見出し画像

ティーチングだけで終わらない1on1(ヤフーの1on1)


本間浩輔著「ヤフーの1on1 ― 部下を成長させるコミュニケーションの技法」を読んだ。

この春、初めての後輩育成・サポートをする立場となったため、後輩を効果的に育成・サポートし、経験を自分自身の成長へ繋がるためにも、まずはインプットが必要だと思い本書を手に取った。

後輩の育成・サポートとして、毎日30分の会話の時間を取るようにしている。本書を読みながら、どうすれば、後輩と会話する30分の時間をより後輩にとって意義ある、充実した時間に出来るかを考えた。

1.「7:2:1」の理論

「7:2:1」の理論とは、人の成長を決める要素の比率で、7割は「仕事経験から学ぶ」割合、2割は「他者から学ぶ」割合、残りの1割は「研修や書籍から学ぶ」ことを示している。

■「7:2:1」の理論
7割:仕事経験からの学び
2割:他者からの学び
1割:研修や書籍からの学び

沢山の研修を受けたり、書籍を読んだりするよりも、経験からの学びが大きいことが印象的だった。

2.コルブの経験学習モデル

そして、「コルブの経験学習モデル」によると、人が経験から学ぶためには、下記のようなサイクルをたどるという。

■コルブの経験学習モデル
具体的経験
→内省(振り返り)
→持論化、概念化(教訓を引き出す)
→持論、教訓を活かす(新しい状況への適用
→具体的経験
→…

後輩の成長をサポートするためには、1on1の時間で、経験を掘り下げて、教訓を引き出し、次に活かす傾聴や問いかけが大切だと感じた。

3.コーチング・ティーチング・フィードバック

後輩への働きかけ方として、「コーチング・ティーチング・フィードバック」の3種類の特徴を知った。

コーチングは、後輩が経験から学び、次の行動をうながすための質問を主としたコミュニケーション手法のことだ。

■コーチング
後輩が経験から学び、次の行動をうながすための質問を主としたコミュニケーション手法

コーチングは、進捗確認のような問いではなくて、「成功した要因は?」「根本的な問題は?」「このできごとから何を学ぶか?」など後輩の内省を促すような問いを投げかける。このような問いを投げかけることで、後輩の考えを引き出し、自ら考える力を育てられる。

次に、ティーチングとは、知識や技術を知っている人から知らない人に教える行為のことだ。

■ティーチング
知識や技術を知っている人から知らない人に教える行為のこと

交通費の申請方法や有給休暇の取り方など、単に知っていれば良いことは、すぐに答えれば良い。後輩からの質問に対して、ティーチングかコーチング、どちらが効果的かを意識して回答することが大切だ。

そして、フィードバックは、後輩へ期待する仕事の水準と後輩がもたらした成果との差を伝えたり、後輩がどのように見えているかを伝えたりすることだ。

■フィードバック
後輩へ期待する仕事の水準と後輩がもたらした成果との差を伝えたり、後輩がどのように見えているかを伝えたりすること

フィードバックで「耳の痛いこと」や「相手が気が付いていないこと」を伝えることによって、後輩は改善ポイントや目標水準を明確にできる。

1on1の時間を後輩の学び・成長のために使うには、相手の考えを引き出したり、改善ポイントや目標水準の認識を明確にしたりすることが大切だと思った。そのために、ティーチングだけの1on1ではなく、コーチングやフィードバックを意識していきたい。

4.好きなこと・得意なこと・意義を感じること

後輩の目標設定や業務を考える際に、キャリアの希望ややりたい事が出来るように、後輩の想いを聴きたい。しかし、「どんな仕事がやりたいですか?」「半年後どうなっていたいですか?」と問いかけでは、なかなか後輩の思考や想いを引き出せないなと私は感じていた。

そんな時「どんな仕事がやりたいか」と問うのではなくて、「好きなこと・得意なこと・意義を感じること」を問うと後輩が思考を深めやすいと本書で紹介されていた。

確かに、自分自身も新卒入社してすぐの頃は、業務に取り組んでみなければ、どんな仕事をしたいかや、どんなキャリアを積みたいかなんて、難しすぎて答えられなかったと思う。一方で、好きなことであれば、「書く」「人と話す」「計画を立てる」などの小さなことでも答えやすいし、意義を感じることという問いであれば、自分は何を重視して仕事をしたいか、生きていきたいかが伝えやすいと感じた。

5.まとめ

本書を読みながら、この本は何度も読み返す教科書にしたい本だと感じた。

多くの気付きや発見があったが、その中でも、今、私がこれからの1on1で意識していきたいことを改めてまとめてみた。

■私がこれからの1on1で意識する3つのポイント

①後輩が経験を掘り下げて、教訓を引き出し、次に活かすための問いかけや傾聴をする

②ティーチングだけではなく、コーチングやフィードバックの意識によって、後輩の考えを引き出したり、改善ポイント・目標水準を明確化したりする

③後輩のキャリアややりたい事を引き出すために、簡単で答えやすい「好きなこと・得意なこと・意義を感じること」を問うてみる

後輩が成長し、後輩の成長をサポートする自分自身の対話能力も向上できるように、まずは、早速明日から、「ティーチングだけで終わらない1on1」を始めたい。