Why Brexit? イギリスのEU離脱とは何?③

前々回の記事でEUの成立の道のりを。

前回の記事でイギリスのEU離脱の中身を見てきました。

今回はイギリスがEUを離脱することによって起こり得る問題を考えてみます。

イギリスがEUを離脱することで、大きく3つ問題があります。
1、北アイルランド問題
2、関税問題
3、自国ファースト主義の助長

1、北アイルランド問題

前回の記事↑でも書きました。
EU離脱で国境が生まれることで、イギリスの一部である北アイルランドが、隣国アイルランドと一体化する・しないで紛争を再燃してしまう可能性があります。

2、関税問題

現在、EU内では国同士の移動にパスポート・税関審査はいりませんし、モノの輸出入に税はかかりません。鉄道でモノを運んでも国ごとにモノの審査をする必要もありません。
しかし、イギリスがEU離脱をすると、鉄道で国境を越えるごとにモノの審査が必要になります。輸出入にも関税がかかるようになってしまいます。
それを避けようと、あらゆる企業が本拠地をイギリスから他EU国に移しています。

金融企業も同様です。EUでは、どこか一か国で金融の営業権利を取得すればEU内どこでも営業活動が可能になります。イギリスのロンドンにはシティという大きな金融街があり、多くの企業はシティで営業権を取得し拠点を置いています。イギリスがEUから離脱すると、イギリスで取得した営業権をEUの他の国で使えなくなってしまいます。

上記の理由で多くの企業がイギリスから拠点や工場を他国に移転し、「産業の空洞化」を起こしてしまいます。
世界屈指の先進国イギリスの立場は大きく変わってしまうかもしれません。

3、自国ファースト主義の助長

イギリスがEUから離脱しようという理由の大きいところは、「他国の移民まで受け入れられない」「自国の主権を持ちたい」という自国ファーストの考えです。
アメリカも「アメリカファースト」を掲げ、自国の経済や社会を優先し、イラン核合意離脱など他国との国際的な関わりを減らしてきています。
ドイツでも、受け入れた中東の難民がテロを起こし、移民排斥の動きが強まっています。
スウェーデンでも、その福祉制度の高さ故に、受け入れた移民の福祉負担に耐えられず移民排斥の動きが強まっています。

多くの国で、他国との関りを避け、自国主義の風潮が強まっています。

EUが出来た理由は何だったでしょうか?
西ヨーロッパが国境を無くし、隣国との友好的な関係を築くために成立しました。
しかし、今の世界中で起こる自国ファーストの動きはEU設立の動きと逆行しています。ますます国境の壁は強まり、隣国・国際的な関係が遠ざかっていきます。

イギリスのEU離脱は、この動きにさらなる追い打ちをかけかねません。
もしかしたら、火種となり他国でも同様の独立運動が高まるかもしれません。さらには、アルザス・ロレーヌの石炭・鉄鋼採掘という自国の利益のために紛争を起こしたフランスとドイツが戦争のきっかけにもなったように、世界的な紛争を引き起こす予兆とも考えられます。

今後のイギリスの行方は?EUの行方は?
そして世界の行方はどうなるのか?

追っていきたいと思います。

本編の参考文献です。

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