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『暖かい11月が終わった』

男はそう感じた。眠りから目覚めた。
「イオンのフードコートでご飯を食べている家族を無差別にブチ殺す夢」を見ていた。
全裸で床から起き上がり「ブラックニッカ」と書かれたウィスキーの瓶に入っている糞尿をロックで喉に流し込む。そして「マクドナルド」で買った危険ハーブを吸いこみ煙を吐く。そして呟く「これが本当のビッグマックだ」男はファーストフード感覚で「ソフトブッダ」になった。厳密に言うと「瞬間の悟り」「インスタント禅」だ。
男はパンツを履く前にまずは「adidasの陰茎ケース」に自分のチンポをしまい「GUCCIの睾丸ケース」に自分のキンタマをしまった。その上からサイケデリック模様で「セブンイレブン」と書いてあるロゴの付いたボクサーパンツを履いた。ネットでやり方を読んだ瞑想を10分間してみた。
何も変わらなかった。
そして夢で見ていた「イオンのフードコート家族無差別惨殺」を実行に移すかどうかを中田敦彦のYouTube大学を流し聴きしながら悩んでいた。
YouTubeの急上昇ランキングを見てみた、全ての動画から傑作の匂いがした。どれも見なかった。
ベランダの窓を開け放った、11月の冷たい空気が部屋に充満していく。外を眺めると街行く人々は全裸だった。暗い顔をした人はひとりも居なかった。
全裸のおばさんが犬を散歩させていて、犬の名前を「グーグル」と呼んでいた。犬は電信柱では無く必ず人の足元でオシッコをしていた。
男はトップバリューと書かれたペットボトルに入ってた「ドブ」をマグコップに注ぎレンチンして飲みだす。
そして牛の糞尿が原料であると噂のインドで作られているお香に火を灯す。
体に悪そうな良い匂いがする。だが男にとってはそれが至高なのだ。お香は「Amazon」という看板が建てられていた西成の廃屋で購入した。店員は人間ではない何かだった。Wi-Fiは通ってなかった。
そしてテレビをつける。
集金人が何回も来たが1度も払ったことがない金で運営されてるらしいチャンネルをつけた。死ぬまで払う事はないだろう金だ。
「タイトショー」が始まった。
司会も出演者も普通に番組を進めてはいるのだが全員「目玉が無かった」
ひとり残らず。そして目玉の代わりに偉人の顔が刻まれた硬貨が付いていた。人間だけがモノクロで色が無かった。 
つまらないのでテレビを消した。
男は便意を催したので近くの公園のトイレに行って小便器に大便を排便した。
公園の遊具は全て代理石でできていて、全裸の大人達が遊んでいる。そしてスーツを着た子供達が周りで険しい顔をして見張っている。男に対しても険しい視線を向けた。目線を合わせる度に全員が少しこちらに近づいた、外すと止まったので男は無視した。
公園の近くに見た事がない露店があった。
目の前まで行ってみると。
もうこの先長くないであろう老人達の肉がカリカリに揚げた状態で店頭に並んでいる。
看板に「ケンタッキー」とあった。
美味そうだったが金が無かったので男は帰った。
そして各部屋に違う国籍の人が住んでいるワンルームアパートに帰宅した。
男は近頃「心のシーソーゲーム」が上手くいっていない。上手くリズムに乗れていない。
そしてタバコの灰皿に危険ハーブの灰を落とし「supremeの精液皿」に射精した。
そして「ダイソー」で買った、漏らした老人のケツを拭いたチリ紙で自分の陰茎を拭いた。
男は脱力し、全てのやる気を無くす。
「夢の計画」は後回しになった。

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