社員時代はしょっちゅうでした。まず、取引先の人が来たら女性社員がお茶を煎れないといけない。電話を取るのもほとんどが女性です。(一人だけ積極的に電話を取ってくれる男性社員がいましたが)これって、窓口が女性だとハードルが下がるってことですよね? と同時に舐められてんのかな? とも思ってしまいます。お取引先の方からの電話なんてタメ口だったこともあるし、理不尽なことで電話越しに怒鳴られたこともあります。(離職率が高い会社だったので、辞めた知らない社員に取り次ぐよう言われ、誰だっけ……? と戸惑っていたら『お前は社員の名前も知らないのか!』と怒鳴られた)

―――ライターの仕事を始めてからはどうでしたか?

姫野:ライターは男女関係なく実力の世界なのでありがたかったです。でも、人によって違いますね。とある男性編集者とランチミーティングをした際「女性だからオムライスがいいよね?」とオムライス店に連れて行かれたこともあります。別に全然オムライスでも構わないのですが、女性だからオムライスという思考はおかしいなと思いました。

 他にも取引先の人からセクハラもされました。それは後ほど、その会社の別の方がものすごい勢いで謝罪してくださいました。人によってセクハラやジェンダーの意識の差が激しいとは思います。

 それと、アダルトを扱う現場ほどセクハラ対策が万全です。ヌードの撮影現場に立ち会ったこともありますが、カメラマンさんは一切モデルさんに手を触れずにポーズの指示を出します。エロい写真を撮っているはずなのに、現場では「仕事」感しかなく、あわよくば感を醸し出す編集さんやカメラマンさんに出会ったことがありません。そして、モデルさんにはとても気を遣います。一方で、非アダルトのちょっとオシャレなメディアの方がセクハラが起こりやすい傾向にあると感じています。

―――そうなんですね。アダルト現場のほうがセクハラがないとは意外です。

姫野:現場よりも、TwitterなどのSNSでのリプやDMに参っている女性の書き手は多いと思います。突然男性器の画像が送られてきたり、所謂クソバイス(アドバイスに見せかけたクソみたいな上から目線の意見)をされている女性の書き手はたくさんいます。私もしょっちゅう「個人的に会いたい」という内容のDMが来ます。応援していただけるのは非常に嬉しいのですが、こちらはビジネスとして顔出しをしてライターをしています。仕事とは関係ない、どこの誰だかも分からない男性に会うメリットを1mmも感じません。

 繰り返しますが、本を買ってくださったり記事を読んでくださったりDMやファンレターなどで応援していただけるのは嬉しいです。でも、自分の欲をそのままぶつけられるとこちらも対応に困るので、そこはご理解のほどよろしくお願いいたします。

―――少しゲスな質問になりますが、枕営業って存在するんですか?

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