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劇場を投資対象として考えてみた

演劇公演の収入見込みに上限があるが故にお金も時間もかけられないという趣旨のツイートを見つけて。
キャパシティの上限がある以上、チケット収入も天井があるわけで、本当に構造の問題よなと思っている。
(中略)
演劇はどうしてもランニングコストが人的資本に依存しているからITのようにはいかないだろうけれど、逆に言えばM&Aみたいな売り買いのスキームができればちょっとは変わるのかなって思うのよね。
(中略)
株主売上配当みたいなのもいいよね。ブロードウェイなんかこれだった気がするけど、株を買う(出資)して当たれば配当金が来て出資者が儲かる的な。 人気が出そうな劇団に出資すれば儲かる可能性があるという土壌を作れれば人は集まってくるとは思う。
ただ、出資者には経営に付いて意見を表明する権利があるので、創作第一とは相性が悪いよなぁとは思う。
海外では事例あるだろうし、できなくはないと思うんだよな、うん。断崖絶壁無傷で飛び降りるくらい難しいと思うけど。

https://twitter.com/himeno_reality/status/1754815663322112126

上記は私がX(Twitter)に投稿したポストです。
ブロードウェイ的なシステムが日本にできないかなぁということは前々から薄ぼんやり考えていたのですが、いっちょ調べてみるか!と思いアウトプットしてみました。

最初に注意ですが、完全な夢物語だと思っています。
日本の芸術に対する意識(民間も官公庁も)は海外に比べて高くないですし、下に書くようなことができるならもうやっているところあると思う。

ただ、もし私が書くことで誰かがブラッシュアップしてくれたり、どこぞのお金持ちが現れて実現しないとも限らないので!!笑

ブロードウェイのシステムについて

世界で一番有名な演劇街といえばブロードウェイでしょう。
ここはもちろん行政の手が入っているけれど、ある種の投資対象として演劇公演がなされています。
簡単にですが、ブロードウェイで公演を行うためにどんな手順が必要なのかまとめました。
参考文献:ブロードウェイ作品における成功要因分析 : トニー賞の効果及び受賞要因について

企画・立案

ブロードウェイでは、すべてプロデューサーを中心に回っています。
まず初めに、プロデューサーと脚本家など核になるメンバーが公演の企画立案を行います。版権ものをやるときはその交渉とかもここに入るかと。
どんな作品を上演するのか決めるって感じです。

資金調達

ここは日本にあんまりないですよね!
昔は「バッカーズ・オーディション」と呼ばれる投資家にセリフを見せたりするプレゼン大会のようなものがあったそうです。今は事業者があって小口で買うのが主流だそう。この投資家はエンジェルと呼ばれています。日本にもいらっしゃいますよね、エンジェル投資家。
現在でも個人で投資するのは珍しく、配給会社とかが投資するそう。お目当ては映画とかビデオの版権。なるほど!成功すれば「ブロードウェイ作品」で箔がつくから動員見込めますしね。
こうして出資されたのは、利益から最優先に回収されるみたいです。回収し切ったら上乗せがある!

制作・キャスティング・稽古

ここから舞台を作っていきます。
資金調達はブロードウェイ公演までの費用と劇場費・広告宣伝費だそう。

トライアウト

これも日本にはない文化です。
ブロードウェイで公演する前に「本当にこれでいけんのか!?」というのを観客の前で披露し反応を見ながら修正します。トライアウトとブロードウェイ初日ではセリフや楽曲が全然違うなんてこともあるそう。観客や批評家の反応からブラッシュアップするイメージですね。
最初に地方の劇場、次にもっと大きい劇場など回数を重ねることも。

ブロードウェイ準備

ブロードウェイ行けるぞ!となった場合、改めて大規模なキャストオーディションやスタッフの見直し、さらなる演目の修正を行います。ここでキャスト変わるんか!と思いますがそれだけブロードウェイが特別な場所ってことですよね。
ここでマーケティングに本腰が入ります。

ブロードウェイでのプレビュー公演

今度はブロードウェイで公演を行います。ただ、初日の前のプレビュー公演と呼ばれるもので、トライアウト同様に修正がガンガン入ります。本場での観客の反応に応じてなんでしょうね。すごい。

初日!

