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安心して後回しに出来るようにする

はじめまして、ひきこもごもと申します。

メディカルソーシャルワーカーを中心としたひきこもり支援に関する任意団体「ひきこもごも」と申します。 支援員視点と、元当事者のメンバーによる、ひきこもりの状態にある方のいまと、気持ちを一緒に考えています。
いままでひきこもりの方、そのご家族、現行の支援とその課題、支援者のあり方を発信してきました。

今回は「安心して後回しにできるようにする」という内容をお伝えします。

タスク管理

タスク管理と聞いてどんな印象をもつでしょうか。なんだかいけすかねぇ、意識の高いやつがいきがって得意げに喋っている姿を連想するかもしれません。しかしもっと嚙み砕いていうと、タスク管理とは「安心して後回しにできるようにする」ということです。
しなければならないことを全てリスト化して、重要度の高いもの、緊急度の高いもの、一緒に片づけてしまえるものを、見える化する、整理作業をかっこつけてタスク管理と言い換えているだけです。

人間、貧すれば鈍する

ひとは切迫した状況にあると、簡単なことが素早く処理できなくなります。
頭の中に多くのやらなければならないことが雑多に混ぜこぜで積みあがっていると、ひとつやり終えても、次に取り掛かる1歩が遅くなり、いちいち判断を要します。
人間が1日にできる判断は10個まで、といった考え方もあります。その貴重な10個の判断を浪費しないためにも、カンニングペーパーとしてタスク管理表を作成しておきます。
次々と仕事を進めていく人は、頭の多くの部分をからっぽに保つことができている人です。つまりメモリの使用率の圧縮に成功していて、80%や90%の空き容量を維持できていて、いまを全力で考えることができていて、次にとりかかることを参照できる自分用の指示簿を持っていて、判断を介在せず次々と取り掛かれる準備ができているというわけです。

意識高そうで恥ずかしい× 自分の自動化をしておく〇

タスク管理してる自分、みたいなものに嫌悪感を抱く気持ちが私にはありました。なんだかキモチワルイ。ダサい。しかしやってみると実感としては自分の自動化の予約をしておくようなものです。これやったら次はこれをやっといてね、という自分という上司が自分という部下に事細かにやることを予定している感覚です。逆に言えば、スターマークがついていない、重要度が低かったり、緊急度の低い、でもやらなければならないことを、一旦忘れてもいいよ、という指示でもあります。

タスク管理は定期的に更新する(例週初め)

スターの付け直し(リスト化されたやらなければならないことに、もう一度優先順位をつけなおす)を行い、いま一旦忘れていいことを再設定してあげます。とにかく空き容量を最大化させてあげる工夫をしていってあげてください。

ひきこもりには理由がある

「親がしてはいけないこと」と銘打ち「ひきこもりには理由がある」を合言葉に、いまひきこもっているひとが、いまどういう状態なのかを考えています。ひとは理由なくひきこもりません。根源的な課題解決なしに性急に回復したような状況だけを求められてしまう当事者はたくさんいらっしゃいます。その環境出力だけを達成しても予後がよくない傾向にあります。いまどういう状態なのかをきちんと考える事で、一時的な状態変化に惑わされず、いま必要なものが考えられます。
当事者にとっても、家族などの身近な伴走者にとっても、理解してほしい、一度考えてほしい内容になっています。ご一読くださいませ。


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