2022年記憶に残った外食21/345選
「2023年にもなってなんで2022年のことなんか書いとんねん、いつまで過去に生きとんのや」と言われそうですが総括させてください。去年も同じような記事を書いたので2022年も書こうと思う。去年の記事は以下。
去年はまだ行ったことない新しい店に216店行っていたようだが今年は数えてみたら345軒行っていて、大目に見れば1日に1軒は新店を開拓したと言ってもいいでしょう。というわけでその中でも記憶に残っている店(店じゃないのもあるが)を振り返ってみようと思う。21って多いよな、多いよね。でも3回これ書き直して絞ったりしたんだけどめんどくさくなったんでもう全部載せます。
わけのわからないラーメン
代々木上原にある「Japanese Soba Noodles 蔦」は世界で初めてミシュランをとったラーメンとしてあまりにも有名。2300円ぐらい。もはやラーメンの概念を超えていた。別添えのトッピングがもはやフレンチの一品料理なんじゃないかというくらいオシャレ。色々乗っているのだが一口目にスープを飲むとしっかりと醤油が美味しい。そこから上に乗っているイタリアとかフレンチっぽいあれやこれやを溶かすともうわけが分からない。衝撃。久しぶりに食べログを見に行ったら掲載保留となっていたので何かあったのかと思って調べたら、オーナーシェフだった大西さんが急性心不全のため43歳の若さで亡くなられていた。ご冥福をお祈りします。
名実ともに日本一のカレー
平日の夜でも1時間半ぐらい並んだ荻窪の「トマト」。注文したのはビーフタンカレー。3200円。正直欧風カレーとかどれも変わらないっしょと思っていたが一口食べた瞬間に勝利を確信。計算されたスパイスの向こうにある深淵に引きずり込まれる。お前がカレーを覗いている時、カレーもまたお前を覗いているのだ。1時間以上待って3200円払う、それ以上の価値がある。
バーグというより肉
今年食ったバーグ(ハンバーグ)で一番うまかった「レストラン大宮」。浅草は言わずと知れた洋食の激戦区だがその中でも有名な一店。最近は静岡の「さわやか」みたいな俵形や、3つの小バーグを出してそれぞれ違う味で食べ比べるものが流行ってるが、これはモロに肉。もう肉食ってるなあって感じがする。ミンチというよりは肉。ハンバーグというよりはハンバーグステーキ。肉の有名人こと寺門ジモンさんによると、一度も手で触れずに作ってるらしい。どういうこと?
病的にしょっぱい
四谷の超有名店「一条流がんこ総本家」にずっと行きたかったのだが、その行列のヤバさゆえに行けてなかった。しかし直系に近い分店が立川のラーメンフードコートみたいなとこにあるらしく行った。行列なしであの味が。「悪魔」という名のラーメン。お値段1250円。聞いてた通り超しょっぱい。ちょっと脳にまでしょっぱさが届いて汗出るくらいしょっぱい。でもその向こう側に行くと、延々とスープを飲む沼に入り込んでしまう。
疲労中の弁当
もはや店ではない。屋久島の縄文杉を見に行った時に道中で食べた弁当。泊まった民宿の人が朝4時の出発に合わせて作っていてくれたもの。屋久島に24時間営業のコンビニなどない。靴擦れで足を血まみれにして歩き、もう引き返そうかと思っていた時に食った。なんでもないような弁当が、幸せだったと思う。こんな木に見守られて飯を食ったことはない。この味を知るは森の精、もののけたちだけ。
親父と初めての外食デート
地元に帰った時に友達に教えてもらったラーメン屋。母校の目の前に新たにできてた。何気に父親と2人きりで外食したのはこれが初めてかもしれない。最初母ちゃんも来る予定だったが仕事が長引いて来れなかった。同級生の恋を応援するようにわざと2人きりにさせたのかもしれない。店の前に灰皿があったとしてもタバコ吸ってる奴は嫌いなんだが、なぜか父親だと普通に許せたから不思議だ。店員のおばちゃんが「○○さん?お久しぶりです〜!」と父親に話しかけてきたが、前に夜の店で働いていた俺の同級生の母親だった。父親のかつてのナイトライフが判明し、俺はどういう顔をしていいかわからなくなった。俺の方は可愛い小学生の頃から激変して髭面の過激派になっていたので気づかれなかったと思われる。
インド政府へ
ビリヤニの量をインド政府は公式に制定すべきだと確信に至った日。新橋の「カーン・ケバブ・ビリヤニ」。インドの炊き込みご飯ことビリヤニが好きで何度か食べてきたが、やはり量が多い(もちろんありがたいが)。しかもどの店も。割と食べる方のデブだと自負しているが、それでも多い(もちろんありがたいが)。多分3人前ぐらいが通常時である。あとたまに入っているスパイスの木片みたいな固いやつ、食べていいかわからん。あと玉ねぎ、生すぎてどのタイミングで食べていいかわからん。インド政府、頼む!
