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新卒で客先常駐のエンジニアをしていた当時辛かったこと

「SESは辛い」「客先常駐はブラック」

そんなワードが世の中に浸透されてきていて、新卒から2年間客先常駐を経験してきた自分としてはまあ間違ってはないけど、ちょっと極端というか、すこし大袈裟に発信されているところに少し戸惑いを感じる。それは見せ方というか、SNS的にもそういうほうがバズりやすいというのがあるのかもしれない。

客先常駐といっても、働き方だけで見ればフリーランスとして企業ニ属して働くことと大して変わらない(契約上の違いはさておき)。

たしかに客先常駐として働くことを人におすすめしたいかといえばそうではない。

ただ、合う合わないは正直人による。結局のところ、客先常駐が合わない人はスキルがなかったり、働く環境があまりよろしくなかったりするからだと思う。結局それは自己責任であって、その吐口を客先常駐に向けることは少しお門違いにも最近感じる。

とは言いつつも2年間の私の客先常駐のエンジニア経験は辛いこともあったので、今更というかこうしてその環境から離れた今だからこそ少し振り返ってみたいと思う。


当時辛かったこと

①プロパーと派遣という格差
②業務は運用作業が中心
③自分の業務の全体像が分かりづらい
④社内の繋がりが作りづらい

①プロパーと派遣という格差

客先常駐は雇用形態としては委任もしくは派遣契約として常駐することが多い。

当然常駐先にはそこの正社員がいてよくプロパーといったりする。逆に客先常駐している人をBP(business partner)と言ったりする。

私はBPという言葉が嫌いだった。BPさんと言われたことはないけれど、なんか同じ人間なのに格差があるようで劣等感を感じていてとても惨めになった。

実際プロパーのほうが色々と優遇されているし、それは常駐先においてBPがプロパーと同等であることの方が難しい。

それは仕方ないにしろ、BPとしての選択をしてしまったことを新卒1〜2年目はだいぶ後悔した。

ただ、その劣等感があったからこそ反骨心が芽生えて、スキルアップのために頑張ったりして今の自分があると思うと、結果的にはその経験はやって良かったとも思う(二度とやりたくはないけど)。

②運用作業が中心の業務
これは常駐先の仕事内容によるので一概には言えないけど、基本派遣がやる仕事はプロパーの仕事のサポートだ。

悪い言い方をすれば、プロパーにとってやる価値が低いもの、要は雑務とか運用とかそういったものを派遣がやること。

それによって、プロパーの生産性を上げることが常駐社員の使命だと思った。

なので、プロパーと同じ土俵で、同じ権限で仕事をすることは難しい。よほどスキルがあって信頼されていれば別だが、そうでなければ重要な仕事をプロパーがやることは仕事当然であって、常駐社員がそこを担うことは現実問題難しい。

③自分の業務の全体像が分かりづらい

客先常駐の仕事は②で述べたようにプロパーのサポートが中心。その会社でどういった事業で行っていて、今所属する部署がどういう役割を担っていて、プロパーの社員はどんな業務を担当していて・・・といった部分はあまり説明されないまま常駐社員はその業務のサポートをしている。

もちろん説明してもらえるところはあるかもしれない。ただ、常駐社員が行う仕事はそんな説明をしなくても仕事自体はできる。プロパーも忙しいのでなかなか説明する時間も取れない。

そうやって、ポイントポイントで与えられた仕事をこなしながら仕事を行うのが常駐社員の仕事のスタイルだと思う。

自分はそれは雑に扱われている感じで好きではなかった。もっと背景とか、その課題とか、目的意識とかを持って仕事をしたいと思った。なので、今常駐社員の方と仕事をする際には必ずその仕事の背景や目的、意図は説明するようにしている。

④社内の繋がりが作りづらい

ここでいう社内は常駐先ではない。雇用されている会社のことを指す。私の会社はいわゆるSESの人材ビジネスを事業としており、人を派遣して売り上げを上げている会社だった。

管理部門や営業は除いて、常駐されるエンジニア社員はいろんな会社に派遣されていた。新卒で入った同期15人もみんな違う会社に派遣された。

どんな人がいるのかとか正直興味はなかった。ただ、会社が設定した定期的に集まる場にいくと、誰が誰だかわからないから行きたくはなかった。人見知りの自分にとってこれほど辛いものはない。

まあ当時はそれが普通だしなんとも思わなかったけど、今思うと同じ会社で現場の相談できる人がいない(担当の営業くらい)のはとても孤独だ。

結局は自分次第

客先常駐の事業を行うすべての会社がそうではないと思う。少し突っ込んだ話をすると、個人的に常駐先が大手SIerやそのグループ会社だったりするのはあまりおすすめしない。職場の年齢層が高く、ただ歳を食っただけの偉そうなプロパーに当たりやすいと聞く(実経験ではない)。仕事もスキルが身につきづらい。要はガチャに外れやすい。

逆におすすめなのが自社開発をしているIT企業。いわゆるメガベンチャーとか、SaaSの開発組織。職場の年齢層が低く、教育制度も割としっかりしていたりする。こうした自社開発企業を中心とした現場へ派遣可能なSES企業は意外と少ない。私の知ってる範囲だとラクスパートナーズとか(絶対他の会社もあると思うけど笑)。

まあ客先常駐が嫌ならとっとと今の環境から抜け出せばいい。すべては自分が選択次第。結局ね。

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