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かつての推しの炎上を俯瞰して

最初に述べておくが、これはあくまでも私の自論である。


私のかつての推しが炎上した。

私が、その人のことを「かつての推し」と表現するのは、数年前まではガッツリ追っかけていたものの、自分のことが色々重なった結果、ここ数年まともに追えていなかったため、推しと表現するのが憚られるからである。

しかし「かつての推し」とすると、文がなんとなく読みづらいので、ここから先は私のかつての推しの事をAさんと記すことにする。

ちなみに、このAさんは、大きな事務所に所属しているアイドルなどではない。


今回、Aさんの炎上した理由は、ざっくり言うと恋愛関係。

とはいえ、浮気や不倫などといった、人間性を疑うようなアレではない。

どちらかというと、週刊誌に撮られちゃった的なアレである。


私はAさんとその界隈から少し離れていたおかげで、冷静に記事を読んで、「あちゃ〜そっか〜」くらいの感想が出たくらいだった。

Twitterにはあることないこと、憶測や妄想でやいやい言うファンの姿も目立った。


その中で散見されたのは、

「Aはファンを騙していた。もう信じられない。」


というような意見。


こういうツイートを嫌というほど見た。一時“A”という名前がTwitterのトレンド入りするほど。


そもそも、推しとファンとの間には、埋められない壁がある。

いくら推しがファンを心から大切に思っていようと、一人一人、全員を見つめることは出来ない。

ファンにとって推しは、人生においてかけがえのない存在かもしれないが、推しにとってファン個人は多くの場合が、“知らない人”である。

それを勘違いしている人が多すぎるような気がした。

「私たちファンから見ることのできるAさん」というのは、あくまでもAさんのONの姿で、限りなく少ない情報。

そりゃあ、ファンに全てをさらけ出すわけがない。

ファンにさらけ出すというのは全世界にさらけ出すのと同義なわけで。

私たちのような一般人でさえ、人に言えない秘密の一つや二つ抱えているわけで、全世界に発信できない秘密なんていくらでもあるに決まっている。


週刊誌か何かで交際疑惑が公になったら、ファンは、「なんで隠すんだ!」と謎のショックを受けるくせに、交際宣言をすると「隠し通すのがプロだろ!」と怒る。

なんて自分勝手な人達なんだろう。

Aさんの件でも、ファンもそうでない人もみんな一緒に寄って集ってAさんを叩く図が見られた。

外から見ていて、正直、気の毒だと思った。

Aさんのような、事務所の力などは関係なく、ほぼ個人の実力で人気を勝ち取ったような人は、「A」というキャラクターと自分が密接になりすぎている。

というか、ほぼそのまま本人がAの薄い皮を被っただけ、のような。

そうなると今回のように問題が起こると、全てが本人に降りかかる。

そこに、あることないことどんどん膨らむ憶測と妄想、それに誹謗中傷の嵐。

この苦しさはほんとうに計り知れないほどだろう。


確かに彼ら、彼女らは夢を見せる職業かもしれない。

でも勝手に夢を見ているのはこちら側である。

勘違いするのも恋するのもこちらの勝手かもしれないが、本人に迷惑をかけてはいけない。

推しを好きなら、推しに好かれるファンでいるべきではないか。

いられないと思ったなら黙って去るのが得策ではないか。

と、私は思う。


そして、私はAさんがどうか心を壊さないでいてくれることを願う。

頼むから、頼むから生きていて。

もし、もし、Aさんが表舞台に戻ってくることがあったら、その時は久しぶりに現場に出向いてみようかな。と。

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