銀座のバー、家でも再現可か
今年唯一行ったちゃんとしたバーかもしれない銀座の「ロックフィッシュ」と「サンボア」。銀座でハイボールと言えばの双頭。もちろん美味しかったが、もしかしたら家でもかなり店の味に近づくことは可能だと思わされた。一緒に行った先輩いわく「ロックフィッシュ」は角瓶を使っていたし、冷凍庫でグラスを冷やすとか、氷を入れないとか、そこら辺の行程をちゃんと踏めば1杯1000円の味をご家庭でも楽しめるかも。実際我が家の氷なし知多ソーダ割りは全然美味しい。世はDIYの時代。ちなみに「サンボア」はかまいたちの濱家さんがハイボールがうますぎて泥酔した店として知った。カジュアルだがオーセンティックでもあるので、ニット帽被った先輩は脱帽するよう注意されていた。ワロタ。
伊勢うどんかお前
2021年に大阪の本店に行ったことある代官山の「人類みな麺類」。大阪では一番人気らしい貝出汁の「macro」を食べたが、今回は真っ黒な「micro」を発注。これがまあ良かった。おいおいお前伊勢うどんか!って叫びそうになった。バチバチに醤油がキマっているスープ。ガチの醤油ラーメンとはこのことなんじゃないかと思わされる。周りを固めるとろとろのチャーシュー、しっかりとした麺も最高にうまい。ちなみにミスチルのライブ音源が店内で大音量で流れている。ハシゴした恵比寿の親鶏ラーメンの「綾川」もめちゃ美味かった。うまいは連鎖する。
見下してきてごめんなさい
勝手に炉端焼きを見下していた。まず焼き魚が好きじゃない。骨あるし。あと焼いてるだけだからBBQと変わらないじゃん。そんな思いを抱きながら入った北海道は釧路の「鱗」。釧路は炉端焼きの発祥地。結論から言うと、炉端焼きはエンタメだった。中央のステージ(焼き台)を観客(酔客)が囲み、自分の推し(注文品)の踊りを注視する。自分の推しがうまそうに焼かれていく様を見るのは楽しい。愛情すら湧いてくる。そして焼きマスター(おばちゃん)によって絶妙な火加減で焼かれた野菜などは美味しい。そもそも北海道の食材はうまいというのに。今まで敬遠していてすいませんでした。
なぜ思いつかなかった?
王位継承するために去年で地元に帰った地元コングロマリット社長の御子息幼なじみ夫婦に招かれた中目黒の「魚魚郎」。屋根裏っぽい半個室で色々頂いたのだが、うなぎの天ぷらは度肝を抜かれた。今まで高い金払って鰻重ばかりバカみたいに食べてきたのに、なぜこれを思いつかなかったんだ。外はサクサク、中はふわふわ。盲点だった。なぜ他の店もこれをやらないんだ。頭抱えた。
All for 日本酒
青森県八戸の居酒屋はレベルが高い。その中でも一番評価が高かった「ばんや」に予約もせず運良く入れた。女将さんが作ったっぽい酒のあては大皿に盛られていて、なんの料理かわからないので指差しで注文した。食ってわかる、これは完全に日本酒のために作られたものだと。これが東北のつまみや。タコの白子という聞いたこともない食べ物もあり、これも日本酒に超合う。
2軒目に行った「禄文銭」の銀鯖の焼き串、そして〆にせんべい汁を飲むと八戸の夜は綺麗に締まった。よく日本酒の受け皿まで注ぐのはあるが、受け皿の受け皿まで注ぐのは初めて見た。これが東北の日本酒愛か(あとめちゃ安い)
のぞみーるも愛した草
青森市の「一っ福」という居酒屋で初めて食べた「ミズのコブ」という食べ物。東北では食べられている山菜らしい。秋田出身ののぞみ〜ること佐々木希さんもインスタで紹介していた。天ぷらで頂いたが、なんというか永遠に食べられる酒のつまみ。こういうの東北は他にも隠し持ってるんだろうなあ。ちなみに魚ももちろんうまい。
日本酒を飲むラーメン屋
京都の木屋町の路地の奥でやっている「大豊ラーメン」。酔客たちが集まる店。俺らも酔客。2軒目兼〆。チャーシューメンを注文。そして日本酒も注文。この周りに咲いているチャーシューの花びらを摘んで日本酒と飲むのだ。最高。気が向いたら麺をすする。ネギもいいアクセント。お花を積み終わったらいよいよ麺も全てかき込み、そして日本酒も喉に放り込み終了。京都の夜の飲み方を知る。
これが京都のやり方か
まず入口に看板がない。そして店名も「名前のないラーメン屋」。困ったものだ。地下に店があり、ドアを開けるとなぜか綺麗な庭園がある。なんやこれ。これが京都のラーメン屋のやり方か。贅の極み。余裕こそが富を表すのよ京都では、はらり。ラーメンはちゃんとうまい。焼かれたモツとネギ。京都のラーメン。だがラーメン屋にいるのかわからなくなる。
おいしい永沢くん
