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食卓にトリュフパン。穏やかで幸せな月曜日のはじまり。


香ばしくて、芳しい香り。

吸い込むとそこには、青空の下、オペラ通りをバゲットを小脇に抱えて早足で横切る、パリジェンヌがいる。

実際は、有楽町駅からメトロに乗り換える私だ。なぜ、こんなときめきを覚えられるのか。
それはトリュフパンを片手に歩いているから。

トリュフは非日常なのか

トリュフの香りにやみつきになるには、それなりの時間を要した。

フレンチ料理屋さんで食べたトリュフリゾット。シェフが仕上げに目の前でトリュフを削ってくれる、至福のとき。
これはこれで美味なのだが、特別な時に食べる非日常の味に近い。

そんな私が、トリュフを身近な幸せとして取り込めるようにしてくれたのが、Truffle BAKERYのトリュフパン。

最大限に楽しみたいが余り、口にする度に大きく息を吸い込んで、その香りで身体をいっぱいにして、同時に、口にじゅわっとした感覚を楽しんでしまう。

あー、美味しい。

一人でつぶやく。

運命の巡り合わせ

この日は有楽町で乗り換えなくてもよかった。
たまたま降りて改札をでると、例の芳しい香りが。

「え、ここにお店あったんだ」

午前中、往路で見つけてしまった。
これから人にも会うし帰るのは夕方、今買っても食べられるのはだいぶ先だ。
明日にお預けになるかもしれない。

いや、でも帰りに有楽町は通らない。
偶然見つけといて買わなかったら、家に帰ってから後悔する。
これは運命だ、今しかない。

頭の中でのやりとりが終わるとすぐさま折り返し、引き寄せられるように店内へ。

店を出るとそこは

大好きなトリュフパンを買って店を後に。
曇天の有楽町で、私は一人、パリジェンヌに変身していた。

ただ、トリュフパンの袋を片手に握りしめ、幸福の香りを身に纏いながら。

※ホームページで名前を確認したところ、白トリュフの塩パンでした。
私の勝手にネーミングした愛称ということで、どうかご了承ください。

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