ここまでを乗り越えて、ようやく初日です。
すごいよぉ……本当に。

ロングランシステムについて

ロングランシステムとは、あらかじめの公演期間を決めずに損益分岐点を下回ったら公演を終了するというもの。
おおよそ60〜70%の観客を常に動員できなければ終了、というシビアさ。
中には初日で閉幕なんてこともあるそう。厳しい世界。

初期費用の回収には3年ほどかかるのが一般的で、そこまで続けば超ロングラン。初期費用を回収できるのはほんの一握りだそうですが、ヒットすればとんでもないうまみが手に入ります。

日本でブロードウェイのようなシステムを作るにはどうしたら良いか

正直、大々的な行政の介入や配給会社などからの投資は日本では難しいと思います。

日本ってそんなに演劇に親しい文化ないし、年に1度も観ないって人が大多数だと思うんです。
演劇だけの価値で人を動かすのは難しい。これが実情だと思います。

桟敷席について

桟敷席とは、超簡単に言ってしまえばBOX席です。
日本だと歌舞伎に、ヨーロッパも貴族席のようにBOX席が設けられています。

ヨーロッパの場合、貴族や王族が平民と同じ高さに座るわけにも行かないというのと、音響が整っていない時代に音が一番綺麗に聞こえるのは高い席だったからというのが大きな理由です。

また、BOX席なので上演中もある程度自由に会話ができたり、食事やお酒を楽しみながら親交を深めるという側面もあったそう。
警備的な意味でも、庶民と同じ出入り口ではなく専用の出入り口が使えるというのが利点だと思います。

日本に残る接待文化

日本に残るとか言ってますが海外にも普通にあると思います。

接待で料亭に行く、というのは最近ないのかもしれませんが、やっぱりコミュニケーションの場として残っていると思います。

接待はおおよその場合一定額までなら経費に計上できます。これ超大事。

共通の話題

娯楽が発展し、ネットやSNSがパーソナライズされるようになって久しいです。
個人で楽しむ分には問題ないのですが、「同じものを見て共有する」という体験が特にスマホが普及する前に比べて難しくなっていると感じます。

最近だとアマプラやNetflixで映画などを見てというのはあり得ると思うのですが、「みんなが見てるから……」とあまり興味がないものを一人で見ると虚無になりませんか?私はなります。

「これが流行り!」というのがわからない分、共通の話題を探すのが難しくなっていると思います。

中間まとめ

・ブロードウェイは出資者から資金を集めて公演を行なっている
・桟敷席はコミュニケーションが取れる
・接待文化がある
・共通の話題がない

多くの方はここまでまとめると私が何を言おうとしているのかお分かりかと思います。

そう、全部混ぜるんです。

ここからは妄想です

さぁ!夢を見るだけなら自由です!!妄想タイム!!!

登場人物

劇場運営法人
文字通り劇場を運営する法人です。株式会社です。
ここの役割は
・株を発行して出資者に売る
・公演を運営する
です。
未上場企業の株式売買とかいう難しいことは妄想なので全部おいておきます。

劇団
劇を作る団体です。
劇を作ります。

株主
劇場運営法人から株を買って出資する人です。
パトロンではなく、利益を求めてやってきます。

観客
劇を観にくるお客様です。

劇場を作ります

初っ端からアホですみません。
まず劇場を作ります。このシステムで動かせる劇場です。
ざっと計算しました。坪単価100万円で800坪、8億円です。妄想だからいいのっ!

