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BtoB中小企業マーケ初心者の学び:戦略に沿った適切な目標、KPI設定が出来るようになりたい!!(少人数チームからはじめる失敗しないBtoBマーケティングの組織としくみ)

萩原張広著 「少人数チームからはじめる失敗しないBtoBマーケティングの組織としくみ」を読みました。仕事でBtoBマーケティングに関わるようになったので、そもそもBtoBマーケティングとは何か基本的な考え方から学びたいと思いこの本を選びました。

◆BtoBマーケティングについての悩みと疑問

数ヶ月前から中小企業でのBtoBマーケティング業務に携わるようになった。この数ヶ月の疑問や悩みをまずは書き出してみようと思う。

・予算や人員の規模が限られている。
・業務効率化をしたいが、何から手を付ければ良いかわからない。
・適切なKPIの立て方、成果の測り方を知りたい。
・ノウハウが少ないため、社内で頼れる人が少ない。
・MAツールを上手く使いこなせていない。
・中小企業マーケティングキャリアのロールモデルが見つからない。
・マーケティング関連の書籍の多くが外資や大手に向けたもので、日系中小企業で参考にしづらい。

◆本書で学んだ事

日本企業は外資企業と比べて、マーケティングが重視されていない。高度成長期は、マーケティングに頼らなくても、モノを作れば売れる時代だった。しかし、今や人口も需要も減少局面で、限られたパイを奪い合う時代が到来する。同時に、労働力減少も進むため、効率的な業務プロセスを築き上げる事はどの業界業種でも欠かせない。

そこで注目すべきがマーケティングである。マーケティングの本質は営業へパスするリード顧客が受注に繋がる確率を上げる事である。例えば、100件営業アプローチをかけて5件受注するのではなく、10件営業アプローチをかけて5件受注する状態を目指すことだ。何件も営業をかけるのではなく、適切な顧客へ戦略的にアプローチすることで業務効率を上げるためにマーケティングが存在する。

マーケティング戦略に関しては、以下の3つのプロセスが基本とされている。

1.自社が顧客に提供する価値を明確にする
3C分析、PEST分析、SWOT分析、5Force、プロダクトライフサイクルなど

2.どの層の顧客にどういう価値判断の軸でサービスを提供するかを明確にする
セグメンテーション、ポジションニング、ターゲティングなど
※他社との差別化が重要。ただし、差別化とは製品の質や価格だけでなく、販売やサポートなど販売前後のプロセスも含まれる。

3.顧客との接触から受注、アフターフォローまでのシナリオを描く
カスタマージャーニーなど
※顧客とのファーストコンタクトはWebサイトやSNSなどオンラインの場合が多い。そのため、商談やリアルでのイベントと同様かそれ以上に、デジタルコンテンツが大切である。そして、デジタルでの接触から商談に繋げるまでのアプローチのスピード感も重要だる。

このような戦略に沿って、マーケティング業務に就く人は「半年間で○件商談を作る」のような目標を立て、目標達成するための設計をする必要がある。

目標達成のための施策の是非を判断するためにMAツールが便利である。例えば、MAツールには以下のような機能がある。

・メールやウェブの訪問者とその動向の可視化
・タグやスコアリングなどを用いた見込顧客の管理
・見込顧客や顧客属性に合わせた個別アクション、キャンペーン(ABテスト)の実施 など

この他にも様々機能はあるが、なかなかMAツールを使いこなせない企業が多いのは以下のような原因がある。

・デジタル顧客体験が考慮されていない。
・目標やKPIなど数値目標が考慮されていない。
・顧客情報が収集、整理されていない。
・人手不足

このように様々な機能と課題があるMAツールだが、MAツールなどを活用して到達するべきマーケティングの成功状態は、以下のような状態である。

1.展示会や営業個人が獲得した名刺などを集め、見込み顧客リストを整備、統合する。
2.デジタルで認知、興味を高め、効果的な顧客体験を提供する。
3.インサイドセールスとMAツールを使い、顧客のニーズを育てる。
4.イベントでのリアルな顧客体験を通じて、顧客のニーズをさらに深堀する。
5.営業マンがソリューションプロセスを担い、顧客の課題解決に取り組む。

このようなプロセスを社内に築いて効率的な営業ができる状態にするには、業務整理・ツール使用方法の理解・関係部署の巻き込み・情報管理の標準化などが必要だろう。

◆まとめ

本書を読んで、中小企業でマーケティング業務に携わり続ける意欲が湧いた。マーケティングが広まっていない日本企業でマーケティングに力を入れることで営業プロセスの効率を向上させる事が出来ればその経験を他企業で活かすチャンスが沢山あると感じた。また、大企業に比べて中小企業は一人の裁量が大きいためマーケティングプロセスの整備について提案も行動もしやすい恵まれた環境にいることに気が付いた。

これから、以下の事に取り組もうと思う。

・MAツールの現状と機能を把握して使いこなせるようになる
・顧客データ管理の標準化、ルール作成の提案をする
・戦略面で不明瞭な点を明確にしていく提案をする
・戦略に沿った目標、KPIを設定する

目標、KPI設定は、一番ハードルが高いと感じた。そのハードルを越えるためにも、MAツールを使いこなせるようになり、戦略を明確にする必要があると思う。また、マーケティングの目標やKPI設定に関する本を探して読んでみようと思う。

【悩みと疑問 の 現状】
・予算や人員の規模が限られている。
⇒大手や外資と違うやり方を自分なりに確立する必要がある。大変だけどそのノウハウは、他企業で活かすチャンスが大きいと思う。

・業務効率化をしたいが、何から手を付ければ良いかわからない。

⇒分析に基づいて戦略を立て、MAツールを使いこなす。

・適切なKPIの立て方、成果の測り方を知りたい。
⇒MAツールを使いこなせるようになれば、数字に落とし込みやすくなると思う。また、追加で書籍やウェビナーでのインプットが必要だと感じている。

・ノウハウが少ないため、社内で頼れる人が少ない。
⇒日本企業全体で見てもノウハウも人材も少ない。逆に言えば、自分なりに学習と実践を積み重ね、ノウハウを作ることで、自分の経験を応用できるフィールドが広がっていると感じる。

・MAツールを上手く使いこなせていない。
⇒社内の現状を把握する。目的達成のために必要なツールの使い方から覚える。

・中小企業マーケティングキャリアのロールモデルが見つからない。
⇒著者が働いている会社エムエム総研が運営するメディア「マーキャリ」が参考になるかもしれない。

・マーケティング関連の書籍の多くが外資や大手に向けたもので、日系中小企業で参考にしづらい。
⇒欧州と日本で営業の仕方が全然違うので、欧州のマーケティング手法をそのまま日本に取り入れることは出来ないとわかった。ただ、マーケティングのコンセプトに従って、効率的な営業活動ができるように、独自にアレンジしながら日本企業にあったマーケティングを確立していく必要がある。