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季節性インフルエンザはいつからただの風邪になったのか

今年のGW明けからcovidのコロ助が5類感染症に移行した。

ずっと2類を続けていれば安心かもしれないけど、それによって社会生活が制限されるもどかしさは痛いくらいに身に染みていて、どこかでピリオドを打たないと社会がダメになるってことは誰もが考えていたことだと思う。
そもそも行政が2類を続けていくにはお金もかかるし、財源はわたしたちの税金なのだ。

最近の感染状況とか罹った時の重症度とか、総合的に考えて妥当な頃合いだと思う。

そして迎えた5月8日。
テレビは日常復帰の象徴としてマスクを外した人たちにインタビューを重ね、撤去されたアクリル板と消毒液を映し出した。
なんかヘンだなと思う。ニュースの映像からは、まるで感染症が制圧され、すべての危険がゼロになったかのような印象を受けるのだ。

5月8日に行われた手続きは、新型コロナの指定感染症のランクを下げ、季節性インフルエンザと同等にした、という話。(国がアレコレ注文をつけて感染対策を強制することが出来なくなっただけ)
でも、この日の報道からは「季節性インフル相当なんて病気のうちに入らない」くらいのメッセージが出ているような気がした。
(そんなはずはない!)

思い出してほしい。コロナ禍以前のわたしたちは、季節性インフルにもそれなりの注意をしていたのだ。
流行の兆候が見られれば手洗いうがいが推奨され、ワクチンを打って備えた。感染疑いで町医者にかかれば別室診察に通されて、陽性判定で会社も学校も出席停止。高熱が出て節々が痛み、丸3日くらいはダウンしてしまうくらいのヤバい風邪。
季節性インフルエンザってそういうものだったはずだ。

5類感染症という指定を外されていない以上、covid-19だってまだまだ注意が必要な感染症なのだと思う。この当たり前の事実が伏せられて、あるいは目を背けて、日常復帰記念日のように振る舞うのは科学的でない。

感染症として再流行の懸念があるなら、習慣化した対策を(自主的に)続けることは無駄なことじゃない。

手洗いできるならしたほうがいいし、
消毒できるならしたほうがいいし、
パーテーションだってあったほうがいいし、
密を避けられるなら避けたほうがいいし、
マスクもできるならしていたほうがいい。

これらの判断を強制ではなく、TPOで判断できるメリットが5類化だと思う。

もちろん、対策を続けることはデメリットとトレードオフになるのだけど、どっちでもいいことまで止めてしまうのは賢くない。せっかく投資して取り付けたアクリル板を、5月8日限りで捨ててしまうシーンを見た時、控えめに言って馬鹿だと思った。

広報を良く読めば、手洗いも消毒もパーテーションもマスクも、三密回避だって「不要」とは言ってない。
しなくてもいいよ。でも結果は自己責任でね。
という書き方になっているはずだ。

そして、ここが大事なことだけど、
5類化以降は罹った時の治療費だって自己負担なのである。死なない病気になったかもしれないけど、感染症なんて罹らないほうが良いに決まってる。

親しい人との会食でマスクしたり会話を控えたりするのは嫌だけど、見知らぬ人から病気はもらいたくない。だから満員電車ではマスクをしておこう。
ケースバイケースの判断ができることが自己責任なのだと思ってる。

これからはわたしたち自身の判断力が、試されているんだよ。







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