前から行ってみたかった池ノ上の「OTTO」。最初に食べたのが名物のポタージュ。本来はスプーンでちょっとずつ飲むのが正しいんだろうが、うますぎてスプーンを玉ねぎに繰り返し突っ込む永久機関に。徐々に現れてくる玉ねぎの内壁もスプーンでこそぎ落として一緒に食べると野菜の甘みが口に広がる。もちろん他の料理もうまい。ワインワインワイン、かと思いきやレモンサワーもうまいのよ。
佐賀をナメていたよ
こんな寂れた僻地で会えると思わなかった。荻窪「トマト」に匹敵するカレーを出す「白山文雅」。昔の文豪か?供された時にときに皿に乗っているご飯の量はドッキリかと思ったけどちゃんと後から別鍋で供される。ビーフカレーはマジで荻窪「トマト」を思い起こさせるほどうまい。そしてキノコのカレーは優しい。このレベルのカレーが1500円程度。誰も歩いていない佐賀市の平日の昼で1時間待ちも納得。
食えるタイプのエイリアン
エイリアンに遭遇した。佐賀市の居酒屋「蔵」で。まずはムツゴロウの蒲焼。泥の中から口の中へいらっしゃい。少し苦味のある蒲焼。そしてワラスボの炙り。鋭利な歯ごと七味マヨに付けて食らってやる。しっかりとした噛み応え。ダイエットになりそう。味は普通の魚の干物のよう。お次はイソギンチャク。水族館でしか見たことない。イソギンチャクのどの部分を食べているかわからないが、誤解を恐れずに言えば食感は袋から取り出した金玉。味は味噌煮。そしてマジャコの唐揚げ。こいつはまだわかる。エビに近い。エビより殻の香ばしさが強い印象。お次は幻の魚こと「エツ」。こいつも酒のつまみにピッタリ。お気に入りだったのはイカの口の串焼き。イカが名物なので、おそらくイカの口もたくさんあるのだろう。コリコリの食感でクセになる。こいつらを日本酒で流し込む。佐賀は九州では珍しい日本酒の県。2軒目で食ったソウルフードらしい魚ロッケ(ギョロッケ)もうまかった。ギョギョギョ!
おばちゃんの手の味
やっぱこういうのが好きなんだよな。佐賀の海沿いの道の駅で買ったおばちゃんの味。いやもしかしたら工場で作られてるかもしれないけど、道の駅のおばちゃんが作ったと思いたい。自分でカゴメのケチャップ塗って、パンパンのチキンライスを頬張れば、結局ここに帰ってくんだなと思わされる。広大な干潟を見ながら。
最強サウナ飯
迷ったよ。宿代に13000円プラスして晩飯を宿で食うことを。結果的には良かったよ。1泊30000円になっても。宿の飯ってそれだけでええやんか。周り山だから行く店もないし、寒いし。「御船山楽園ホテル らかんの湯」の日本一のサウナに入って、ビール飲んで、最高やん。一人客は俺ぐらいしかいなかったけどさ。そんなの関係ねえよ。色々出てきたけど最後に食った鍋の出汁がうますぎた。おばちゃんに聞いたところ、すっぽんと鰹出汁らしい。うますぎてダンブルドア飲みしちゃったよ。ダンブルドアが分霊箱探しで毒飲み干したときみたいな飲み方な。あと佐賀牛とかもうまかったよ。払おう、宿の晩飯代を。
聖夜のギンギン鍋
クリスマスの恵比寿で食ったネパール料理屋「クンビラ」のヒマラヤ鍋。高山ハーブやスパイスやヒマラヤの天然岩塩とか入っているオリジナルの鶏白湯鍋。食ってるうちに体はポカポカ。あまりに汗かいたのでネルシャツ脱いでロンT一枚になった。そして何より、次の朝起きたときギンギンだった。それはもうすごいギンギン。様々なスパイスがそうさせたのかもしれない。恵比寿のラブホ街にこの店があるのはそういう理由かもしれない。
番外編
甘い冷奴
2022年から冷奴を家飲みで食べるようになった。基本的に家で飲む時はいつもスーパーでメンチカツ、ポテサラ、刺身盛り合わせ、焼鳥、〆の寿司を買ってきて飲むのだが、デブなのでこれらはビール2杯目ぐらいで全部食べ切ってしまう。その後に何かつまみたいものを探していたところ、なんかヘルシーそうな冷奴にたどり着いた。鹿児島の甘い醤油をかけて食べるとめちゃうまい。親父もそういえば冷奴をいつも食ってたなあと、血は争えないことを実感した一品。
最高級限界独身男性飯
宮城県仙台市に初めて行ったので自分へのお土産に買ってきたフカヒレ。たしか3000円ぐらいしたが、フカヒレなのでしょうがない。どうせ味のない春雨やろと思っていたが、めちゃ美味かった。レンチンしてあっためて、これまたレンチンしたご飯に直接かけるとものの数分でフカヒレご飯が完成。フカヒレはトゥルントゥルン、スープは抜群にうまくて最高級の限界独身男性飯だった。
とまあこんな感じでした。こう見返してみると、やっぱ地方のご飯はうまかったし、東京で食べれない珍しいものがたくさんあるなと思いました。どんなに金を使っても、どんなに太ろうと、食べたことない食べ物を食べていきたいなと思った所存です。2023年も面白い食べ物に会えますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?