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リソースが限られた中小企業で取り組むコンテンツマーケティングで重要なこと!(いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本)

宗像淳、亀山將著「いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本 人気講師が教える宣伝せずに売れる仕組み作り」を読みました。

コンテンツマーケティングの考え方や方法の基本を学びたくて、まずはインターネットで検索しました。すると、著者が書いたWeb記事がわかりやすかったので、もっと体系的に知識をインプットするために本書を購入しました。

わたしは、中小企業でリソースが限られているなか、マーケティング施策の一つとしてコンテンツマーケティングに取り組むとしたら、何が重要なのか、コンテンツマーケティングの本質は何かが特に知りたいと思って本書を読みました。

以下、本書で学んだことを中心に中小企業でコンテンツマーケティングへの取り組み方について自分の頭を整理するためにまとめてみます。

もくじ
1.コンテンツマーケティングで重要なこと
2.コンテンツマーケティングの本質
  1)中長期的に使えるコンテンツを使う
  2)それぞれの顧客がその時々に欲しい情報を届けること
  3)企業や製品、ブランドへの興味、関心、信頼を高めること
3.まとめ

1.コンテンツマーケティングで重要なこと

コンテンツマーケティングを始めるとしたら、目的を明確にして、長期的に取り組む覚悟を決めることが重要だ。

コンテンツマーケティングは広告や製品紹介ページ作成と比べて、結果が出るまでに時間がかかる。したがって、なんのためにコンテンツマーケティングを行うかがはっきり決まっていないと、その場その場の数字の変化に振り回されてしまう。コンテンツマーケティングを始める前に、自社の課題、営業の課題、リード育成の課題など、いつまでに、どの課題を解決するために、何をゴールにするか、明確に定める事が重要である。また、コンテンツマーケティングはリード顧客の興味関心を少しずつ少しずつ育てていく施策なので、すぐに結果は出ない。すぐに結果が出ないことを念頭において、最終的な目標を達成するために必要な、短期の目標設定をすることが重要である

このような、目的の明確化と適切なKGI・KPI設定は、コンテンツマーケティングに限らず、他のマーケティング施策だと感じる。だから、マーケティング施策の目的の明確化するためのフレームワークや社内プロセスを標準化したり、マーケティング施策にどんなKGI・KPIを選ぶかが適切に判断したりできるようになりたい


2.コンテンツマーケティングの本質

コンテンツマーケティングの本質は、1)中長期的に使えるコンテンツを使って、2)それぞれの顧客がその時々に欲しい情報を届けることで、3)企業や製品、ブランドへの興味、関心、信頼を高めることだと思う。

上記のように、コンテンツマーケティングには3つの大きな特徴があると思う。

1)中長期的に使えるコンテンツ
コンテンツマーケティングの大きな特徴は、広告やSNS投稿のように一瞬で流れていくコンテンツではなく、長く何度も利用できるコンテンツということだ。したがって、良質なコンテンツを作り、顧客ニーズにあったコンテンツを充実させていけば、より効率的に顧客へ良質なコンテンツを届けることができる。

2)それぞれの顧客がその時々に欲しい情報を届ける
コンテンツマーケティングは、企業が伝えたい情報ではなく、顧客が欲しい情報を届けることが重要だ。すぐには購入しないけれど、興味があるから情報収集している顧客が欲しいのは、その製品やサービスに関連する知識であり、製品、サービス情報そのものではない。製品やサービスに関連性は低いけれど、顧客の感情やロジックへ訴求して共感してもらえるコンテンツを作成することで、顧客との接点を維持し続けることが大切だ。

とはいっても、顧客が欲しい情報やトピックがなにか、なかなかすぐにはわからないと思う。顧客が欲しい情報がなにかは営業が普段顧客とのコミュニケーションで課題に感じていること、よく顧客から聞かれること、盛り上がったテーマをヒアリングすることで、見えてくるかもしれない。また、顧客が欲しい情報や製品、サービスを中心に、関連するトピックを書き出してみることで、コンテンツマーケティング記事のテーマになりトピックが見つかるかもしれない。一つの方法として本書では、マンダラチャートを応用する方法が紹介されていた。以下の写真のように、中心の正方形にキーワードを書き込み、それに関連するキーワードを真ん中9マスの正方形に書き込む。そして、それらを中心にした9マスの正方形に更に関連するキーワードを書き込んでいく方法だ。

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(https://www.aile21.jp/worrieshealthroom/yarukiow64より)

3)企業や製品、ブランドへの興味、関心、信頼を高める
コンテンツマーケティングの最終目的は問合せ数や商談件数、受注件数の増加などがあるだろう。ただし、最終目的を達成するためにも、顧客の興味、関心、信頼を高めることがコンテンツマーケティングの役割である。

繰り返しになるが、最終ゴールを達成するためにも、適切なKGI(=長期的/最終的なゴール)・KPI(KGIを達成するための短期的/一時的なゴール)を設定することが重要だ。

KPIの設定には顧客の段階ごとに様々な指標がある。

ⅰ.認知獲得段階のKPI 
検索流入数、キーワード順位、滞在時間、ソーシャルメディア流入数、ソーシャルシェア数、ソーシャルメディアでのコメントや反響、直帰率、離脱率、新規訪問率など

ⅱ.調査・理解段階のKPI
検索流入数、キーワード順位、滞在時間、離脱率、ダウンロード訪問数/率、ダウンロード完了数/率、セミナーページ訪問数/率、メルマガ登録数/率など

ⅲ.比較・選択段階のKPI
サービス資料請求数、問い合わせ数、有効商談数など

このように様々なKPIとなりうる指標があるが、細かな指標にとらわれ過ぎないように注意が必要だ。また、リソースが限られている場合や、コンテンツマーケティングを始めたての場合は、【ⅲ.比較・選択段階 ⇒ ⅱ.調査・理解段階 ⇒ ⅰ.認知獲得段階】という順で、優先順位をつけて施策に取り組むと良い。比較選択段階の顧客へ自社製品やサービスを訴求できなければ、いくら調査理解段階の顧客を増やしても対応しきれない。同様に、調査理解段階の顧客と接点を持ち続けられるようなコンテンツが整っていないならば、比較選択段階の顧客との接点が、次のフェーズで途絶えてしまうことになる。したがって、少ないリソースでコンテンツマーケティングに取り組む時や、コンテンツマーケティングを始めたての時は、比較選択段階の顧客を訴求するようなコンテンツの作成をし、比較選択段階の顧客がどれだけ増えたかを測るKPI設定をすることが重要だ。


3.まとめ

「中小企業でリソースが限られているなか、マーケティング施策の一つとしてコンテンツマーケティングに取り組むとしたら、何が重要なのか、コンテンツマーケティングの本質は何かが特に知りたい」

と、思って、本書を読み始めた。

大企業でも中小企業でも、そもそもコンテンツマーケティングに取り組む上で重要なのは目的の明確化と長期的に取り組む覚悟(=KGI設定&KPI設定)だ。

また、中小企業でリソースが限られているのであれば、認知獲得や顧客の知識向上ではなく、自社製品を他社製品と比較した時に何が良いか伝えることに注力することが大切だと思う。その成果を測るKPIとしては、サービス資料請求数、問い合わせ数、有効商談数などが活用できる。そして、コンテンツ作成には営業からのヒアリングやマンダラチャートを利用したテーマ選定のような方法がある。

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中小企業のマーケティング職として、わたしも、もっと、全体像を把握して戦略を描き、優先順位をつけた効果的な取組で、結果が出せるようになりたいな。