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塾生のための面談ー実は、考え方を逆輸入したという話

私は、仕事柄、面談をよくする。

あらま、昨日とは全く分野の違うお話。

自分でも、時折どの自分と付き合ってるのか、わからないけど、自分の中で、どうも折り合いをつけているらしい。

とは言え、私が教室を開いたのは、家庭生活と無縁ではないし、実は、お料理なんか、とっても関係があるので、私の中に矛盾は全くないのだけれど。

不思議なお話があった。

私が勤めていた学校絡みの本を、ご自分のお子様のために購入されて、私に持って来てくださったのである。私の教師としての出発点になる考え方を、桑田真澄さんがわかりやすく書かれた本だった。

私は、教師として、その学校でスタートさせていただいたことが、私の人生を豊かにしてくれた、と信じている。

ケアレスミスのなくし方、効率的な勉強法、子育ての仕方、子どもの意志の育て方、果ては仕事の仕方まで、本当にいろいろ学ばせてもらった。

教師として、いきなり生徒に注意するのではなく、まずは気持ちを聞き、気持ちに添ってから、こちらの話をする。生徒から学ぶ気持ちをもたなければ、絶対指導は入らない。

それは、いろいろな人間関係にも応用できた。もちろん、拒否してしまわなかった人間関係がなかったとは思わない。でも、とにかく、自分とは違う価値観の人や全く違う環境で生きてこられた人の話をとにかく聞いてみようと思えた。

それより何より、自分の子どもたちの気持ちを聞くことに必死になれた。一瞬一瞬の子どもの気持ち・・・。子どもの意志を育てるには、まずきちんと子どもの気持ちを受け止めなければいけない。

若い娘が、教えてもらうには、なんと贅沢な内容で、なんと恵まれた環境であったことだろう?しかもバンカラな学校育ちの、およそ女性らしさより、いかに男性の中で、いかに同じように働き得るか?としか考えていなかった自分が、求めずして、教育だけではなく、子育てについてまで考えさせられた。

しかも、哲学と医学の両方を学び、ベルグソンの話を引用して、あれこれ心の問題や生き方を教えてくださる方もいらした。

今考えても、あまりに贅沢だった。

ついでに短歌も、いつの間にか教わっていた。

たった三年。

でも、今思い出しても、なんと色鮮やかな日々であったことだろう?

そんな日々を思い出させていただくように貸していただいた本。

おかしな話で、私の教育的原点について書かれた本が、あちらから、やって来てくれた感じ。まるで本に足が生えて、歩いて来てくれたみたい。

親御さんに感謝しつつ、次のお話、「黒い出目金と気持ちに気付いた話」に続きます。

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