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卒業研究レポート1 〜情報が取捨選択できる演劇メディア〜

私は都内女子大学のデザイン科の4年生です。
4年と言えば卒業研究。
私も、一年間卒業研究に立ち向かうことになりました。


テーマは「演劇のネタバレ

かつてから思っていた、演劇のネタバレライン。
私は知りたいと思っても、その情報は載っていなかったり、
他の人はネタバレを嫌がっていたり。

この情報が欲しいのは私だけなのかなぁと思って、
劇団Яeality団員の深水宙さんと、2回客演してくれた橋本翼くんにお話を聞きました。

同時に、Twitterでアンケートを取りました。
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!!!
(ゼミでプレゼンした時点で151名の方から回答を頂けました。Twitterの拡散力恐るべし)


演劇を観るきっかけって何ですか?


深水と橋本と話した時も、
「この役者さんのこの役を観たい」
「前に観た団体に出演していた役者が面白かったから追っかけようと思った」

という意見が出ました。

アンケートを見ても、好きな役者が出演するからが88.1%と圧倒的一位です。
現在の小劇場の制度でも、チケットノルマが役者に課されていることも多いと思うのですが、
ある意味理にかなった制度なのかな?と思いました。

これもダントツ、「好きな役者が出演するから」という理由でした。

役者が団体を繋いでいるというのは肌感覚でわかっていたのですが、
やっぱり役者がお客様を様々な団体に繋げているんだな、と。


このアンケートを観ても、出演者によって観劇を決める人が92.7%!!!
出演者によって動員が変わるのは何でも同じですね。


「演劇を観る」ということは、どんな欲求を満たすものなのだろう

ここで一つ疑問に思ったのは
「演劇を観るということは、一体どんなものを求めて観に行くのだろう」
ということです。

物語を体感しに行く、というのが大きなものだと思うのですが、
それと同じかそれ以上に、役者を観に行くというのがあるのでは?と、このアンケートで感じました。

お前役者にファンがついてるのは当然だろう、というツッコミはくると思うし、私も劇団を運営する上で役者にチケットを売ってもらっていたので、そりゃそうだよな、と。

けれど、予想以上に、役者を観に行く人が多い。

確かに音楽ライブは
「音楽が好きなのは前提でアーティストを観に行く」
と言っても過言ではないのかな。

演劇に置き換えると
演劇が好きなのは前提で役者を観に行く
ということなのかしら。

演劇が好きな理由は、またアンケートを取らなきゃいけないと思うのですが
おそらく目の前で動く物語とか、非日常感とかじゃないかな、と推測します。


そんな演劇を観に行く時、一体事前にどんな情報が欲しいのか


人によって知りたいことが全く違う……?

知りたいもののダントツが、「関係者が物語のテーマについて発信する」なのですが、

これが知りたくない人もいるです。

これは私が常々考えていたのですが、
人によって知りたい情報と知りたくない情報って全然違うよね、ということ。

私は、物語の内容の話を役者や脚本家が発信していたら読むし、面白そうと思えれば観に行くハードルが下がります。

多くの人が役者を観に行っているという結果が出ているので、
役者が作品についての発信をしていれば、その役者を知らない人が、その人を目当てに観に行くようになる……?

ここで個人的な注意なのですが、
「役者は板の上にいるからいい!それ以外は観たくない!」
というタイプの人もいるかと思います。

その人は、今回メインターゲットではないな、と思うのですが、
その人たちに情報が行かないようにしないとな、というのも同時に思います。

知りたい情報と知りたくない情報は人それぞれ。
その辺を取捨選択できるようにすれば、自分の知りたい情報だけ取り出せるような情報メディアができるな、と思いました。


そのほか、深水と橋本との話で出た話題

以上のアンケートは、深水と橋本と話していた中の話題から作成したものです。
ここから、少し脱線しますが、三人で話し合ったものを少しだけご紹介します。

・ネタバレについて
「会場に入った瞬間の楽しみが大道具。それを事前に知るのは嫌だ」
「ゲネ写真は観劇前に観たくない。公演後に販売はOK」
「私服の稽古写真はいいけど、衣装をつけての写真は嫌だ」
「特殊演出、興味はある」

・舞台との相性
「キャラ紹介は自分に合うかわかるから良い」
「フライヤーイメージは本当に大切」
「あらすじを読んで決めることも多い」

という感じでした。
たった二人の意見ですか、それでも結構意見分かれたりして面白かったです。


これからの卒業研究の展開

私は「情報を取捨選択できる情報メディア」というものがあれば良いなぁと思いました。
知りたいこと知りたくないことが人によって違うのだから、ちゃんと自己防衛?できる情報メディア。

役者や演出、脚本が、今ならばネタバレと呼ばれてしまうものを取り上げたメディアを作ってみたいな、と思っています。

しかし!私の学科はどの学生もアプリ作ったり映像作ったりデジタルなものをやってしまうので、せっかく演劇がテーマなのだからもっと泥臭いことやれば?と教授に言われました。

確かに、演劇とメディアの相性はとても悪いと感じています。

ここをどう乗り越えるかが、次の課題です。

いただいたお金は!!!全て舞台裏のためのお金にします!!!!殺人鬼もびっくり☆真っ赤っかな帳簿からの脱却を目指して……!!!