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受心した青年のこころ⑤ 夫


人影を感じて2日めくらいのときだったか。

夫に人影のことを話した。


ちょうどアルバイトから帰ってきたときだったと思う。


夜の散歩で感じる違和感と人影の話を、まあ、こんなことあるんですけど、くらいの熱量で話した。

だいたい彼はいつだってそういう話には無関心なので、どーせ、聞き流されるだろうけれど、くらいの会話のつもりでいた。


ところが、珍しく今回だけは、「それで?」とか「どんな?」とか食いついてくる。


「みたの?(幽霊)」


「いや、見てないよー。恐いもん。感じるだけ」


「ふぅ…   ん 」


しかし、夫と話しているうちに、人物の外角が感じられてきた。


「ぁ、…でもなんかね、若い男性だわ。すごく、"なぜ、ここにいる?"って、とにかく、起きる?生き返る?すごいその方法を模索している。悩んでる?…違うな。なんだろ?調べてる?生き返るのを調べてる? もとにもどるのを願ってる?  …ナンノコッチャだね苦笑」


それを聞いた夫は、ただただ、気難しい顔をして黙ってしまった。

わたしは、またいつもどおりに夫は特別興味はないのだろうと思い、夕飯の支度をしたのだった。


↓つづく