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自分で自分にインタビューしてみた その1(発達障害編)

先日、作家さんや出版関連の人がみちっと集まる会にご招待されて、某直木賞作家さんも来られるとのことでヘイヘイ! と参加してまいりました。

その際、その場にいた編集さんに、以前某媒体に自分が対談した対談記事を自分で書いたと言ったら驚かれました。(通常、客観的な対談記事を書くためにライターさんを立てます。でも当時金欠で原稿料が欲しくて特別に書かせていただいたんです)

今、連載が1つしかなくて暇なので、自分で自分にインタビューしてみたシリーズのnoteを定期的に更新していこうと思います。

記念すべき第1回は発達障害についてです。

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『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)がベストセラーとなっており、来月新刊『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ解消」ライフハック(ディスカヴァー21)を上梓するライターの姫野桂さん。なぜ発達障害について取材をするようになったのか、新刊はどんな内容なのかうかがいました。

―――姫野さんは2018年に発達障害当事者のルポをまとめた『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)で出版デビューされていますよね。発達障害をテーマにしたのはどういった経緯があったのでしょうか?

姫野桂さん(以下、姫野):たまたまです。それまでも広く社会問題について取材していましたが、特にメインを絞っていたわけではなかったんです。そんなとき、とあるパーティーで東洋経済オンラインの編集の方に出会い、執筆のご依頼をいただきました。それで、打ち合わせ時に「私、生きづらいんです。発達障害なのかもしれないと疑うことがあります」と話したところ、「それでは発達障害当事者のルポ連載をやりましょう」と、トントン拍子に話が進みました。

 1本目の記事から反響があり、1本目公開時にイースト・プレスさんから出版のオファーがきました。そこからは書籍化に向けていろんなタイプの当事者を取材していきました。当時、記事をアップするごとに「私のことも取材してください」といった内容のメールが大量に届き、それをさばくのに半日かかるほどでした。それだけ、発達障害や自分の生きづらさについて発信したい方が多いのだと思います。未だに取材してくださいと連絡がきますが、現在は受け付けていません。時が来たら私の方から関係者経由でアポを取り、取材しようと思います。

―――ご著書にも書かれていますが、姫野さん自身も発達障害当事者なんですよね?

姫野:はい。私は算数LDが一番強く、次に不注意優勢型ADHD、ASDは傾向がある程度です。でも先日、もしかしたら多動も入っているのかも? という出来事がありました。障害者の就労支援を行っている株式会社LITALICOさんの取材で動画撮影があり(前編後編)、撮影時、あまりにも私の身振り手振りがひどくてピンマイクが雑音を拾ってしまって注意されたんです。また、実際の動画を観たところ、想像以上に多動がひどくて(笑)。

 これは母から聞いたのですが、小学校に上がる前くらいまで、私は多動が激しく、常に走り回っていて目を離せなかったそうです。そう思うと、多動も未だに少し抜けていない部分があるのかもしれません。。

―――「発達障害の記事なら姫野さん」というイメージがついているように思います。

姫野:そうなんです。それがある種悩みでもあります。でも、発達障害のジャンルを手放すわけではなく、生きづらさの中で別のテーマにも挑戦したく、デイリー新潮さんで「普通の女子になれなかった私へ」という連載を1年ほど書かせていただきました。都合により最終回がまだ公開されていないのですが……。今後はもっと多方面からの生きづらさについて書いていきたいです。

―――例えばどんなテーマでしょうか?

姫野:今、気になっているテーマはルッキズムと男性学です。これに関しては今後何か展開が予想されますので、まだ秘密にしておきます。

―――それでは最後に、新刊についてうかがいたいです。

姫野:Amazonでは既に予約が開始されているのですが、4月17日に『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ解消」ライフハック』(ディスカヴァー21)を刊行します。これは、発達障害傾向のある当事者126名にアンケートを取り、生きやすくなるための小さな工夫を集めた本です。仕事編・日常生活編・人間関係編・体調管理編とジャンルごとに分かれており、合間にコラムも挟んでいます。また、漫画やイラストでのわかりやすい解説も、カマンベール☆はる坊さんに描いていただきました。文字も少なめなので、活字が苦手な方でも手にとりやすいと思います。

 発達障害のライフハック本は主に、精神科医やカウンセラー、個人の当事者のものが多い傾向にありましたが、今回の本には大勢の当事者の生のライフハックが詰まっています。人によって合うハックとそうでないハックがあるので、ぜひ参考にしてもらいたいです。


取材・文/姫野桂



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