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第十九話 かわいい恋愛③

柔道では初段からが黒帯を締めることができる。初段になるためには、県や市の体育館で定期的に行われている審査会で、一定の成績をおさめる必要がある。審査会に来た初段受験者がランダムに5~6人のグループに振り分けられ、4勝以上すれば合格となるわかりやすいシステムになっている。(地域によって違うらしいです)

今まで何回か受験したが毎回不合格で、一年生のうちに初段になる最後のチャンスの審査会だった。結果はまた不合格。あと1勝が届かなかった。「またダメだったよ」「しょうがないよ!二年生になったっていいじゃん!」そんな会話をする。自然に部活終わりなどに一緒に帰るようにもなっていた。周りの奴らもそれを見てヒヤカスこともなくなっていた。

二年生になった頃には、身体もだいぶ出来てきて、階級も55㎏級になっていた。(現在とは階級システムが違いました)学年が上がってすぐの春の大会では、個人戦に出させてもらえるくらいに成長していた。(一つの学校での出場人数は決められていた)やはり三年生がメインのトーナメントなので活躍は出来なかったが自信にはつながっていた。

春の大会では新三年生の先輩たちは強くて見事に団体戦に優勝した。夏の大会に向けての練習がすでに始まっていた6月、やっと初段になることができた。自分より弱い部員たちが初段になっている中で、肩身が狭い思いをしていただけにとても嬉しかった。帰りがてらにスポーツ用品店に行き、ミズノの黒帯を注文した。(刺繍を入れるので日数がかかります)

その日の夜にくみちゃんに電話をし、合格したことを報告した。自分のことのように喜んでくれ、「お祝いしてあげるから今度の休み家行っていい?」と言われた。ここで決めてやる!という思いで私はかなり興奮していた。家に来るってことは、そうなってもOKって事だよな?と自問自答し、一年生の時に事故的に初体験したさっちゃんとの事を思い出しながらシミュレーションしていた。夜中に自販機でコンドームも買った。何個かはスムーズにつけれるように一人で練習に使った。てっちゃんの家でAVも何回も見てるし、自分の中でのイメージは出来上がっていた。

ついに待ちに待ったその日がやって来た。くみちゃんはケーキやお菓子を買ってきてくれてそれを二人並んで食べていたが、私の心中はケーキどころではなかった。雰囲気づくりにコンポでJITTERIN'JINNのCDをかけて、肩に手を廻してみた。嫌がる素振りがなかったのでキスしてみた。ちなみに素の状態でキスをするのは初めてだった。「いい?」と聞くと「うん」と返事が返ってきたので、さっちゃんにされたことや、AVで観た内容を頭の中でフル回転させて全て試してみた。緊張しすぎていたためかアレがなかなか勃ってくれない、場所がよくわからない、もうパニック状態だった。くみちゃんも初めてだったのだが、私が焦っているのが伝わって少し笑われて、顔が真っ赤で熱くなっていた。練習した甲斐があってゴムは上手くつけられて後はアレをアソコに入れるだけ。。。悪戦苦闘した末に、めでたく素の状態での初体験に成功した。

自らリードした初体験を済ませた私は、変な自信がつき、SEXに対しての興味が今まで以上に大きくなっていた。他の女の子ともしてみたい。。。そう思ってしまった私はくみちゃんと付き合うことはなかった。

今回は長くなりましたがくみちゃん編は完結です。自分で書いていて改めて当時のことを思い出すと本当に最低な男だと思いました。気分を害された方がいたら申し訳御座いません。次回は部活編の最終話になります。

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次回に続く


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