問題解決できてるかどうかより、「通れる実感」をイメージさせることができるかどうかだ
(ブログをやってみたいので、毎日noteを更新できるか自分を試しています。1回目です)
紆余曲折ありながらも、メーカーやベンダーとしてデザインに関わってきました。途中、他の職業に浮気した時代もありますが、今年で通算16年になります。大手広告代理店での経験はありません。中堅の提案屋、デザイン事務所での経験です。(とはいえ誰もが知ってる大手さんと関わってきましたよ、国内4輪、2輪、プリンター、ミシンの等多くのメーカーさんや行政と太いお付き合いがあります)
今日までいくつもの提案をしてきましたが、遅ればせながら気付いたことがあります。10年くらいの経験があれば「当然じゃん」と思うことでしょうけれど、案外このことを語る人が少ない気がするので書いてみようと思います。
破綻なきストーリ、なぜか玉砕する
一般に提案をする時「うまく行ってない現状(問題定義)」を「いい感じにする(解決案)」という筋書きにして、だから「この製品やコンテンツ(売り物)を作るべき」という流れにするのが一般的です。
これらが綺麗に破綻なくまとまっているのに、採用に至らないことがあります。一度はご経験があるのではないでしょうか。なぜか。
プレゼン資料に文字としては載せないけれど、筋道作りに必要な情報がある
提案を受ける側にも状況があります。問題提起までは言い当てたとしてもここをマークするのが非常に難しいのです。
予算、期限、相手側担当者の機動力、相手側担当者と上司の相性、企業としての性質、直前に起きた出来事、方針と実情の乖離、、、プレゼンのオリエンシートに嘘がなかったとしても、言葉にすることができない現実・実情の多くはこぼれ落ちているのです。
「道筋を通れる実感」をイメージさせられるか
結局のところ、実情に寄り添って進行し、実現できそうと思ってもらえる提案が通るのです。無理や無茶して無理やり押し通すやり方だってもちろんあります。
こちらが大手広告代理店であれば、クライアントもそれを期待して依頼しているところもあるかもだろうからそれでいいのですが、
代理店を通さず中堅の提案屋とクライアントが直接取引する場合は、クライアント側も協力して頑張ってくれないと進まないことが多々あります。
こういう時にどれだけクライアント側の事情に沿って、担当者の負担が少なくなるように寄り添えるかどうか。「これならできそう」と思ってもらえるか。
そういう経験を何度か繰り返して信頼関係を築き上げる、または築けそうと思っていただける、そういう提案が「通る提案」でした。振り返ると。
要は、相手も人間ってことです。
よくあるのは提案側の熱意が勢い余って、「提案」がいつの間にか「意見・押し付け」にすり替わっている時です。
(提案と意見の交差点と呼んでいる)こういうときは、相手にやる気と熱意がみなぎっている状況でない限り失注です。
考えてもみてください。仕事ですよ。
提案する側は仕事が人生の一部で楽しくやってることが多いですが、相手はできるかぎり面倒を避けて穏便かつ華々しき結果を求めていることだってあります。「めんどくさそうなのは勘弁してよ」って顔をする人もいます。そういう人を頑張らせようとする提案は通らないのです。一緒に成功体験を積んでちょっとずつやる気出してもらいましょう。
(なんなら、プロジェクトの成功よりも、担当者が楽しんでくれるようになることの方が仕事の価値や意義かもしれない。私とっては。)
相手が求めているものを見極めよう
上記の意味合い含め、オリエンシートに乗らない情報も加味しての提案なら通る可能性が高いです。要は、表向きの問題だけじゃなく状況を察知すること。
提案の質や完成度以外にも気を配るべきところはあるよ、
という話でした。
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