公演を作るまで

ここはブロードウェイを参考にします。
ブロードウェイでは配給権などを目当てに出資しますが、日本では現実的ではないです。この妄想自体現実的じゃないんだけど。

株を売る劇場運営法人が出資を募ります。
お金を集めて演目を作る準備をします。

株主は利益を求めてくるので、当然売れる演劇を求めます。
そこでコンテストの開催です。
ここで、劇場で公演する演劇を決定します。
一つじゃないです。いくつか選出できるとベター。
なぜって?損益分岐点を超えたら演目を交代するから。
ブロードウェイ方式ですね。

公演稽古

選出された劇団は、公演稽古に入ります。
トライアウトもできると最高、プレビュー公演は絶対やりたい。
ブロードウェイ丸パクリです、ええ。

幕開け

損益分岐点を超えない限り、公演を続けます。
超えたら次の作品に切り替わります。
舞台と道具が共通にできれば2本並行公演とかできるんだけどな、その方が劇場稼働が減るリスクが取れるからいいなぁなんて思ったり。

チケット代金について

大体キャパ160席で考えて
S席:12000円 40席
A席:5000円 80席
B席:3000円 40席
くらいの値段だと思います。
一般的ですね。よく見るよこういうの。

ここで桟敷席の登場です。

日本には観劇文化がないことから、純粋に芝居が観たい人だけに頼っていると利益が出ません。そう言う意味では劇団四季超すごい。本当に劇団員抱えて公演走り続けてるのは天才だ。

そこで、接待と共通言語を得るための桟敷席という考え方です。
桟敷S席:10万円 各桟敷定員6人 5席
桟敷A席:5万円 各桟敷定員4人 10席
バカ高いな!?と思うかもしれませんが、接待費として考えると、桟敷Sで16000円/人、桟敷Aで12500円/人です。2万のコースくらいありそうじゃない?桟敷Aに関してはS席とあまり変わりません。バグ?
飲食しながら舞台を見れます。

昨今、共通言語がないという話に触れました。
お金持ってる社長さんとかが「とりあえず1回この演目見とけば話せはするし、接待として連れて行って仕事の話しながら舞台の観ればなんとなくいい雰囲気になる」という共通認識を持ってくれれば勝ちです。休み使って何本も映画みるよりコスパいいと思う。どうやってそう思ってもらうかはこれから考えます。
あとは「ここにいけば誰かと知り合える」みたいなVIPラウンジがあれば完璧。

芸術って昔からある種のステータス的なところあるし、AIが発達している中で芸術に触れるのって大事な気もするから。

超大事・配当金

このnoteを書くために作ったエクセル

ここまでのお金をまとめてみます。

【支出】
劇場代:8億円(20年ローン、年間4000万円)
俳優代:30万円/人月×30人=900万円
スタッフ代:35万円/人月×30人=1050万円
設備費:15万円
雑費:15万円
(全然足りない気がする)

【収入】
桟敷S:10万円×1席×2ステージ×20日=400万円
桟敷A:5万円×2席×2ステージ×20日=400万円
S席:12000円×20席×2ステージ×20日=960万円
A席:5000円×20席×2ステージ×20日=400万円
B席:3000円×20席×2ステージ×20日=240万円

年間売上:1040万円
配当該当金額:312万円(30%)
発行株数:2000株
株価:30000円/株
配当金額:1560円/株
利回り:5.2%

株ってこういう考え方で合ってるのかなぁ……
利回り5%なら結構いい感じなんじゃない?と思います。よくわかんないけど。

因みに1年間全部満席御礼になると利回り100%超えます。こわ。
収入のチケットも、半分以下しか入らない計算で作りました。ここだけは現実的。ほんとか????

いろんな文化を丸パクリ!でもできたら革命が起こる気がする

5000字近い長文note妄想にお付き合いいただきありがとうございます・
私が考えだしたことはこのnoteには一才ありません。全部何処かから取ってきています。

けれど、もし演劇を投資対象にできたなら、そして付加価値をつけて高価格で販売できたなら、きっと演劇を取り巻く状況は大きく変わると思うのです。

あくまでも妄想なんで!!!間違ってたらすまん!!!!!

因みにアイキャッチの画像は私が書きました。
絵心は母のお腹の中に忘れてきました。

いただいたお金は!!!全て舞台裏のためのお金にします!!!!殺人鬼もびっくり☆真っ赤っかな帳簿からの脱却を目指して……!!!